プレスリリース

2005年8月23日
関西電力株式会社

原子力発電所の運営状況について

当社の原子力発電所における運営状況について、以下のとおりお知らせします。

1. 運転状況について(平成17年8月22日現在)
発電所 電気出力(kW) 運転状況 備  考
美 浜
発電所
1号機 34.0万 第21回 定期検査中(H17.4.25~9月下旬予定※1
原子炉起動H17.8.23(予定)
調整運転開始H17.8.25(予定)
・ 「A-主給水ポンプ下部ケーシングからのわずかな水漏れについて」詳細は2-(2)のとおり。
・ 「A-湿分分離加熱器加熱管渦流探傷検査結果について」詳細は2-(2)のとおり。
・ 「2次系配管の点検結果について」詳細は2-(2)のとおり。
・ 「タービン動補助給水ポンプB-起動弁の電動閉止位置の調整について」詳細は3のとおり。
2号機 50.0万 運転中  
3号機 82.6万 事故停止中[第21回定期検査中]
H16.8.9 2次系配管破損事故により停止。(引き続き、
H16.8.14~ 第21回定期検査)
H17.1.5~ 定期検査作業中。
・「格納容器排気ダクト等の損傷について」詳細は2-(2)のとおり。
・「安全注入ラインの通水試験中における系統水漏えいに伴う作業員への水の付着について」詳細は3のとおり。
高 浜
発電所
1号機 82.6万 第23回 定期検査中(H17.8.14~10月下旬予定)  
2号機 82.6万 運転中  
3号機 87.0万 運転中 ・「可動小型中性子束検出器の所在不明について」詳細は2-(1)のとおり。
・「2次系配管の点検結果について」詳細は2-(2)のとおり。
4号機 87.0万 運転中 ・「B-非常用ディーゼル発電機の起動試験中における自動停止について」詳細は2-(2)のとおり。
大 飯
発電所
1号機 117.5万 運転中 ・「廃樹脂処理装置中和タンク・濃縮器室での僅かな漏水について」詳細は2-(2)のとおり。
2号機 117.5万 運転中
3号機 118.0万 第11回 定期検査中(H17.6.24~9月上旬予定)
原子炉起動H17.8.2
調整運転開始H17.8.4
・「取水口 B-ロータリースクリーン補修について」詳細は3のとおり。
4号機 118.0万 運転中   
※1

美浜発電所1号機第21回定期検査は、A-主給水ポンプ下部ケーシングからのわずかな水漏れ伴う補修のため、本格運転再開時期が当初予定の8月上旬から遅れます。


2.保全品質情報について

実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則および電気関係報告規則に基づく報告事象や安全協定の異常時報告事象に該当する事象を含め、保安活動向上の観点から、産官学において情報共有することが有益である事象


(1)法令に基づく報告事象や安全協定の異常時報告対象のうち重要な事象
発電所名  高浜発電所3号機 発 生 日 第16回定期検査中(6月24日)
件  名 可動小型中性子束検出器の所在不明について 
事象概要
および
対 策 等
 6月24日、3号機用可動小型中性子束検出器(核燃料物質)について法令に基づく実在庫確認(年1回)を実施したところ、検出器1個が所定の保管庫(鍵付きロッカー)に保管されていないことが判明しました。
 このため、管理区域内を調査しましたが、当該検出器は発見できませんでした。
 混入した可能性の高い平成17年4月以降の廃棄物を調査しましたが発見できず、その後前回の実在庫確認(平成16年7月)以降に発生した廃棄物(ドラム缶)について調査を実施していますが、現時点で当該検出器の発見に至っていません。
 所在不明に至った原因調査の結果、核燃料物質としての管理が不十分であったことが確認されたことから、マニュアルを見直し核燃料物質の管理の強化を図るとともに、関係者に核燃料物質の管理の重要性を周知徹底しました。
 その後、平成16年7月以降に発生した廃棄物の調査を継続して行っています。
 なお、調査のため原子炉起動を一時延期していましたが、7月16日に原子炉を起動し、翌17日から調整運転を開始し、8月11日には本格運転を再開しました。

(平成17年6月24日27日7月7日14日15日22日8月11日 お知らせ済み)

