一意専心~関西電力の安全DNA~
一人ひとりの「安全ヘの想い」

安全が最大の品質、土木建築のプロフェッショナルとして、原子力発電所の安全を支える

高浜発電所 副所長(土木建築) 阿部

1989年の入社後、大飯発電所3、4号機の増設工事に携わって以来、原子力部門だけでなく、あらゆる土木建築分野の業務に28年間従事。現在は、高浜発電所の副所長として、高浜1、2号機の土木建築に関する安全対策工事の指揮を執る。
安全文化。それは関西電力において、先輩から後輩へと、脈々と受け継がれてきた精神であり風土です。これまでも、そしてこれからも形成され続ける安全文化。この安全文化を守り続ける関電マンの「安全への想い」に迫ります。
運転開始から40年を超える原子力発電所の運転期間延長について、国内で初めて認可を受けた高浜発電所1、2号機。世界最高水準の安全性を備えるべく、阿部は土木建築工事を担当する副所長として、これまでの経験を活かし、国内の発電所では前例のない安全対策工事に挑んでいる。

国内初の運転延長認可

原子力発電所の運転期間は、特別に実施する点検結果などを踏まえた上で国の認可を得た場合、最長60年の運転延長が可能となる。国内では2016年6月に高浜1、2号機が初めてこの認可を受けた。そして現在、安全性向上に向けた対策工事を進めている。
「原子力発電所は時間とともに危険が増すのではないかというイメージを持たれる方が多いですが、それは違います。ほとんどの機器が恒常的に取り替えられて、きっちりメンテナンスされています。加えて、発電所のことを熟知した技術者が、日々、設備の維持管理に情熱を注いでいます。私は長く土木建築の業務に携わっていますが、これだけの備えをしている建物は他には見たことがありません。
また、発電所の安全対策工事では、私たち土木建築のプロフェッショナルがそれぞれの持ち場で最善を尽くしています。原子力発電所の運転業務に携わっている所員だけでなく、土木建築の業務に携わっている所員も安全に対する想いは同じです。この思いこそが原子力発電所の安全性のベースとなっていることを、日々、実感しています。」

前例なき工事への挑戦

高浜1、2号機では、放射性物質が原子炉格納容器から漏れ出るような万が一の事故の発生に備えて、原子炉格納容器の上部をドーム型の鉄筋コンクリート壁で覆う工事や、大地震の発生に備えて、冷却用の海水管を発電所の地下深くにある硬い岩盤の中に移設する工事が行われている。
「高浜発電所で実施している安全対策工事は本当に難しい工事だと思います。既に出来上がっている構造物の上にドームを作るというのは、原子力発電所では世界で初めてのことですし、海水管の移設工事も、安全上重要な設備がたくさん設置されている原子力発電所の下にトンネルを掘削しなければならないため、工事の振動を最小限に抑えた上で実施する必要があります。最初に施工計画を見て、正直ここまでやるのかと思いました(笑)ただ、そういう時ほど、我々の腕の見せ所でもあるんですよね。」
実際に工事現場では、幅が2メートルにも満たないような狭い場所での作業や、地下の岩盤が強固すぎてトンネル掘削が思うように進まないなど、工事が想定どおりに進められないことがしばしばある。そんな時、阿部は現場をよく知る担当者や協力会社の方々と話し合い、安全を最優先に工事を進める方法を探り、着実に工事を進めている。

とにかく現場を見ること

阿部のミッションは、安全性向上対策工事を、安全最優先で確実に実行すること。そのために、施工計画の段階からリスクについて注意を払い、普段から現場に足を運び、現場の様子を肌で感じることで、工事に潜むリスクがないかを確かめている。
「定期的に行う現場パトロールは、現場をよく知る担当社員と同行するようにしています。現場での気づきを即座に共有して、その場でダブルチェックします。工事の実務に関することは担当社員が詳細まで分かっているので、私は素朴な疑問を投げかけるようにしています。同じ目線でチェックしても意味がないですから、異なる視点でのチェックを心がけています。
また、これは経験からの学びなのですが、現場の雰囲気が雑然としている時は、危険度が大きいサインだと思っています。できる限り現場で作業している協力会社の方々とも会話を交わして、現場の雰囲気を感じ取るようにしています。」
パトロール中、阿部は現場の一人ひとりとしっかりと会話を交わす。阿部が言葉をかけると明るい表情で言葉を返す。この現場は大丈夫です、そう語っているかのようだ。

安全が最大の品質

阿部が大切にしているもの ――― それは「安全が最大の品質」という想いだ。
安全に運転できる設備や建屋を造るというのはもちろんのこと、安全に工事をやり遂げなければ意味がなく、安全を損なって出来上がったものに、良い品質のものはない。
「副所長の職を拝命したときには、私が工事を安全に進めて高浜発電所の安全性を磐石なものにするんだと意気込みました。しかし、実際に高浜発電所に着任したその日に、工事に携わっている全員が「自分がやる」という強い気持ちで工事に望んでいることに気づかされました。私ひとりではなく、これだけ多くの人が気持ちを強く持って臨んでいる。私たちだからできる。そう確信しています。」
40年を超えて運転を続ける原子力発電所の安全を確かなものにしていくために、阿部は今日も仲間とともに着実に歩を進めている。

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