プレスリリース
2000
2000年9月5日
家庭用紙おむつ処理機の基礎開発終了について
当社は、北陸電力株式会社(社長:新木富士雄 所在地:富山市牛島町15番号)、中部電力株式会社(社長:太田宏次 所在地:名古屋市東区東新町1番地)、及び松下電器産業株式会社(社長:中村邦夫
所在地:大阪府門真市大字門真1006番地)と共同で開発をすすめておりました家庭用紙おむつ処理機の基礎開発を終了いたしました。
- 【開発の背景】
- 現状の課題として、
- 福祉関連機器の開発動向を調査したところ、中でも排泄分野における開発が進んでいないことが判明した
- 紙おむつと汚物の分別作業に伴う介護者の負担が大きい
- ダイオキシンの問題等により、一般の焼却炉に対する規制は厳しくなり、今後の焼却場の建設や新規のごみ埋め立て地の立地が困難になっている
- そのため、紙おむつの処理に伴うごみの減量化や紙おむつの保管中の悪臭解消を可能とする処理機の開発を進めてまいりました。本処理機の詳細については、以下のとおりです。
- 【概 要】
- 電気熱源のみで紙おむつを灰にすることができます。
- 主熱源はマグネトロンから発振されるマイクロ波を用いています。
- システムは一次燃焼室、二次燃焼室、触媒で構成され、二次燃焼室で発生する廃熱を一次燃焼室へフィードバックする廃熱回収機能を有する点が大きな特徴となっています。
- そのためマグネトロンの消費電力を抑えることができ、廃熱回収を実施しない場合に比べて、廃熱回収機能による効果は、処理時間で約30%、消費電力量で約40%の削減を可能にしました。
- 【特 長】
- マイクロ波エネルギーにより燃えにくい使用済み紙おむつを加熱・乾燥・燃焼し灰化処理します。
(※)1回あたり重量2.7kgの紙おむつは約10時間で処理され、処理前後
重量比で約1/50、体積比で約1/100にできます。
(※)1日あたり紙おむつ使用量 (平成9年度上期実態調査)→ パンツ3枚、
パッド型8枚、ウェットティッシュ16枚 → 容積換算15リットル、重量換算
2.7kg
- 被処理物の重量、発熱量の変動に関わらずマイコン制御により最適時間での処理が可能です。
- 触媒通過後廃ガスを循環熱として利用することにより、消費電力量及び処理コスト低減を実現しました。
- 触媒浄化技術により処理中の煙や臭気はほとんど気にならないレベルにして排出します。
- ボタンひとつで、マイコン制御により自動運転でき、操作も簡単です。
- 処理容器を取り出せるので、使用済み紙おむつの持ち運びと灰の取出しが容易です。
- 付帯設備が不要のため設置工事及び日常管理が簡単です。
- 自動ドアロック、感震センサ、温度過昇防止センサ、キーSW操作管理等の安全機能を装備しています。
- 夜間時間帯での優先運転機能(予約機能付)により、時間帯別電灯契約対応が可能です。
- 使用済みの紙おむつを悪臭などの発生による住環境への影響もなく、衛生的に処理できます。
- 現状の課題として、
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図.構造原理図
- 【仕 様】
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1.方 式 : 時間帯別契約対応マイコン全自動処理 2.電 源 : AC100V 50Hz/60Hz 各専用 3.定格消費電力 : 約1,200W 4.被 処 理 物 : 大人用 使用済み紙おむつ 5.焼却処理方式 : マイクロ波加熱による乾燥・燃焼・灰化方式 6.処理時間 : 約10時間 7.1回あたりの処理能力 : 重量 2.7kg、容積15リットル (いずれか多い方) 8.処理容器容積 : 15リットル (容器空重量 約3.2kg、内径280mm、深さ270mm) 9.給排気方式 : 開放型 10.灰 化 能 力 : 灰重量/紙おむつ重量比 約2% 11.外 形 寸 法 : 幅 400 × 奥行 550 × 高さ 600 (単位:mm) 12.外 板 : SUS304HL
- 【今後の予定】
- 今後は、処理機の軽量化、静音化、処理時間の短縮化ならびにコスト低減等に向けて、さらに開発を進めていく予定です。また、国や自治体のごみへの取り組み状況を見ながら商品化の時期についても検討する予定です。
以 上