 現在、引き続き、平成16年7月以降に発生した廃棄物の調査を行っています(8月22日現在、805本中592本の調査を終了)が、発見には至っておりません。(調査は9月中旬頃まで要する見込み)

(2) (1)に至らない軽微な事象
発電所名  美浜発電所1号機 発 生 日 第21回定期検査中(8月5日)
件  名 A-主給水ポンプ下部ケーシングからのわずかな水漏れについて (添付図-1参照) 
事象概要
および
対 策 等
 8月5日、原子炉起動前に、A-主給水ポンプ(以下「ポンプ」)に水を張った後、当社運転員がポンプ周りの点検を実施していたところ、17時50分頃、タービン建屋1階にあるポンプの台の上に水溜りを発見し、ポンプの下部ケーシング(羽根車を内蔵するポンプの胴体)から、水(約30℃)が滴下していることを確認しました。このため、18時10分、ポンプに水を供給している系統を隔離したところ、水漏れ量は減少し、にじむ程度の漏れとなりました。ポンプの点検を実施するため、8月5日に予定していた原子炉起動を延期することとしました。
 本事象による環境への放射能の影響はありません。
 調査の結果、A-主給水ポンプ下部ケーシングについて、第2段車室から第3段車室へ向かう流路の第2段出口付近に貫通欠陥が確認されました。
 原因については、鋳造製品である当該ケーシングの製造過程で発生した内在欠陥(鋳巣欠陥)が、板厚方向にほぼ直線状に連続的に存在していましたが、その後の当該ポンプの運転に伴う内圧等により、内在欠陥がつながって貫通欠陥に至り、漏えいが発生したものと推定されました。
 対策として、当該漏えい箇所については、工場にて内在欠陥(鋳巣欠陥)を除去し、溶接補修を実施することとしました。
 その後、溶接補修を実施し、ケーシング部の耐圧試験およびポンプの組立てが完了したことから、当該ポンプの試運転を行い、健全性を最終確認したうえで、8月23日午後に原子炉を起動し、24日未明にも臨界に達する予定です。
 その後は諸試験を実施し、25日夕刻には定期検査の最終段階である調整運転を開始し、9月下旬には経済産業省の最終検査を受けて本格運転を再開する予定です。

  ※鋳巣欠陥

鋳物(型の中に金属を流し込み成型する製造物)の製造段階において、型枠に金属を流し込む際に細かな空気等が抜けきらずに金属内に残存したもの。

(平成17年8月5日11日22日 お知らせ済み)



発電所名  美浜発電所1号機 発 生 日 第21回定期検査中(6月30日)
件  名 A-湿分分離加熱器加熱管渦流探傷検査結果について (添付図-2参照)
事象概要
および
対 策 等
 A-湿分分離加熱器の加熱管の渦流探傷検査(以下ECT)を実施したところ、加熱管1本(アドレス:1列-No22)のU曲げ付近の第13管支持板部(最終管支持板)に貫通信号が認められたことから、カメラを当該加熱管に挿入し状況を確認したところ、同部位で加熱管が分離(破断)していることを確認しました。

 加熱管の分離部をカメラで観察した結果、破面は周方向で概ね直線的であり分離距離は約5mmで、管の外側についているフィンの跡が見られました。同種事例を調査したところ、加熱蒸気量のばらつきにより出入口温度差が大きい加熱管での熱伸び時にフィンが管支持板に引っかかり、拘束力が発生することが考えられました。
 また、疲労試験結果から、加熱管が管支持板部で引っかかっていた場合には、運転開始からこれまでのプラント起動、停止回数で疲労損傷する可能性があることが判明しました。なお、運転パラメータでは平成17年3月頃から当該加熱器の蒸気流量等に若干の変化が認められましたが、その変化量は非常に小さいものであり分離した時期の特定には至りませんでした。
 以上のことから、当該加熱管フィンがプラントの運転に伴う加熱管の熱伸びにより第13管支持板部に引っかかり、プラントの起動・停止時に繰り返し応力が作用したことで、疲労き裂が発生し分離(破断)したものと推定されました。

