考~でんきのもしも~ みなさまと共に考えるエネルギーの未来

もしも、1日の電気使用量が増え続けていったら?2013.07.05(2021.11更新)

電力消費が拡大する日本

日本の高度経済成長をささえる原動力となった電気。日本の電力消費量は戦後以降、常に伸び続けてきました。日本の経済力が高まるとともに、私たちも自由に電気を使う生活が当たり前になってきたのです。
私たちの生活を便利にする家電製品が普及するにつれ、家庭での電気の使用量も増加。エアコン、クーラーなどによる冷暖房や、給湯だけで、家庭で使う電気の4割を占めています。

図:家庭での電力消費: 1970年と2015年の比較1970年 118.8kWh2015年 247.8kWh

電気を生み出す資源には限りがある

図:エネルギー資源の可採年数石油 50年天然ガス 51年ウラン 99年石炭 132年
  • (注)可採年数=確認可採埋蔵量/年間生産量
  • ウランの確認可採埋蔵量は費用130ドル/kgU未満
  • 出典:原子力・エネルギー図面集2019

今後、電気を安定して供給していけるかというと、「確実にできる」とは言い切れない状況にあります。
私たちが使っている電気の約8割は、火力発電によって生み出されており、その燃料となる石油、石炭、天然ガスは、永遠に使い続けられるエネルギー資源ではないからです。

エネルギー資源確認埋蔵量とは、現在確認されているそれぞれの資源の埋蔵量を年間の生産量で割ったもので、「このまま使い続けるとあと何年資源を採取できるか」という数字です。埋蔵量がもっとも多いとされているのは石炭、次いでウランで、これらは100年近く採取できるとされていますが、石油や天然ガスはこれらの半分となる約50年ほどしか採取できないとされています。
つまり、このままエネルギー資源を自由に使い続けていずれ枯渇してしまうと、私たちは電気を自由に使うことができなくなってしまうかもしれないのです。もちろん、今後新たに油田が発見される等によって、この数字は変わっていく可能性がありますが、これらの資源が“永遠に使い続けられるわけではない”ことは間違いありません。

電気を使い続けるために-エネルギーミックス

いつかは枯渇するかもしれないエネルギー資源から生み出す電気を、私たちが永遠に使い続けるためにはどうしたらよいのでしょうか。
そのために必要なのは「エネルギーミックス」です。
これは1つの発電方法だけに頼るのではなく、複数のエネルギー資源を使った発電方法をミックスし、それぞれのメリットをいかしデメリットを抑えながら、電気を生み出そうというものです。
たとえば火力発電だけに頼ってしまえば、燃料となる石油、石炭、天然ガスといった資源は、現在の予想よりも早く枯渇してしまうかもしれません。

だからといって原子力発電だけに頼っても、その燃料となるウランにも限りがあります。
水力発電は化石燃料を必要としない発電方法ですが、新たに建設できる場所が少ないという一面があります。注目されている太陽光や風力などの再生可能エネルギーを使った発電は、化石燃料を必要とせず資源が枯渇する恐れはありませんが、自然条件に左右されるというデメリットがあります。
つまり火力発電、原子力発電、水力発電、太陽光や風力発電など、いずれもメリットとデメリットがあり、どれか1つに依存することはできません。逆に言えば電気を使い続けるためには、火力発電、原子力発電、水力発電、太陽光や風力発電などのいずれも欠かすことはできないといえるでしょう。

図:各発電方法の特徴