プレスリリース

1999年2月17日

大飯発電所1号機の定期検査開始について

1.今回の定期検査を利用して実施する主な工事等

 (1)1次冷却材ポンプ供用期間中検査
 1次冷却材ポンプの供用期間中検査として4台ある1次冷却材ポンプのうち、C-1次冷却材ポンプについて、主フランジボルト、締めつけ部等耐圧部の健全性を確認するとともに、分解検査としてインペラ等の内部部品について点検します。

 (2)余熱除去系、格納容器スプレイ系配管接続工事
 アクシデントマネジメント(AM)対策として、余熱除去系の再循環ができなかった場合に、格納容器スプレイポンプを用いた炉心への再循環経路を確保するため、余熱除去(低圧注入)ポンプ出口配管と格納容器スプレイポンプ出口配管を接続します。

 (3)低圧タービンロータ取替工事
 第1、2、3低圧タービンロータについて、耐応力腐食割れ性の向上等、信頼性確保の観点から、動翼円板をロータ車軸に焼嵌(ば)めている「焼嵌(ば)め型ロータ」から、円板を車軸と一体化させた「全一体型ロータ」に取り替えます。

 (4)発電機負荷開閉装置設置工事
 所内電源の信頼性向上対策として、発電機と主変圧器の間に、発電機負荷開閉装置を設置します。

 (5)充てん/高圧注入ポンプおよび充てんポンプ取替工事
 保守性の向上の観点から、現在取り付けられている充てん/高圧注入ポンプ(2台)および充てんポンプ(1台)とモータ全数(全3台)を取替えます。
 なお、搬出・搬入のために、ポンプ室生体しゃへい壁に仮開口部を設置し、作業後復旧します。

 (6)アイスコンデンサ氷取替工事
 定期検査時のアイスコンデンサ氷補充作業の効率化を図るため、氷をブロック化するとともに、氷に昇華を抑制するフィルムを装着します。

*:アイスコンデンサとは
 アイスコンデンサは、国内では大飯発電所1、2号機にのみ採用されており、1次冷却材喪失事故時に格納容器内に放出される蒸気をアイスコンデンサ内に保有している氷により凝縮し、格納容器内圧の上昇を抑制する機能を有する設備です。

2.燃料集合体の取替え

 燃料集合体全数193体のうち73体を取替える予定です。
  (取替用燃料集合体のうち72体は、新燃料集合体。)
3.今後の予定
 
原子炉起動、臨界:平成11年6月 上旬
調整運転開始 :平成11年6月 中旬
本格運転再開 :平成11年7月 上旬
4.その他
 本定期検査では当初、原子炉容器上部ふたの取替工事を計画していましたが、大飯発電所2号機で取り替えた原子炉容器上部ふたでの制御棒の不具合の原因を調査中であることから、念のため実施を見合わせることとします。

以 上  

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