 対策として、貫通信号が認められた加熱管1本については、振れ止め防止用の補強棒を挿入した後、施栓を実施しました。
 また、ECTの結果、判定基準(10%の減肉)を超えた66本については施栓を実施しました。更に予防保全として、ECT波形の評価により曲がり傾向が認められた17本についても施栓を実施しました。
 次回定期検査以降、ECTおよび漏えい検査を毎定期検査で実施することとします。
 本事象による環境への放射能の影響はありません。
  ※フィン

加熱管の熱交換をよくするため、加熱管の円周方向に取り付けられている円形状の放熱板。

  ※疲労試験結果

実機相当材による疲労試験で得られた曲線を基に、加熱管の疲労強度を求めたもの。

(平成17年8月4日「原子炉起動および調整運転の開始」プレスで お知らせ済)



発電所名  美浜発電所1号機 発 生 日 第21回定期検査中
件  名 2次系配管の点検結果について 
事象概要
および
対 策 等

 定期検査において、1,812箇所について超音波検査(肉厚測定)等を実施しました。(超音波検査1,798箇所、目視点検のみ14箇所)
 その結果、計算必要厚さを下回っている箇所が1箇所確認されました。
 その他の箇所については、全て計算必要厚さを満足していることを確認しました。
 なお、計算必要厚さを下回っていることが確認された1箇所については、今定期検査中に取り替えました。

(平成17年8月4日「原子炉起動および調整運転の開始」プレスで お知らせ済)



発電所名  美浜発電所3号機 発 生 日 第21回定期検査中(8月5日)
件  名 格納容器排気ダクト等の損傷について (添付図-3参照)
事象概要
および
対 策 等
 8月3日から補助建屋・格納容器空調ダクト等の点検を実施していたところ、A格納容器排気ファン出口の風量検出器取出部がダクトから外れていることを確認しました。また、その他に補助建屋排気ダクト溶接部の割れなどが、放射線管理建屋内で6箇所認められました。
 補助建屋排気ダクト溶接部の割れなどが認められた6箇所については、ステンレステープによる養生等、応急補修を行いました。
 今後、補修方法を検討したうえで、対策を実施する予定です。
 今回、認められた損傷箇所は、いずれも放射線管理建屋内であり、施設外へ放射能の放出はなく、環境への影響はありません。


発電所名  高浜発電所3号機 発 生 日 第16回定期検査中
件  名 2次系配管の点検結果について
事象概要
および
対 策 等
 定期検査において、2次系配管1,272箇所について超音波検査(肉厚測定)を実施しました。その結果、計算必要厚さを下回っている箇所が1箇所確認されました。その他の箇所については、全て計算必要厚さを満足していることを確認しました。
 なお、計算必要厚さを下回っていることが確認された1箇所については、今定期検査中に取り替えました。

(平成17年7月15日「原子炉起動および調整運転の開始」プレスで お知らせ済)



発電所名  高浜発電所4号機 発 生 日 7月20日 (運転中)
件  名 B-非常用ディーゼル発電機の起動試験中における自動停止について (添付図-4参照)
事象概要
および
対 策 等
 7月20日、B-非常用ディーゼル発電機(以下「B-D/G」)の、定例の起動試験※1のため、B-D/Gを起動したところ、10時22分に中央制御室で「B-D/Gトリップ」警報が発信、現地で「過速度トリップ」警報が発信し、B-D/Gが自動停止しました。これにより、保安規定の運転上の制限を満足しない状態※2となりました。その後、11時25分から11時35分にかけてA-D/Gの起動試験を実施し、動作可能であることを確認しました。(その後は、1日に1回A-D/Gの起動試験を実施して健全性を確認)
  ※1

非常用ディーゼル発電機の機能の健全性を確認するため実施している試験。

  ※2

保安規定では、運転中は、2台(A,B)あるD/Gが2台とも動作可能であることが求められている。なお、1台が動作不能(待機除外)となった場合は、残りの1台について4時間以内(その後1回/日)に起動試験を行い、動作確認を行うことが要求されている。

(平成17年7月22日 お知らせ済)

