プレスリリース

2000年2月5日
関西電力株式会社

世界初の高耐圧・超低損失12.3kV-SiCダイオードを開発

 次世代パワー半導体材料として期待されているSiC(炭化ケイ素)を用いて、世界最高耐圧の12.3kVの高耐圧・超低損失ダイオードを米国CREE社と共同で開発しました。
 現在、電力を制御するためのパワー半導体素子は、ほとんどSi(シリコン)を用いていますが、損失が大きく、さらなる高耐圧化あるいは高周波化は困難です。また、百数十度以上では動作しないという欠点があり、Siではその物性上限界に直面しています。このため、Siを物性的に凌駕するSiCを用いたパワー半導体素子の研究開発が世界各地で進められています。特に、SiCは高耐圧・高温・高周波の面で優れており、電力・自動車・通信などの業界が精力的に開発に取り組んでいます。平成12年2月、当社とCREE社は、従来報告されているSiCダイオードの約2倍の耐圧である12.3kVの世界最高耐圧のSiCダイオードの開発に成功しました。通電損失は、Siの場合の約1/3にでき、300℃の高温下でもダイオード特性を維持できました。また、速度の目安ともなるリカバリー時間をSiの約1/10にでき、交直変換装置のダイオード損失を大幅に低減できる見込みです。

パイロットプラント外観
12.3kV SiCダイオード

排煙脱炭パイロットプラント

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