プレスリリース
2000
2000年2月14日
高浜発電所3号機の定期検査開始について
1.今回の定期検査を利用して実施する主要な工事
- (1)原子炉容器照射試験片取出工事
- 中性子照射による原子炉容器の材料特性変化を定期的に把握するため、原子炉容器内部に設置している照射試験片を計画的に取り出すもので、今回3回目になります。
- (2)原子炉容器供用期間中検査等
- 原子炉容器の供用期間中検査(10年計画)として、原子炉容器の溶接部等について、抜き取り的に超音波による探傷検査を行い、健全性を確認します。
また、キャノピーシール健全性確認のため、制御棒駆動装置キャノピーシール全数について、渦流探傷検査(ECT)を実施します。 - (3)余熱除去系、格納容器スプレイ系配管接続工事
- アクシデントマネジメント対策(*1)として、炉心損傷を防止するため非常用炉心冷却系(ECCS)の再循環注入モード(*2)による長期的な炉心冷却方式の多様化を想定し、格納容器スプレイポンプを用いた再循環も可能となるよう、余熱除去(低圧注入)ポンプ出口配管と格納容器スプレイポンプ出口配管を接続します。
- *1;アクシデントマネジメント対策
設計で考慮していた事故の範囲を大きく超え、炉心の損傷に至るような過酷事故(シビアアクシデント)に備え、現状の設備を有効に活用してその発生防止や発生後の影響を緩和することを考慮した対策。- *2;非常用炉心冷却系の再循環注入モード
1次冷却材喪失事故時、非常用炉心冷却系により燃料取替用水タンクのホウ酸水を原子炉内に注入するが、燃料取替用水タンク水位が低下した際には、格納容器再循環サンプに溜まった冷却水を余熱除去ポンプ等により原子炉に再注入すること。 - *1;アクシデントマネジメント対策
- (4)発電機負荷開閉装置設置工事
- 所内電源の信頼性向上対策として、発電機と主変圧器の間に、発電機負荷開閉装置を設置します。
- (5)日本原子力発電 敦賀発電所2号機における一次冷却水漏えい事故を
反映した検査の充実 -
- 再生熱交換器の中間胴本体抽出水出口付近母材部(第1、第2支持リング間1箇所)及び連絡管溶接部、連絡管エルボ母材部(36箇所)において、超音波探傷検査(UT)を実施し、健全性を確認します。
- 熱成層による温度境界面の変動を受けやすい箇所(余剰抽出ライン他)2箇所について、超音波探傷検査(UT)を実施し、健全性を確認します。
- 原因が明らかになっていないフランス・シボー発電所の熱疲労について、類似の箇所(溶接線と母材、39箇所)について、超音波探傷検査(UT)を実施し、健全性を確認します。
- 第3種管のうち、第1種管と同等の温度、圧力の一次冷却水が流れる再生熱交換器と原子炉冷却材系統間の充てん及び抽出系配管の突き合わせ溶接部については、従来の漏えい検査に加え、定期的(10年に25%)に超音波探傷検査(UT)を実施することとし、本定検では10箇所について実施します。
- 再生熱交換器の中間胴本体抽出水出口付近母材部(第1、第2支持リング間1箇所)及び連絡管溶接部、連絡管エルボ母材部(36箇所)において、超音波探傷検査(UT)を実施し、健全性を確認します。
2.燃料集合体の取替え
- 燃料集合体全数157体のうち57体を取替える予定です。
- (取替用燃料集合体のうち52体は新燃料集合体。)
3.今後の予定
- 原子炉起動、臨界:平成12年4月 下旬
- 調整運転開始 :平成12年4月 下旬
- 本格運転再開 :平成12年5月 下旬
- 調整運転開始 :平成12年4月 下旬
以 上