定期検査中の3月12日8時45分から燃料取出作業を開始していたところ、13日10時30分頃、閉止状態(注)であるべきC/Vバウンダリ※弁のうち補助給水隔離弁が開放されていることを発見したことから、作業を一時中断しました。
その後、当該弁を閉止するなどの処置を講じた上で、同日21時00分に燃料取出作業を再開し、22時15分に完了しました。
なお、当該弁は一時開放されていましたが、格納容器内の方が容器外よりも負圧であったため、格納容器内から屋外大気への空気の流れはなく、本事象による環境への放射能の放出はありませんでした。
原因調査の結果、弁の操作所管部署は燃料取出前に当該C/Vバウンダリ弁の閉止を確認していたものの、その後、弁の点検担当部署からの依頼に基づく蒸気発生器給水系統の水抜き操作で当該弁を開放し、水抜き完了後に弁の点検担当部署へ弁の閉止を依頼していなかったことが判明しました。
対策として、燃料取出作業前に行う蒸気発生器2次系側のC/Vバウンダリ弁の状態確認は、蒸気発生器給水系統水抜き完了後に確認することとします。また、C/Vバウンダリ弁であることを示す掲示札を弁本体に取り付け確実に確認できるようにするとともに、C/Vバウンダリ弁の状態については、弁の操作所管部署にて一元的に管理することとします。
更に、関係者に対して、今回の事例を周知し、燃料取出・装荷時のC/Vバウンダリの重要性について再徹底を図っていきます。
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(注): |
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燃料取出・装荷の際には、原子炉格納容器内の空気と屋外大気とが直接つながっている経路は、万一の事故に備えて弁などにより閉じられていることが保安規定で要求されている。 |
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※: |
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原子炉格納容器内の空気と屋外大気との境界部をいう。 |
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