考~でんきのもしも~ みなさまと共に考えるエネルギーの未来

もしも、1日の電気使用量が増え続けていったら?

電力消費がますます拡大する日本

日本の高度経済成長をささえる原動力となった電気。日本の電力消費量は戦後以降、常に伸び続けてきました。日本の経済力が高まるとともに、私たちも自由に電気を使う生活が当たり前になってきたのです。
私たちの生活を便利にする家電製品が普及するにつれ、家庭での電気の使用量も増加。エアコン、クーラーと冷蔵庫だけで、家庭で使う電気の4割を占めています。
そして今後もIT機器のさらなる普及によって電力消費量は拡大していくことが予測されます。
加えて、近い将来にせまる超高齢化社会。安全で快適な暮らしを実現できる電気は、高齢者の生活にとっては不可欠であることから、ますます電力消費量は増えていくでしょう。

図:家庭での電力消費: 1970年と2015年の比較1970年 118.8kWh2015年 247.8kWh

もしも、1日の電気使用量が増え続けていったら?

最近では温水便座や食器洗い機、パソコン、DVDレコーダー、スマートフォン、携帯電話といった、より便利で快適な生活を送るための電化製品が生活のすみずみまで浸透しています。
これらの電気製品により、私たちの生活はますます便利になりました。さらに快適な住環境を目指して、電化製品は今まで以上に普及・進化していくでしょう。
そのため、技術の進歩による電化製品の省エネ化は進んでいきながらも、私たちが消費する電気の量は全体的に増加していくと考えられます。
スイッチを入れれば、好きなだけ使える電気。
でも本当に私たちはこれからも無限に電気を使い続けることができるのでしょうか?
もしも1日で使う電気の量がこのまま増え続けていったら?

トリビア!

実際に電力の使用を制限する「電力使用制限令」は、日本では過去2度発令されています。1度目はオイルショック下の1974年。街のネオンは消され、NHKは23時以降の放送を休止、デパートのエスカレーターも運転休止など、日本全体が省エネムードに包まれました。
2度目は東日本大震災による発電所停止の影響をうけた2011年に、東京電力と東北電力の管内で発動。夏の需要ピーク時の大規模停電を防ぐためのもので、企業や工場は営業日・時間を変更するなどの対策が実施されました。

電気を生み出す資源には限りがある

図:エネルギー資源の可採年数石油 51年天然ガス 53年ウラン 102年石炭 114年
  • (注)可採年数=確認可採埋蔵量/年間生産量
  • ウランの確認可採埋蔵量は費用130ドル/kgU未満
  • 出典:※1/BP統計2016 ※2/OECD・IAEA「Uranium 2016」

電力消費量が増えていく一方で、電気の供給量は増やすことができるのかというと、「確実にできる」とは言い切れない現状があります。
私たちが使っている電気の約8割は、火力発電によって生み出されており、その燃料となる石油、石炭、天然ガスは、永遠に使い続けられるエネルギー資源ではないからです。

エネルギー資源確認埋蔵量とは、現在確認されているそれぞれの資源の埋蔵量を年間の生産量で割ったもので、「このまま使い続けるとあと何年資源を採取できるか」という数字です。埋蔵量がもっとも多いとされているのは石炭、次いでウランで、これらは100年近く採取できるとされていますが、石油や天然ガスはこれらの半分となる約50年ほどしか採取できないとされています。
つまり、このままエネルギー資源を自由に使い続けていずれ枯渇してしまうと、私たちは電気を自由に使うことができなくなってしまうかもしれないのです。もちろん、今後新たに油田が発見される等によって、この数字は変わっていく可能性がありますが、これらの資源が“永遠に使い続けられるわけではない”ことは間違いありません。

電気を使い続けるために-エネルギーのベストミックス

いつかは枯渇するかもしれないエネルギー資源から生み出す電気を、私たちが永遠に使い続けるためにはどうしたらよいのでしょうか。
そのために必要なのは「エネルギーのベストミックス」です。
これは1つの発電方法だけに頼るのではなく、複数のエネルギー資源を使った発電方法をミックスし、それぞれのメリットをいかしデメリットを抑えながら、電気を生み出そうというものです。
たとえば火力発電だけに頼ってしまえば、燃料となる石油、石炭、天然ガスといった資源は、現在の予想よりも早く枯渇してしまうかもしれません。

だからといって原子力発電だけに頼っても、その燃料となるウランにも限りがあります。
水力発電は化石燃料を必要としない発電方法ですが、新たに建設できる場所が少ない上に発電量は自然条件に左右されるという一面があります。注目されている太陽光や風力などの自然エネルギーも、化石燃料を必要とせず資源が枯渇する恐れもありませんが、水力と同じく自然条件に左右される上に、発電コストが高いというデメリットがあります。
つまり火力発電、原子力発電、水力発電、太陽光や風力発電など、いずれもメリットとデメリットがあり、どれか1つに依存することはできません。逆に言えば電気を使い続けるためには、火力発電、原子力発電、水力発電、太陽光や風力発電などのいずれも欠かすことはできないといえるでしょう。

図:各発電方法の特徴

(注1)発電コスト試算は、事故リスク対応費用(原子力発電所事故の損害額を最低でも9.1兆円と見積もり、国内の原子力事業者が40年間で見合う費用を積み立てるという前提)、「政策費用・環境対策費用」などの社会的費用も加味されています。原子力については、事故費用が1兆円増加するたびに0.04円上昇します。

(注2)風力・太陽光を大量導入する場合の系統安定化費用については、導入のタイミングやどの程度の対策が必要か現段階では見込めないため、コストとして勘案されていません。

(注3)発電種別によっては設備利用率によりいくつかの発電コストの単価があり、上記コスト単価は下記出典の記載利用率(原子力70%、太陽光〈住宅用〉12%、風力〈陸上〉20~23%、水力45%、石油火力10%・30%、石炭火力70%、天然ガス火力70%)によるものです。

(注4)2014年、2030年モデルプラントについては、当該年度に運用を開始するプラントの値です。2030年については想定される技術革新や量産効果を織り込んだ値になっています。

CO2排出量は電力中央研究所報告書、コストは発電コスト検証ワーキンググループ(H27.5.26)をもとに作成