プレスリリース

1999年12月3日

省エネ型二酸化炭素化学吸収法の開発

 当社は、三菱重工業株式会社と共同で、燃焼排ガス中の二酸化炭素(CO2)を従来より大幅に少ない消費エネルギー(世界トップレベル)で分離・回収できる高性能化学吸収剤と回収システムの開発に成功しました。

1.開発の背景と経過

 地球温暖化防止対策の一環として、1991年度から南港発電所(出力:600MW、LNG焚き)にパイロットプラント(処理ガス量:600m3N/h、約200kW相当)を設置し、ボイラー排ガス中のCO2を高性能で分離・回収する化学吸収法の開発研究を実施してきました。
 しかし、研究開始時においては回収のための消費エネルギーが火力発電所の発電出力の約25%と大きく、実用化に向け大幅な省エネ化が望まれていました。
 1995年度からは全国の9電力会社などと共同研究(1999年3月終了)、1999年度からは関西電力・三菱重工業との共同研究を実施しています。

パイロットプラント外観
パイロットプラント外観

排煙脱炭パイロットプラント
排煙脱炭パイロットプラント

2.開発の概要

 今回開発したのは、火力発電所の排ガス中CO2を90%以上分離・回収できるヒンダード(分子のボリュームが大きい)アミン系高性能化学吸収剤と回収システムです。
 化学吸収によるCO2の分離回収で大きな問題となる消費エネルギーが、従来の発電出力の約25%から約16%まで大幅に削減することができました。

(1)世界トップレベルの省エネ化学吸収剤の開発
 従来のモノエタノールアミンはCO2との結合エネルギーが900kcalと高く、今回のヒンダードアミンの場合、670kcalでCO2結合・分離の省エネが可能となりました。
(2)ACO2分離・回収システムの開発(充填材の開発、デミスターの開発)
 CO2吸収塔の充填材を、CO2吸収性能が良く、圧損も少ないグリッド状の濡れ壁構造としました。
改良型充填材の構造
改良型充填材の構造
(3)プロセス廃熱の有効利用による省エネルギー化
 LNG焚き、石炭焚き、コンバインドLNG焚き等、各種排ガスで検証を行ない効果を確認しました。なお、本研究で開発したシステムを商業化し、マレーシア国営石油会社の尿素プラントに納入し、1999年10月からCO2回収プラント(CO2回収160トン/日)として運転稼働しています。
3.今後の計画

 現在、本技術は世界のトップレベルにあると推測されますが、更に高性能な吸収剤を開発するとともに、回収システムの改良により技術競争力を一層高めるべく長期的に取組中です。