原子力発電についてWhat's 原子力発電

燃料のリサイクルの概要

ウラン燃料は発電により全体の3~5%だけが使用され、95~97%は再利用できるウランかプルトニウムとして残ります。
そこで、使い終わった使用済燃料を再処理して、ウランとプルトニウムを取り出し、再び原子力発電所で使用する流れを「原子燃料サイクル」といいます。

使用済燃料を再処理(リサイクル)し、リサイクル可能なウランやプルトニウムを取り出すことによって、再処理せずに直接地中に埋めて処分する場合と、比較して、高レベル放射性廃棄物の体積を約1/4に低減することが可能です。また、放射能の有害度が天然ウラン並みになるまでの期間を約1/12に短縮することができます。

原子燃料サイクル概念図

使用済燃料の管理

原子力発電所で使い終わった燃料を再び燃料として使えるようにするためには、まず再処理工場に搬出する必要がありますが、搬出するまでの間は、原子力発電所の敷地内で安全に管理され貯蔵されています。なお、当社の原子力発電所では、現在、湿式貯蔵という方式で貯蔵しています。

原子力発電所での貯蔵方法

・湿式貯蔵
発電所のコンクリート製のプールに、使用済燃料を収納・貯蔵しています。
プールの水とコンクリートの壁が放射線をさえぎり、燃料から出る熱を取り除くために水を循環させています
・乾式貯蔵
使用済燃料を「キャスク」と呼ばれる金属製の頑丈な容器に収納し、空気で自然に冷却しながら貯蔵する方式です。
当社は、使用済燃料を中間貯蔵施設へより円滑に搬出できるよう、また搬出までの間、電源を使用せずに安全性の高い方式で一時的に保管するため、発電所の構内に使用済燃料乾式貯蔵施設を設置することを計画しています。

中間貯蔵施設

原子力発電所から出る使用済燃料を再利用するまでの間、発電所の外で一定期間貯蔵することを「中間貯蔵」といい、貯蔵するための施設が「中間貯蔵施設」です。中間貯蔵は、原子燃料のリサイクル計画に柔軟性を持たせる有効な手段です。

当社は、福井県外における中間貯蔵について、理解活動、可能性調査等を計画的に進め、2030年頃に2千トンU規模で操業を開始する方針としています。

中間貯蔵施設とは

エネルギー資源の少ない日本においては、資源を有効に活用することが重要です。原子力発電所で使用されたウラン燃料は、燃料を再処理することで、その約95%を再利用(リサイクル)することができます。中間貯蔵施設は、貴重なエネルギー資源である使用済燃料を、工場で再処理されるまでの一定期間、安全に貯蔵・管理するための鉄筋コンクリート構造の施設です。
使用済燃料は、キャスクと呼ばれる金属製の容器に収納されて発電所から運ばれ、そのままこの施設の中に保管されます。

中間貯蔵施設(イメージ)
中間貯蔵施設(イメージ)

国内外におけるキャスク貯蔵方式の実績

中間貯蔵施設が採用するキャスク貯蔵方式は、外気による自然冷却で使用済燃料から発生する熱を除去するため、設備がシンプルで国内外に多くの採用実績があります。なお、東京電力(株)福島第一原子力発電所でも、同様のキャスク貯蔵方式により使用済燃料が貯蔵されており、東日本大震災で被災(津波浸水等)しましたが、健全性に問題のなかったことが確認されています。

国内外の貯蔵実績

中間貯蔵施設がすでに建設されているところもあります

青森県むつ市には、東京電力(株)と日本原子力発電(株)の共同出資により設立されたリサイクル燃料貯蔵(株)が所有する、「中間貯蔵施設」が既に建設されています。今後、新規制基準審査への適合性確認後、操業予定となっています。なお、現在建設されている施設は3,000tUの貯蔵規模のものであり、2,000tUの貯蔵規模の施設が追加で建設される予定となっています。

リサイクル燃料貯蔵

中間貯蔵施設(リサイクル燃料貯蔵センター)の詳細については、以下のパンフレットや動画をご覧ください。

使用済燃料の再処理

再処理工場では、原子力発電所で使用した燃料を再利用可能な資源と、核分裂生成物を含む廃液に分離します。
ウランとプルトニウムはまだ燃料として使うことができるので、資源の有効利用のためリサイクルされます。
一方核分裂生成物を含む廃液はガラス成分と混ぜ、ガラス固化体(高レベル放射性廃棄物)にします。

使用済み燃料の再処理

新たな資源「MOX燃料」

再処理工場で回収されたウランとプルトニウムはMOX燃料工場へ運ばれ加工、新たな資源(MOX燃料:Mixed Oxide Fuel)としてよみがえります。
MOX燃料は、ウラン燃料に3~5%含まれている燃えやすいウラン235のかわりに、プルトニウムを約10%使用し、残りの約90%に核分裂のしにくいウランを使用しますが、仕様はウラン燃料とほとんど同じです。

※核分裂のしにくいウランとは、天然ウラン(ウラン235の割合:約0.7%)から濃縮ウランを取り出した後に残る、ウラン235が含まれている割合が、天然ウランよりも小さいウランのことを指します。

発電によるウラン燃料の変化(例)

原子燃料サイクルの中核:プルサーマル計画

使用済燃料から取り出した少量のプルトニウムにウランを混ぜてMOX燃料(Mixed Oxide Fuel)を作り、原子力発電所で再利用することをプルサーマルといいます。
プルサーマルは資源の有効利用、エネルギーの安定供給、余剰プルトニウムを持たないという国際公約遵守の観点から有効です。

原子燃料サイクルの中核:プルサーマル計画

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事業概要