プレスリリース

2007年5月9日
関西電力株式会社

美浜発電所3号機の定期検査状況について(蒸気発生器2次側管板上面での異物の点検状況と支持板付近での新たな異物確認について)

 美浜発電所3号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力82万6千キロワット、定格熱出力244万キロワット)は、平成19年4月4日より第22回定期検査を実施していますが、4月25日20時頃、蒸気発生器3台のうちのC−蒸気発生器2次側管板上面の清掃作業を実施するため、カメラで事前点検を行っていたところ、管板上面で円柱状の異物(長さ約10mm、直径約5mm)を確認しました。

 ※: 蒸気発生器の2次側に持ち込まれた金属錆が管板上面に堆積するため、それを取り除く作業を定期検査毎に実施している。

[平成19年4月26日 お知らせ済み]

 当該異物を回収し詳細調査した結果、配管等の加工作業で発生する金属削り屑と推定されました。このため、当該異物が発生した工事等を特定するなど、発生源の調査を行っています。


 一方、今回の定期検査の計画に基づき、A−蒸気発生器についてECT(渦流探傷検査)を実施するとともに、管支持板穴を点検していたところ、4月27日18時30分頃、カメラにて第3管支持板上で線状の異物(長さ約50mm、直径約1mm[カメラで確認できる範囲])を確認しました。
 今後、蒸気発生器内から異物を取り出し、詳細調査を行います。


 以上の状況を踏まえ、今回の定期検査で以下の点検を実施しています。


(1) 3台の蒸気発生器全ての2次側管板上面の点検を実施し、新たな異物等がないことを確認しました。
(2) B,C−蒸気発生器の伝熱管全数についてECTを実施し、伝熱管の健全性を 今後確認します。
なお、A−蒸気発生器の伝熱管全数(既施栓管3本を除く3379本)は、既にECTを実施し、異常は認められませんでした。

<C−蒸気発生器管板部上面の異物の調査状況>
   C−蒸気発生器内から異物を回収した後、外観観察、化学成分分析、組織観察等の詳細調査を実施しました。
外観観察の結果、異物は円錐台形状(長さ約12mm×直径約7mmおよび約11mm)で、金属薄板(長さ約120mm、幅約1〜7mm、厚さ約0.2mm、重量約0.9グラム)が渦状に巻いたものでした。
化学成分分析の結果、主成分は鉄で、その他には微量のケイ素やマンガンが検出されました。
組織観察の結果、均一な結晶が見られる金属母材部と、溶接時の熱影響により結晶が不均一となった部分が見られました。
 
   以上の調査状況から、回収した異物は配管を溶接する際の加工作業等で発生する金属削り屑の可能性があると推定されました。現在、異物の発生源等を特定するため、2次系の給水系統の工事実績等を調査しています。

以  上

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