プレスリリース

2006年2月2日

インバーター付き小型スクリューモジュラーチラーの開発

 関西電力株式会社(本店:大阪市北区、社長:森詳介)と、荏原冷熱システム株式会社(本社:東京都大田区、社長:井澤正行)は、このたび、ビルや工場の空調に使用する冷却装置(チラー)分野向けに、冷房能力200kWクラスのチラーとしては初めて、乗用のエレベーター(積載重量1tクラス)に積載でき、インバーター*1を搭載した部分負荷効率*2の高いスクリューモジュラーチラー*3を共同開発しました。


 近年、事務所ビルや工場において、エネルギーコストの低減に加え、温暖化対策への意識の高まりから、CO2排出量を抑え地球環境に優しい省エネルギー空調機器を導入するため、既存空調機器のリニューアルが増加の傾向にあります。しかし、空調機器の搬入経路が確保されていないビルが多く、搬入に当たり経路確保のため壁等を解体し、搬入後復旧するという作業が行われています。


今回開発した「インバーター付き小型スクリューモジュラーチラー」は、新冷媒(HFC系冷媒*4「R407C」)の採用により小型・軽量化*5を実現し、乗用の1tクラスエレベーターに積載が可能となりました。これにより、以前行っていた搬入時の壁の解体・復旧工事が不要となり、工事コストの削減に寄与します。


 また、冷房能力200kWクラスのスクリューチラーとしては業界最高水準の効率(COP 5.0)であり、また、初めてインバーターを搭載することで、部分負荷効率に関しては業界最高効率(COP 5.5)を達成しました。これにより、部分負荷での運転時間の長い一般ビルにおいて、ランニングコストを削減できます。
 さらに、本開発機は複数台結合が可能で設置スペースも小さいことから、幅広いお客さまでのご利用が可能となります。また、連結は現地にて簡単にできるため、大容量でも搬入は容易で、工期も短縮できます。


 荏原冷熱システムは平成18年2月から本製品の販売を開始いたします。製品価格は970万円/1基です。さらに、定格出力一定運転時間の長いお客さまに対しては、インバーターを搭載しないタイプの製品も販売していく予定で、ビルや工場向けに両タイプ合わせて年間200基以上の販売を目指します。


 関西電力は、お客さまの幅広いニーズにお応えするソリューション営業力の強化に取り組んでいます。本開発機は小型水冷チラーの中でも特に搬入性に優れる上、環境性、省エネ性にも優れていることから、特に空調機器の更新時期を迎えるリニューアル計画をお持ちのお客さまに選択いただくツールとして期待しています。


  なお、本開発機は本年2月に開催される展示会「HVAC&R JAPAN 2006*6(主催:(社)日本冷凍空調工業会)」にも出展する予定です。



  *1 インバーター
      電気の直流・交流を変換したり、周波数の変換を行う機器で、エアコンや各種モーターの制御に広く用いられている。
  *2 部分負荷効率
      通常機器の効率とは定格出力時の値をいうが、部分負荷効率とは、機器が定格出力に満たない負荷で動いているときの効率を言う。
  *3 スクリューモジュラーチラー
  スクリュー :冷媒ガスを回転により圧縮する装置
  モジュラー :モジュール(規格化した構成単位)式
  *4 HFC系冷媒
      ハイドロフルカーボン系冷媒。オゾン層破壊係数0の冷媒。
  *5 小型・軽量化
      同社同出力の従来機と比較して奥行き長さを約17%、重量を約15%低減
  *6 HVAC&R JAPAN 2006(ヒーバックアンドアールジャパン2006)
      第34回冷凍・空調・暖房展
  会   期 :2006年2月7日〜10日 10:00〜17:00(最終日は16:00まで)
  会   場 :東京国際展示場(東京ビッグサイト)西展示場(西1ホール・西2ホール)
  主   催 :社団法人日本冷凍空調工業会

以  上

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