プレスリリース

1999年9月24日

BNFL製MOX燃料の製造時品質管理データ調査に
関する中間報告について

1. 経緯
 当社は平成11年9月13日に、高浜発電所3号機用に製造しているMOX燃料のペレット外径測定データについて、全数測定し合否判定を行っているものの一部品質管理用のデータ採取を行わず、架空の数値を記録していたものがあるという連絡をBNFLから三菱重工業を通じて受けました。
 事実関係及び対応経緯は以下のとおりです。参考として、本件に関し、これまで確認している経緯をまとめた。

平成 7年12月20日 当社とメーカ(三菱重工業)で16体のMOX燃料加工契約締結
平成 8年 1月 8日 メーカとBNFL間で加工契約締結
平成10年 1月21日 高浜4号機用8体をBNFLのMDF工場で加工開始
     12月 9日 高浜3号機用8体の加工開始
     12月17日 高浜4号機用8体の加工完了

平成11年 8月20日 BNFLのQC担当者が、同社内の品質管理データを基にメーカ
            向け品質管理認定書を作成していたところ、高浜3号機用MOX
            燃料のあるロットのペレット外径測定データに不審な点があるこ
            とに気づき調査を開始。
      9月11日 BNFLよりメーカにデータ疑義に関するFAX連絡
            (BNFLは英国時間で9月10日の夜にFAX連絡したが、時差に
            よりメーカには翌日土曜日のFAX到着となり、メーカがFAX
            を確認したのは週明けの9月13日)
      9月13日 メーカより当社に対しデータ疑義に関する連絡
            当社よりBNFLに状況確認
      9月14日 当社から通産省、福井県、高浜町に状況連絡
            通産省、福井県、高浜町、福井県議会から調査実施等の要請を受
            ける。
            現地に調査員を派遣。
            当社より状況についてプレス発表。
      9月21日 当社より現在までの調査状況についてプレス発表。
      9月24日 中間報告とりまとめ。
            (調査継続中)
2.調査の中間報告
(1)ペレット外径測定データについて

ペレット外径測定方法
全てのペレット(1ロットあたり約3000個)は製造工程で自動レーザーマイクロメータで全数外径が測定され、測定結果は自動的に記録、保存されている。
 また、品質保証の観点から、1ロットから200個のサンプルを抜き取り、上記測定と同型のレーザーマイクロメーターで測定し、手動で記録している。

  データ疑義の内容

本年8月20日BNFLのQC担当者が、測定結果の集約データを基に品質管理認定書を作成していたところ、ロット(*1)P1007とP1008のデータの平均値、標準偏差、最大値、最小値が一致していることに気づき、データが流用されているのではないかとの疑義を持った。

    *1:ロットとは、UO及びPuOの原料粉末をブレンダーで混合する際に、一回で混合された単位を1ロットという。

ペレット外径データの確認結果
a.自動外径測定結果の確認
  調査の結果、ペレット外径測定結果は全て仕様値を満足していることを確認した。

b.データ流用の有無の調査
(a)データ一致数の分析
 高浜3号機用全193ロット及び高浜4号機用全199ロットについて当該ロットとそれ以前に測定された全てのロットとのデータ一致数を分析した。(添付1参照)
 添付2に示したとおり、高浜3号機用の22ロットはデータの一致数が200個中140個以上一致と他のロットに比べて異常に多く、既に測定されていたデータの流用が行われたものと推定された。
 一方、高浜4号機用については、上記の22ロットのようなものは見られないが、一致数が200個中66個とやや大きいものが1ロットあることが解った。このロットについては、自動レーザマイクロメータの約3000個のデータと比べたところ、平均値やばらつきが類似している。(添付3参照)

(b)データ流用発生の背景調査
 高浜3号機用の22ロットについては、データ流用があったものと考えられ、これらのロットを検査した3人の検査員に対し、面談を行った。
 その結果、高浜3号機用22ロット中18ロットの検査に関与した検査員はデータ流用の関与を認めている。また、流用方法は、過去のデータをコンピューターのハードディスクから全面コピーし、ロット番号を変え、中の数値の一部を適当に変えており、その理由として、「測定は単純作業であり、全数測定を行っているものを再度測定するのは非生産的と思った。測定を省略し、時間を短縮したかった。」と供述している。
 残り4ロットに関与した検査員2人はデータ流用を否定しているものの、BNFLとしては疑いがあるとの心証を持った。
 高浜4号機の1ロットについては、当該ロットを測定した検査員が病気療養中のところを進んで出社し、自ら当社との面談を申し入れ、不正を行っていないと説明があった。

上記の分析、調査結果から、ペレット外径のデータの流用が行われたロットは、高浜3号機用に現在加工されている燃料の内22ロットと判断した。

(2)ペレット外径測定データ以外のデータの信頼性
  ペレット外径測定以外の検査項目は添付4のとおりであるが、高浜4号機用燃料に不正が
  あったか否かを調査するため、以下の考え方に照らして調査を行った。

 a.製造時に当社または三菱重工業による立ち会いが行われているか、データが独立した
   組織で相互に採取されている等、第三者により確認されている

 b.データの処理が自動化され、品質データに対して人の意志が介在しない。

 c.写真、チャート、信頼できる機関の証明等、元データの証拠となるものがある。

 d.データ自身が記録者の手書き、手入力等、証拠性が薄いものは、データの不自然さ等
   の確認を行う。

 上記考え方に基づき調査した結果を整理し、添付5に示す。本表に示すとおり、ペレット外径以外のデータについては信頼できると判断する。

3.結論
 高浜4号機用のMOX燃料データに関しては、不正の事実もなく、データの信頼性もあることから、問題ないものと判断した。
 なお、高浜3号機のデータ不正に関する調査は今後も継続して行い、再発防止対策を検討していくこととしたい。

以 上

<参考資料>