プレスリリース

2006年12月14日
関西電力株式会社

当社原子力発電所における温排水データに関する調査結果について

 当社は、原子力安全・保安院からの指示を受けて、当社の発電用水力設備、火力設備、原子力設備について、データ改ざん、必要な手続きの不備等の有無について調査を行っていますが、温排水データについて、大飯発電所3号機においては復水器入口海水温度※1計および取水口海水温度※2計のデータを、大飯発電所4号機においては復水器入口海水温度計および放水口海水温度※2計のデータを不適切に調整していたことを確認しました。
 温排水データに関する調査については、引き続き行っていきますが、当社としては、今回の事実を重く受けとめ、十分な原因究明を行った上で、再発防止に努めてまいります。
 また、原子力安全・保安院からの点検指示を受けて行っている他の調査についても、引き続き行ってまいります。


【調査結果】    
  美浜発電所   現時点において、不適切な調整は確認できていません。
  高浜発電所   現時点において、不適切な調整は確認できていません。
  大飯発電所   現時点において、1号機・2号機で不適切な調整は確認できていません。
3号機・4号機で温排水データの不適切な調整を確認しました。
詳細は以下のとおり。


◆大飯発電所3号機
  1 復水器入口海水温度
 6つある復水器入口の海水温度は通常同じですが、2つの復水器入口の海水温度が他の復水器入口海水温度よりも約0.2℃低かったことから、平成10年1月に当該復水器入口の海水温度計について、0.2℃高く表示する調整を行っていました。
  2 取水口海水温度
 復水器入口の海水温度は、通常、取水口の海水温度と同じですが、復水器入口海水温度の方が取水口海水温度に比べ調整前は約0.1℃高かったこと、および、1の調整により復水器入口海水温度の平均値が約0.1℃高くなると考えられたことから、平成10年1月に取水口の海水温度計について、0.2℃高く表示する調整を行っていました。

◆大飯発電所4号機
  1 復水器入口海水温度
 復水器入口の海水温度は、通常、取水口の海水温度と同じですが、6つある復水器入口のうち1つの復水器入口において、復水器入口の海水温度の方が約0.2℃低かったことから、平成10年1月に当該復水器入口の海水温度計について、0.2℃高く表示する調整を行っていました。
  2 放水口海水温度
 放水口の海水温度は、通常、復水器出口の海水温度以下となりますが、放水口の海水温度の方が約0.1℃高かったことから、平成10年1月に放水口の海水温度計について、0.1℃低く表示する調整を行っていました。


 なお、大飯発電所3号機の復水器入口海水温度計は第5回(H10年)および取水口海水温度計は第10回(H16年)、また大飯発電所4号機の復水器入口海水温度計は第4回(H10年)および放水口海水温度計は第9回(H16年)定期検査において、温度計の校正を行っております。

 これらの調整されたデータについては、国の定期検査には使用されていませんが、関係自治体等に報告しているため、今後、ご指導を賜りながら、適切に対応してまいります。

以  上

※1: 復水器入口海水温度
   原子力発電所では、タービンで使用された蒸気を冷却して水に戻すために、取水口から海水を取水し、復水器で熱交換した後に、この海水を他の冷却水とともに放水口から海に戻しています。大飯発電所3、4号機の復水器には、それぞれ6つの水室があり、その入口と出口に設置している温度計で海水温度を監視しています。
   
※2: 取放水口海水温度
   大飯発電所の取水口と放水口に設置している温度計で海水温度を監視しています。
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