プレスリリース

2000年5月10日

世界初の電気自動車用リチウムポリマー電池の開発

 当社は、日本電池株式会社(京都市南区吉祥院西ノ庄猪ノ馬場町1、社長:田中千秋)と共同で、高い安全性と高性能が実現できる多孔性ポリマー電解質を用いた電気自動車用リチウムポリマー電池の開発に着手しました。
 今年度から2年間かけて、電気自動車用としての実用化に向けた開発を進めていきます。

【概要】
1.開発する電池の特徴
多孔性ポリマー電解質を用いたリチウムポリマー電池を開発(世界初)
 微細な孔をあけたポリマーに少量の電解液を膨潤させる新技術を開発
  • ・高い安全性の確保
  • ・電気自動車に使用できる出力(大電流の放電)の実現
2.実用化に向けた目標
  • ・走行距離の倍増(ニッケル・水素電池搭載の電気自動車の2倍)
  • ・安全性の確保(ニッケル・水素電池と同等以上)
  • ・コスト低減(電解液を用いるリチウムイオン電池と同等以下)
定格容量(単電池) 60Ah(3時間率)
定格電圧(単電池) 3.6
エネルギー密度 130Wh/kg
300Wh/リットル
出力密度 400W/Kg
安全性(釘刺し試験において) 発火・破裂などのないこと
コスト(2000年量産時の場合) 100円/Wh以下
3.両社のこれまでの取り組み
  • ・安全性が高く、高性能が期待できるリチウムポリマー電池の開発に着手(平成9年度より)
  • ・10Ah級(実用車の1/6〜1/10程度の容量)リチウムポリマー電池の試作に成功

(平成11年度)〈写真1、2参照〉


写真1:試作品(10Ah級)


写真2:多孔性ポリマー電解質

【開発の背景】
1.最近の電気自動車用電池
2.リチウムイオン電池の課題
  • ・電気自動車用大型電池として用いるには、安全対策が必要(コスト増)
  • ・安全性を確保するためには、可燃性の電解液量を減らさなければならず、 十分な電池性能が得られない
【今後の取り組み】
1.電気自動車の技術開発
電池開発を中心にあらゆる角度から取り組んでいきます。
2.多孔性リチウムポリマー電池の用途拡大
今回開発した電池は、高性能・高安全性を両立したものであり、電気自動車以外の多方面での用途拡大を検討します。
プレスリリース