プレスリリース
2006
2006年5月19日
関西電力株式会社
美浜発電所3号機の定期検査状況について(格納容器内での水漏れの原因と対策)
美浜発電所3号機は、第21回定期検査中のところ、5月16日15時13分に、中央制御室で、格納容器サンプの水位が上昇していることを示す「格納容器サンプ水位上昇率高」の警報が発信しました。運転員が現場を確認したところ、15時40分頃に、仮設キャビティ※1浄化装置※2のホースからキャビティ水が漏えいしたことを発見しました。
現場の作業員から聞き取り調査を行った結果、使用中の浄化装置のホースを誤って取り外したことにより漏えいが発生したため、直ちに同装置のポンプを停止させたことがわかりました。
漏えいは、浄化装置が設置されている32mフロアからドレン配管を通じて格納容器下部の格納容器サンプに達し、サンプ水位を上昇させるとともに、各フロアの床面にも漏えいしました。漏えい量は、格納容器サンプの水位上昇分と床面への漏えい量を合わせて約400
です。漏えいしたキャビティ水の放射能濃度は8.12Bq/ccであり、放射能量は約3.25×106Bqと推定されます。
なお、この漏えいにより、作業員1名の足首付近が濡れましたが、サーベイの結果、汚染はありませんでした。また、原子炉の燃料は全て取り出した状態であり、安全上の問題はなく、環境への放射能の影響はありませんでした。
現場の作業員から聞き取り調査を行った結果、使用中の浄化装置のホースを誤って取り外したことにより漏えいが発生したため、直ちに同装置のポンプを停止させたことがわかりました。
漏えいは、浄化装置が設置されている32mフロアからドレン配管を通じて格納容器下部の格納容器サンプに達し、サンプ水位を上昇させるとともに、各フロアの床面にも漏えいしました。漏えい量は、格納容器サンプの水位上昇分と床面への漏えい量を合わせて約400

なお、この漏えいにより、作業員1名の足首付近が濡れましたが、サーベイの結果、汚染はありませんでした。また、原子炉の燃料は全て取り出した状態であり、安全上の問題はなく、環境への放射能の影響はありませんでした。
※1:キャビティ | |
原子炉容器の上方に設けているプールであり、燃料取り扱い時にはプール内部にほう酸水を満たすことにより、必要な遮蔽が得られるようにする。 | |
※2:仮設キャビティ浄化装置 | |
キャビティ水を浄化するため設置していた仮設の装置。ポンプにより汲み上げたキャビティ水をフィルタにより浄化して再びキャビティに戻している。 |
[平成18年5月16日 お知らせ済み]
今回の事象では、仮設キャビティ浄化装置が運転中であるとの認識がなく、作業員が誤ってホースを取り外した可能性があるため、今回の作業の状況を調査しました。
1.調査結果 | |
(1) | 作業の体制および内容 現場周辺では、作業指導員と作業員4名の計5名が作業をしていました。 作業内容は、キャビティ内に保管している制御棒駆動軸を清掃するための仮設装置(制御棒駆動軸清掃装置)を設置し、同装置と仮設キャビティ浄化装置を接続する作業を行う計画でした。 作業責任者は、制御棒駆動軸をキャビティ内から取り出すための装置(制御棒駆動軸取扱装置)の点検を監督しており、清掃装置の設置については、作業責任者を補佐する指導員に指揮を任せていました。 |
(2) | 作業要領書の記載内容 作業手順や注意事項を記載している作業要領書には、仮設キャビティ浄化装置と接続するときは「浄化装置を停止させる」旨の記載はありませんでした。 |
(3) | 作業開始前の打ち合わせ 作業責任者は、仮設キャビティ浄化装置が運転中で、清掃装置と浄化装置を接続する前には浄化装置を停止する必要があることを認識していましたが、指導員や作業員にその旨注意することを伝えていませんでした。 |
2.原 因 | |
制御棒駆動軸清掃装置と仮設キャビティ浄化装置とを接続する前には、運転中の浄化装置を停止させる必要がありましたが、作業要領書にそのことが記載されておらず、また、そのことを知っていた作業責任者が、指導員や作業員に対して「装置を停止させる」との明確な指示や注意を与えていませんでした。 このため、浄化装置が運転中であるとの認識がない状態で、指導員の指示により、作業員がホースを取り外したため漏えいが発生しました。 |
3.対 策 | ||
今回の事象を受けて、直ちに以下の対策を実施します。 | ||
○ | 仮設キャビティ浄化装置のホースを取り外す前には、当該装置を停止することを作業要領書等に明記します。 | |
○ | 仮設キャビティ浄化装置については、運転状態が容易に識別できるよう表示を行います。 | |
○ | 当日の作業前の打ち合わせにおいては、作業責任者が設備の運転状態等を作業関係者に対し確実に周知・伝達するよう指導します。 | |
さらに、以下の対策についても今後実施してまいります。 | ||
○ | 仮設設備を利用する際は、当該設備の系統や電源等の隔離など、作業上の重要なステップについてホールドポイントを設定し、作業要領書等に確実に記載するよう社内マニュアルに追記します。 | |
○ | 今後随時本格導入していく労働安全衛生マネジメントシステムにおいて、今回の事例を教訓として、危険予知活動の充実に努めます。 | |
○ | 定期検査中に動作している仮設設備について、運転状態が容易に識別できるよう表示を行います。 |
以 上