プレスリリース

2005年6月22日
関西電力株式会社

原子力発電所の運営状況について

当社の原子力発電所における運営状況について、以下のとおりお知らせします。

1. 運転状況について(平成17年6月21日現在)
発電所 電気出力(kW) 運転状況 備  考
美 浜
発電所
1号機 34.0万 第21回 定期検査中(H17.4.25~9月上旬予定) ・「補助建屋排気筒のひび割れおよびドレン管の接続不良について」詳細は2-(1)のとおり。
2号機 50.0万 運転中
3号機 82.6万 事故停止中[第21回定期検査中]
H16.8.9 2次系配管破損事故により停止。(引き続き、
H16.8.14~ 第21回定期検査)
H17.1.5~ 定期検査作業中。
 
・「2次系配管の点検結果について」詳細は2-(2)のとおり。
高 浜
発電所
1号機 82.6万 運転中  
2号機 82.6万 運転中  
3号機 87.0万 第16回 定期検査中(H17.4.21~7月下旬予定)  
4号機 87.0万 運転中
大 飯
発電所
1号機 117.5万 運転中
 
2号機 117.5万 第19回 定期検査中(H17.3.16~7月上旬予定)
原子炉起動H17.6.22(予定)、
調整運転開始H17.6.24(予定)
・「2次系配管の点検結果について」詳細は2-(2)のとおり。
・「B-非常用母線の一時的な停電について」詳細は2-(2)のとおり。
3号機 118.0万 運転中(H17.6.24~第11回定期検査予定)  
4号機 118.0万 運転中   

大飯発電所2号機第19回定期検査は、取り替え用の2次系配管の手配に時間を要したこと、およびB-非常用母線の一時的な停電が発生し、原因調査に時間を要したことから、本格運転再開時期が当初予定の6月中旬から遅れております。


2.保全品質情報について

実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則および電気関係報告規則に基づく報告事象や安全協定の異常時報告事象に該当する事象を含め、保安活動向上の観点から、産官学において情報共有することが有益である事象


(1)法令に基づく報告事象や安全協定の異常時報告対象のうち重要な事象
発電所名  美浜発電所1号機 発 生 日 4月28日(第21回定期検査中)
件  名 補助建屋排気筒のひび割れおよびドレン管の接続不良について (添付図-1参照
事象概要
および
対 策 等
 定期検査中の4月28日、原子炉補助建屋排気筒の目視点検※1を実施していたところ、12時10分頃に、排気筒下部に接続されているドレン管※22本が外れていること、および当該ドレン管取り付け部の排気筒底板にひび割れがあることを確認しました。
 このため、補助建屋内での放射性物質の発生を伴う作業を直ちに中断するとともに、排気筒からの排気を停止させるため、補助建屋送気ファンおよび排気ファンを12時53分に停止しました。なお、本事象による環境への放射能の影響はありません。


※1   国内の原子力発電所で補助建屋排気筒のひび割れが発生した事象を踏まえ実施していた点検。
※2   排気筒内に溜まった雨水等のドレンを排出するライン。

(平成17年4月28日 お知らせ済)

 その後、原因調査のため、排気筒底板の開口部周辺を切り出した上で、当該部にステンレス板(パッキン付)をボルトで取り付けて仮補修を行い、4月30日14時57分に、補助建屋送排気ファンを再起動しました。

 原因調査の結果、ドレン管の下端はサポートで固定されており、この状態では、排気筒内を流れる排気による底板の振動により、底板とドレン管の接続溶接部に繰返し応力が発生し、溶接部厚さが薄い箇所(約0.5mm)に疲労限※3を超える繰返し応力(最大約17.5MPa)が働いたため、疲労割れが発生したものと推定されました。また、溶接部の疲労割れが徐々に全周に広がる過程において、繰返し応力が底板にも加わり、底板にひび割れが発生するとともに、最終は延性破壊によりドレン管が底板から外れたものと推定されました。
 対策として、補助建屋排気筒の一部を、剛性(頑丈さ)向上による振動抑制のため、底板の板厚(1.2mm → 3.0mm)、およびドレン管と底板の溶接部の構造を変更した、新しいものに取り替えます。
 なお、格納容器排気筒については、異常は認められませんでしたが、補助建屋排気筒と同様の方法でドレン管が取り付けられていることから、念のため、剛性向上による振動抑制対策を講じた排気筒に取り替えます。