 ディーゼル機関の回転数を調整する装置(調速装置)および付属機器のうち、現地にて点検可能な機器については異常の無いことを確認しました。
 対策として、調速装置を健全な予備品に取り替え、B-非常用ディーゼル発電機(以下「B-D/G」)の起動試験、負荷試験等を実施し、全て正常に作動することを確認したうえで、7月25日3時35分に運転上の制限を満足した状態に復帰しました。
 現在、調速装置本体について、工場で詳細な調査を実施しています。


発電所名  大飯発電所1,2号機 発 生 日 8月8日(1,2号機とも運転中)
件  名 廃樹脂処理装置中和タンク・濃縮器室での僅かな漏水について (添付図-5参照)
事象概要
および
対 策 等

 8月8日14時36分、廃樹脂処理装置※1の運転中、同装置操作室で「中和タンク・濃縮器漏水」の警報が発信し同装置が自動停止しました。
 事前の放射線線量測定のため、中和タンク室に入室した放射線管理担当課員が、15時30分に室内の中央部付近で1滴/秒程度の漏えいを発見しました。
 その後の点検の結果、凝縮液※2移送ポンプ出口側にある弁(以下「当該弁」)のフランジ部付近と、その下の床面(2m×4m程度)に漏えいを確認しました。このため、同ポンプの上流側にある弁を閉止した結果、17時00分、漏えいは停止しました。
 プラント排気筒ガスモニタの指示値には変動がなく、漏えい水は全て同室内に溜まっていました。また、漏えい水の量は約20リットル、放射能濃度は約4.0Bq/ccであり、漏えいした放射能量は約8.0×104Bqと評価されました。
(調査結果)
 当該弁の特徴として、弁内にある円板状のダイヤフラム※3が凝縮液移送ポンプの運転に伴う圧力(0.1MPa)により下方から押し上げられることで、下流側への流れが形成されます。
 当該弁を分解点検した結果、このダイヤフラムに貫通き裂(長さ約20mm)があり、弁駆動部側が濡れていたことから、凝縮液がダイヤフラムの貫通き裂を通って、弁駆動部側の空気抜き穴から外部に漏えいしたものと推定されました。
 詳細調査の結果、ダイヤフラムを上方から押さえているダイヤフラムシートの外周に沿ってダイヤフラムに変形(凸状)が認められ、この変形部で貫通き裂が生じていました。当該ダイヤフラムは、平成6年以降、継続して使用されていたことから、凝縮液ポンプ運転に伴う当該弁の動作(62回/分)によりダイヤフラムに繰り返しの応力が加わり一部変形し、変形した端部で貫通き裂が発生したものと推定されました。
 対策として、当該ダイヤフラムを新品に取り替えるとともに、ダイヤフラムの取替期間を現状の10定期検査ごとから、4定期検査ごとに変更します。
 本事象による環境への放射能の影響はありません。

  ※1廃樹脂処理装置

系統水の浄化に使用した樹脂は放射性物質を吸着しており、希硫酸を用いて廃樹脂から放射性物質を分離する装置。

  ※2凝縮液

廃樹脂処理装置で発生した廃液を、蒸発器で蒸発濃縮する際に発生する、若干の放射能を含む水。

  ※3ダイヤフラム

弁内を流れる凝縮液の流路と弁駆動部を仕切るテフロン製で円形状の板。
(外径75.5mm 厚さ:0.8mm)


3.その他

発電所名  美浜発電所1号機 発 生 日 第21回定期検査中(8月19日)
件  名 タービン動補助給水ポンプB-起動弁の電動閉止位置の調整について (添付図-6参照)
事象概要
および
対 策 等

 8月18日、タービン動補助給水ポンプ※1の起動試験(サーベランス試験)を完了した後の復旧作業として、A,B-起動弁(タービンへの蒸気供給弁)を電動により閉止しましたが、タービンの空転が継続(2回転/秒程度)したため、点検を行ったところ、B-起動弁からわずかに蒸気が流れている音を確認しました。このため、B-起動弁を手動で増締め(約1/4回転:ストローク約0.3mm相当)を行ったところ、空転は停止しました。
 その後の調査で、当該弁は電動で正常に「開」動作することから、タービン動補助給水ポンプの機能自体には問題ないことを確認しました。また、タービンの空転が継続したのは、B-起動弁の全閉を検知するリミットスイッチが、開方向にずれていたために、起動弁が完全に閉止しなかったことが原因であることがわかりました。
 このため、8月19日、当該ポンプを待機除外※2として、予防保全を目的とした点検(電動閉止位置の調整)を実施し、B-起動弁が電動で完全に閉止することを確認しました。

