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原子力安全統括という責務を胸に、世界最高水準の安全性確保を目指す 大飯発電所 原子力安全統括 佐藤

大飯発電所初代原子力安全統括への辞令と発電所長の期待

当時、佐藤は福島第一原子力発電所事故後、東京支社課長として、原子力事業に係る様々な難題を抱え、激動の時間を過ごしていた。そんな中での突然の辞令。新しくできた職位に就いた佐藤に対し、発電所長は、「独自の価値観ややり方で、発電所の安全性を向上させることはもちろんのこと、原子力安全を追求するエンジニアとして、所員が尊敬し、憧れる存在になってほしい」と想いを伝えた。

「辞令を受け、様々な思いがあったが、現場に戻れてうれしいという想いが大きかったですね。ただ、私が現場を離れた3年で、一新され、膨大な情報量となった規制基準を、一から学ぶとともに、自分が培ってきた海外での経験を活かし、発電所の原子力安全の向上に努めるという大きな責務に身が引き締まる想いをしたことを今でも覚えています。

まず、着任直後にしたことは、大飯発電所を、原子力のプロであるという自覚を持ち、不断の努力を惜しまず、自分の仕事に責任を持って完遂する"プロフェッショナル"な集団にするため、発電所幹部へ原子力安全に関わる5つの期待事項をまとめたメッセージを発信しました。

  1. 何よりも原子力安全を第一に考えてください。
  2. 現場・現物・現実の『3現主義』を貫いてください。
  3. 「Never say never」の姿勢で、率先垂範してください。
  4. 自分にとって都合の悪い意見・情報を求めてください。
  5. 「最悪の時に、最悪のことが起こる」と考えてリスクを管理してください。
発電所のエンジンである発電所幹部自らが変わることで発電所全体が変わると考え、私が「このようにしてもらいたい」と思うものを実務的かつ具体的にまとめました。」

原子力安全統括 佐藤の流儀

ただ、規制を満たしていればよいのではなく、常に世界最高水準(エクセレンス)にチャレンジする文化をつくりたいという佐藤。原子力安全を第一に考え、現場・現物・現実の「3現主義」を徹底。現実や現場を確認したうえで、様々な観点からものごとを考え、現場で総合的に判断することが必要であり、それを発電所所員だけでなく、協力会社社員の方々とも、ディスカッションすることが重要だと語る。

「大飯発電所には、500人の社員と1,500人の協力会社の方々、合計2,000人が働いていますが、このうちたった1人が失敗をしたとしても、その影響を受けるのは発電所全体です。原子力の仕事、この大飯発電所での仕事は、そのくらい緊張感と責任感が求められるものです。私は、関西電力であろうと協力会社であろうと、大飯発電所で働く全員が1つのチームだと考え、接しています。そして、所員には、原子力発電所で働くプロフェッショナルとしての心構えと誇りを持って、最高の仕事をしてもらいたいと考えています。」

「Never say never」の姿勢で率先垂範

佐藤は、平成26年6月から現在に至るまで、協力会社の朝礼に延べ230回以上参加し、自らの想いを直接伝えてきた。彼の同僚によると、近い距離感と親しみやすい口調からも人気が高い。また、空いている時間があれば、発電所構内を巡回し、原子力安全を脅かすリスクがないか、2,000人の発電所員の働く姿を確認している。そして、決して、「できない」と考えず、「どうすればできるのか」という姿勢で仕事に臨んでもらうよう、指導・助言する際には、答えをまず言うのではなく、なぜそう考えたのかを問い、"考える習慣"を共有し、実践している。

「一言で原子力安全を向上させると言っても、関係する機器や設備は幅広く、また、非常時には、所長の技術的判断のサポートを担うのが私の役割で、必要な知識は多岐にわたります。安全文化の基本に「学習する組織」、「常に疑問に思う姿勢(Questioning attitude)」という考え方がありますが、常に自分は、何かを間違っているのではないかという自問自答を繰り返し、海外の知見を収集するなど、「Never say never」の姿勢で、率先垂範しています。」

大飯発電所 所長 吉田

インタビューを受ける様子

大飯発電所 幹部会議の様子

協力会社の方々も含め、大飯発電所所員として分け隔てなく接する佐藤

「3現主義」を徹底する佐藤。
安全パトロールで気になった点をメモし、日々の指導へ活用

2016年11月8日掲載

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