プレスリリース

2001年8月3日

高浜発電所3号機の原子炉起動および調整運転の開始について

1.今回の定期検査を利用して実施した主な工事等

(1)1次冷却材ポンプ供用期間中検査(図-1参照)
 1次冷却材ポンプの供用期間中検査として、3台ある1次冷却材ポンプのうち、AおよびC-1次冷却材ポンプについて、主フランジボルト、並びに同締め付け部等耐圧部の健全性を確認するとともに、分解検査としてインペラ等の内部部品について点検しました。
(2)蒸気発生器伝熱管予防保全対策工事 (図-2参照)
 蒸気発生器伝熱管の応力腐食割れに対する予防保全対策として、引張り残留応力の低減を図るため、高温側管板拡管部の伝熱管内面に、ショットピーニング(*)を施工しました。

*ショットピーニング
伝熱管内面にビーズ(直径約0.2mmの金属微粒子)を打ち付けることにより、材料表面に圧縮残留応力を発生させるものである。ビーズ供給装置から連続的に供給されるビーズは、空気により圧送され、伝熱管に挿入された先端ノズルから伝熱管に打ち付けられる。
(3)1次冷却材系統脱気装置の設置工事(図-3参照)
 プラント起動時における1次冷却材系統の溶存酸素を低減し、配管の応力腐食割れに対する環境改善および脱気操作の短縮を図るため、既に設置している脱気装置(3,4号機共用)への接続配管を設置しました。

2.蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査(ECT)の結果 (図-4参照)
 蒸気発生器伝熱管全数(既施栓管を除く10,114本)について、その健全性確認のため渦流探傷検査(ECT)を実施した結果、A-蒸気発生器の伝熱管5本、B-蒸気発生器の伝熱管7本、およびC-蒸気発生器の伝熱管5本の計17本に有意な信号指示が認められました。
 信号指示が認められた箇所は、高温側の管板拡管部であり、前回(第12回)定期検査、および高浜発電所4号機第11回、第12回定期検査で認められた信号指示と同様であることから、原因は製作時に伝熱管を管板部で拡管する際、管内面で局所的に引張りの残留応力が発生し、これと運転時の内圧とが相まって、伝熱管内面から応力腐食割れが発生したものと推定されました。
 対策として、これらの伝熱管17本について、施栓しました。
[平成13年7月6日 記者発表済]

3.燃料集合体の検査結果
燃料集合体(46体)について外観検査を実施した結果、異常は認められませんでした。
また、燃料集合体全数157体のうち69体を取り替えました。(取替用燃料集合体のうち52体は新燃料集合体)

4.次回定期検査の予定
平成14年夏頃

以 上

<参考資料>

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