※3   疲労損傷を起こす応力。文献調査では11.5MPaと評価された。

(平成17年6月20日 お知らせ済)


(2) (1)に至らない軽微な事象
発電所名  美浜発電所3号機 発 生 日 第19回定期検査中
件  名 2次系配管の点検状況について
事象概要
および
対 策 等
 2次系配管破損事故プラントであることを勘案し、「原子力設備2次系配管肉厚の管理指針(PWR)」における全ての対象箇所等の点検(肉厚測定)を実施しました。
 点検対象箇所(6,260箇所)について点検および評価を完了しており、肉厚測定の結果、計算必要厚さを下回る部位が新たに5箇所(公表済みの29箇所と合わせて合計34箇所)確認されました。
 その他の箇所については、計算必要厚さを満足していることを確認しました。
 なお、計算必要厚さを下回っていることが確認された5箇所については、今定期検査中に取り替えることとします。


※:  技術基準適合命令範囲にある8箇所を除く。

(平成17年6月7日 お知らせ済)



発電所名  大飯発電所2号機 発 生 日 第19回定期検査中
件  名 2次系配管の点検結果について
事象概要
および
対 策 等

 定期検査において、合計1,394箇所について点検(肉厚測定)を実施しました。(当初は2次系配管993箇所の点検を計画していましたが、美浜3号機での2次系配管点検結果等を踏まえ、蒸気発生器ブローダウン系統のステンレス鋼製配管等の401箇所について、追加で点検を行いました。)
 その結果、計算必要厚さを下回る部位が7箇所確認されました。
 その他の箇所については、全て計算必要厚さを満足していることを確認しました。

  なお、計算必要厚さを下回っていることが確認された7箇所については、今定期検査中に取り替えました。

(平成17年6月20日 お知らせ済)



発電所名  大飯発電所2号機 発 生 日 第19回定期検査中
件  名 B-非常用母線の一時的な停電について (添付図-2 参照
事象概要
および
対 策 等
 6月3日11時04分、非常用予備発電装置機能検査の復旧作業として、4-2B母線への受電を、非常用ディーゼル発電機から起動変圧器に切替えるため、起動変圧器側の4-2SBしゃ断器投入操作中、4-2SBしゃ断器が投入されていない状態で、非常用ディーゼル発電機と接続していた4-2BEGしゃ断器が開放したため、4-2B母線が停電状態となり、運転中のB-余熱除去ポンプが停止しました。
 その後、11時05分に4-2SBしゃ断器の投入操作を再度行い、4-2B母線は復旧し、11時09分に同ポンプを再起動しました。
 原因調査の結果、4-2BEGしゃ断器開放の原因となるような異常や不具合は認められず、4-2BEGしゃ断器の動作回路において、異物による短絡等の一時的な不具合が発生したものと推定されました。また、4-2SBしゃ断器の投入操作が確実に実施されていなかったことが確認されました。
 しゃ断器や動作回路に異常がないことを確認した後、6月16日に再度、非常用予備発電装置機能検査を行い、機能の健全性を確認しました。再発防止のため、以下の対策を実施します。


今運転サイクルにおいては、非常用ディーゼル発電機の負荷試験(毎月1回)で、4-2BEGしゃ断器を動作させる場合は、設備担当者を立ち会わせ、動作状況を確認します。
制御盤内に異物が認められたことから、制御盤内の清掃を徹底して行うとともに、異物対策を再度周知徹底します。
4-2SBしゃ断器が投入されていなかったことから、スイッチ操作などの基本動作を再徹底するとともに、当該スイッチなど主要な操作盤に注意喚起札を取り付けます。

(平成17年6月20日 お知らせ済)

以 上

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