  ※1補助給水ポンプ

蒸気発生器2次系側への通常の給水ができなくなった場合にバックアップするためのポンプ。美浜1号機には、蒸気で駆動するタービン動補助給水ポンプ1台と電動機で駆動する電動補助給水ポンプ2台を設置している。

  ※2待機除外

通常、いつでも起動できる状態(待機状態)にある機器を点検等のため、自動起動できない状態とすることをいう。



発電所名  美浜発電所3号機 発 生 日 第21回定期検査中(8月18日)
件  名 安全注入ラインの通水試験中における系統水漏えいに伴う作業員への水の付着について (添付図-7参照)
事象概要
および
対 策 等

 8月18日、原子炉格納容器内通路において、安全注入ラインの配管取替えに伴う通水試験の準備のため、B-充てん高圧注入ポンプを起動し、通水確認を実施していたところ、14時43分頃、通水系統に取り付けていた仮設流量計の取出し配管(外径約10mm)が折損したため、放射能を含む系統水(常温)が漏えいし、当該作業に従事していた協力会社作業員2名の上半身にわずかに付着しました。
 直ちに、当該ポンプを停止したところ漏えいは停止しました。(漏えい量は約15リットル)
 系統水が付着した協力会社作業員2名のサーベイ(放射線による汚染状況の確認)を行った結果、汚染はありませんでした。また内部被ばくも認められませんでした。
 今後、仮設流量計の取出し配管が折損した原因について調査する予定です。
 本事象による環境への放射能の影響はありません。



発電所名  大飯発電所3号機 発 生 日 第11回定期検査中(8月5日)
件  名 取水口 B-ロータリースクリーン補修について (添付図-8参照)
事象概要
および
対 策 等
 8月4日11時25分、定期検査の最終段階である調整運転を開始(発電機を並列)し、出力を上昇していたところ、取水口に設置しているB-ロータリースクリーンの駆動用チェーンに不具合(変形、外れ)が認められたため、2台ある循環水ポンプのうち1台を停止して、50%出力(8月5日5時10分に到達)を維持しながら、B-ロータリースクリーンの点検補修作業を実施することとしました。(残り3台のロータリースクリーンを点検した結果、駆動用チェーン等に異常は認められませんでした)このため、8月6日に予定していた定格熱出力一定運転到達予定が遅延することとなりました。
  ※ロータリースクリーン

取水口から入ってくるごみを除去する装置。

  ※循環水ポンプ

タービンを回した蒸気を復水器で冷やして水に戻すために、復水器に海水を送りこむポンプ。

 変形したチェーンは、工場で成型加工して元の状態に戻し、チェーンを組み立てて取り付けました。その後、当該スクリーンの試運転を行い、健全性を確認した上で、補修作業のために停止している循環水ポンプを再起動し、8月10日3時40分に出力上昇を再開し、11日8時30分に定格熱出力一定運転に到達しました。
 原因調査の結果、チェーンの外れは、循環水ポンプを運転した状態で、アイドラー軸の軸受を交換しようとして、バスケットを取り外す作業を行ったことにより、チェーンが水流により左右にゆれて外れたものと推定されました。また、チェーンの変形については、下部スプロケットにガタつきがあり、定期検査後の運転により、チェーンと歯車(下部スプロケット)のかみ合わせが悪くなり、変形したものと推定されました。
 対策としては、今回のチェーン外れに鑑み、多くのバスケットの取り外しが必要となった場合には、循環水ポンプの流量調整またはポンプの停止など必要な措置を行った上で実施することとします。また、下部スプロケットとチェーンのかみ合せについては、手入れ後、調整を行いました。

(平成17年8月5日9日、11日 お知らせ済)

以 上

プレスリリース