プレスリリース

2006年3月31日
関西電力株式会社

原子力発電所の運営状況について

当社の原子力発電所における運営状況について、以下のとおりお知らせします。

1.運転状況について(平成18年3月31日現在)
発電所 電気
出力
(kW)
運転状況 備  考
美 浜
発電所
1号機 34.0万 運転中  
2号機 50.0万 第23回 定期検査中(H18.3.3〜H18.6月上旬予定) 【新規】燃料取出作業の一時中断について
3号機 82.6万 事故停止中[第21回定期検査中]
H16.8.9 2次系配管破損事故により停止
(引き続き、H16.8.14〜 第21回定期検査)
H17.1.5〜 定期検査作業中
 
高 浜
発電所
1号機 82.6万 運転中  
2号機 82.6万 運転中  
3号機 87.0万 運転中  
4号機 87.0万 運転中 【新規】格納容器高レンジエリアモニタの指示値漸増について
大 飯
発電所
1号機 117.5万 運転中
2号機 117.5万 運転中
3号機 118.0万 運転中 【お知らせ済】廃棄物処理建屋内での火災について
4号機 118.0万 第10回 定期検査中(H17.12.27〜H18.4月上旬予定)
定格熱出力一定運転で調整運転中
H18.3.9   原子炉起動
H18.3.11   調整運転開始
H18.4.上旬   本格運転再開予定


2.保全品質情報について

実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則および電気関係報告規則に基づく報告事象や安全協定の異常時報告事象に該当する事象を含め、保安活動向上の観点から、産官学において情報共有することが有益である事象


(1)法令に基づく報告事象や安全協定の異常時報告対象のうち重要な事象
発電所名  大飯発電所3,4号機 発 生 日 3月22日
件  名 廃棄物処理建屋内※1での火災について (添付図−1参照)
事象概要
および
対 策 等
 3月22日18時40分頃、廃棄物処理建屋内において火災報知器が動作しました。直ちに現場を確認した結果、建屋のエレベーター出口付近に煙を確認、また、周辺への煙の広がりにより防火扉が動作していることが判明しました。

 19時47分、若狭消防大飯隊員4名および当社社員7名が管理区域内に入域し、現場を確認した結果、廃棄物処理建屋3階面(地上26m)の高さのフィルタバルブ室※2上の中2階で発火を確認しました。(その後一旦退出した若狭消防大飯隊員より20時15分確認)
 20時27分から、若狭消防高浜隊員4名および当社社員3名が消火器および水で消火を行い、22時35分に、消防により鎮火が確認されました。

 建屋への立入者については、速やかに全員退避を完了しており、被ばくもなく、周辺環境への放射能の影響もありませんでした。このうち、協力会社の作業員2名が、若干の煙を吸い込んだため、念のため救急車で病院に向かいましたが、診察を終え、発電所に戻りました。

 3月23日、若狭消防本部ならびに小浜警察署による現場検証が行われ、最も激しく燃えていたのは、フィルタバルブ室上の中2階にある工具や資材などを保管していた棚の中段であることが判明しました。

[平成18年3月22日23日 お知らせ済]


 出火原因については、引き続き調査が行われています。

  ※1 管理区域内で発生する放射性廃棄物(固体、液体、気体)の処理を行う建屋。管理区域内で発生した廃液を処理する装置や、ドラム詰め装置などが設置されており、ポンプ、タンク、配管、などが設置されている。
  ※2 廃液を処理する際に異物等を取り除くフィルタやバルブ(弁)、が設置してある部屋である。その上部のスペースを協力会社の物置き場(ケーブル、養生シート、エアホース、ペンキ、工具などの置き場)としても使用している。


(2) (1)に至らない軽微な事象
発電所名 高浜発電所4号機 発 生 日 第16回定期検査中(3月3日)
件  名 格納容器高レンジエリアモニタの指示値漸増について (添付図−2参照)
事象概要
および
対 策 等

 定格熱出力で調整運転中のところ、3月3日8時30分頃、事故時の格納容器内の放射線量率*1を測定するために設置している格納容器高レンジエリアモニタ4台のうち1台のエリアモニタの放射線量率の指示値が、平成18年2月26日頃から漸増していることを確認しました。このため、他のモニタの指示値を確認しましたが有意な変動は認められなかったことから、当該モニタの計器故障の疑いがあると判断し点検を実施しました。

 原因調査の結果、検出器※2信号ケーブルの絶縁が低下したことにより、検出器から流れる正常な電流に絶縁低下の影響に伴う微弱電流が流れ込んだため、指示値が漸増したものと推定されました。

 対策として、当該モニタの検出器と信号ケーブルを予備品(検出器と信号ケーブルが一体型)に取り替えました。
 本事象による周辺環境への放射能の影響はありません。

  ※1 放射線量率 放射線の量を単位時間で表したもの。単位はSv/h。
  ※2 検出器 放射線を測定する機器で、放射線の強さに応じて電流が発生し、信号ケーブルを通じて指示計に指示を出すもの。



発電所名 美浜発電所2号機 発 生 日 第23回定期検査中(3月13日)
件  名 燃料取出作業の一時中断について (添付図−3参照)
事象概要
および
対 策 等

 定期検査中の3月12日8時45分から燃料取出作業を開始していたところ、13日10時30分頃、閉止状態(注)であるべきC/Vバウンダリ弁のうち補助給水隔離弁が開放されていることを発見したことから、作業を一時中断しました。
 その後、当該弁を閉止するなどの処置を講じた上で、同日21時00分に燃料取出作業を再開し、22時15分に完了しました。
 なお、当該弁は一時開放されていましたが、格納容器内の方が容器外よりも負圧であったため、格納容器内から屋外大気への空気の流れはなく、本事象による環境への放射能の放出はありませんでした。
 原因調査の結果、弁の操作所管部署は燃料取出前に当該C/Vバウンダリ弁の閉止を確認していたものの、その後、弁の点検担当部署からの依頼に基づく蒸気発生器給水系統の水抜き操作で当該弁を開放し、水抜き完了後に弁の点検担当部署へ弁の閉止を依頼していなかったことが判明しました。

 対策として、燃料取出作業前に行う蒸気発生器2次系側のC/Vバウンダリ弁の状態確認は、蒸気発生器給水系統水抜き完了後に確認することとします。また、C/Vバウンダリ弁であることを示す掲示札を弁本体に取り付け確実に確認できるようにするとともに、C/Vバウンダリ弁の状態については、弁の操作所管部署にて一元的に管理することとします。

 更に、関係者に対して、今回の事例を周知し、燃料取出・装荷時のC/Vバウンダリの重要性について再徹底を図っていきます。

  (注):   燃料取出・装荷の際には、原子炉格納容器内の空気と屋外大気とが直接つながっている経路は、万一の事故に備えて弁などにより閉じられていることが保安規定で要求されている。
  ※:   原子炉格納容器内の空気と屋外大気との境界部をいう。



3.その他情報

   なし


  保全品質情報については、下記の公開サイトにおいても、準備が整い次第掲載していきます。
  当社ホームページ(/knic/meeting/index.html)“原子力情報センター(保全品質情報)”
  日本原子力技術協会ホームページ(http://www.nucia.jp)“原子力施設情報公開ライブラリー「ニューシア」”

以 上

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