プレスリリース

2000年8月28日

高浜発電所2号機の点検結果について
(第6A高圧給水加熱器細管からの漏えいによる出力降下の原因と対策)

 高浜発電所2号機(加圧水型軽水炉 定格出力82万6千キロワット)は、定格出力運転中のところ、8月21日17時30分頃に、2次冷却水を加熱して蒸気発生器に戻す給水系の第6A高圧給水加熱器ドレン流量の増加が認められたため、同日21時40分から出力降下を開始し、同22時55分、定格出力の約75%として、点検・調査を実施しました。

 なお、当該高圧給水加熱器は2次系機器であり、今回の事象による環境への放射能の影響はありません。

[平成12年8月21日 お知らせ済]  


 1.調査結果
(1) 漏えい検査およびファイバースコープによる観察の結果、第6A高圧給水加熱器の細管1本が、給水出口側管板の内側端部付近で破断していることが確認され、さらに約200mm管板内に入ったところで10mm程度の開口部が認められました。また、破断管に隣接する細管のうち、2本に漏えいが認められました。
(2) 破断管の周辺管43本について、渦流探傷検査(ECT)を実施した結果、漏えい管2本を含む8本について有意な信号指示が認められました。
  [平成12年8月25日 お知らせ済]

(3)

破断管について前回定期検査時の渦流探傷検査(ECT)結果を調査したところ、有意な信号指示は認められなかったものの、管板内の開口部付近で疑似信号が見られることがわかりました。
(4) 今後の運転に万全を期すため、当該加熱器の出口側管板の細管全数(実施済みの43本除く)について渦流探傷検査(ECT)を実施した結果、8本について前回定期検査時に破断管に見られたものと同様の疑似信号が認められました。

 2.推定原因
 上記調査結果から、細管内を流れる給水(2次冷却水)が当該加熱器内で漏えいし、ドレン流量が増加したものと判明しました。
 破断部の状況等から、管板内の細管表面の初期傷が進展、貫通し、開口部から給水が流出し、管板端面付近にて当該管が浸食をうけ、外面減肉が生じ、破断したものと推定されました。
 また、破断管に隣接する2本の細管については、破断管からの噴流により浸食され、外面減肉し、開口を形成したものと推定されました。

 3.対  策
(1) 対策として、当該漏えい管3本と渦流探傷検査(ECT)により有意な信号指示の認められた細管6本、また、漏えい管の隣接管、破断管の影響を受けた可能性がある周辺管の合計19本について施栓しました。
(2) また、前回定期検査で破断管に見られたものと同様の特性を示す信号指示管については、疑似信号ではなく有意な信号と判断し、8本について追加施栓し、漏えいのないことを確認しました。
 本日、13時頃から出力を上昇させ、本日中に定格出力に復帰する予定です。

以 上  

    (通商産業省によるINESの暫定評価)
    INES:国際原子力評価尺度
    基準1 基準2 基準3 評価レベル
    - - 0- 0-

<参考資料>


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