プレスリリース
2019
2019年11月15日
関西電力株式会社
高浜発電所4号機の定期検査状況について(蒸気発生器伝熱管の損傷に関する点検状況の続報)
高浜発電所4号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力87万キロワット、定格熱出力266万キロワット)は、2019年9月18日から第22回定期検査を実施しており、3台ある蒸気発生器(SG)の伝熱管全数※1について応力腐食割れ※2等を検出するために渦流探傷検査(ECT)※3を実施した結果、A-SGの伝熱管1本、B-SGの伝熱管1本およびC-SGの伝熱管3本について、管支持板※4部付近に外面(2次側)からの減肉とみられる有意な信号指示が認められました。
その後、有意な信号指示があったC-SG伝熱管等の外観を小型カメラで調査した結果、管支持板下面から約1mmの位置に、幅約4mmから8mmの周方向のきずがあることを確認しました。いずれも光沢のある金属面が確認されていることや、きずの形状から摩耗減肉の可能性が高いことを確認しました。
また、有意な信号指示があった伝熱管周辺の管支持板等に接触痕が認められました。
[2019年10月17日、10月29日お知らせ済み]
- ※1 過去に有意な信号指示が認められ、施栓した管等を除きA-SGで3,245本、B-SGで3,248本、C-SGで3,259本、合計9,752本。
- ※2 環境、応力、材料の3要因によって発生する割れ。
- ※3 高周波電流を流したコイルを、伝熱管に接近させることで対象物に渦電流を発生させ、対象物のきず等により生じた渦電流の変化を電気信号として取り出すことできず等を検出する検査であり、伝熱管の内面(1次側)より、伝熱管の内面(1次側)と外面(2次側)の両方を検査している。
- ※4 伝熱管を支持する部品。
- 1.調査状況
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- (1)小型カメラによる外観調査
A、B-SG内部(2次側)について、小型カメラを用いて調査を行いました。
- a.有意な信号指示のあった伝熱管等の外観調査
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- ・有意な信号指示があったA-SG伝熱管に幅約6mm、B-SG伝熱管に幅約5mmの周方向のきずを確認しました。
- ・いずれも光沢のある金属面が認められていることや、きずの形状から摩耗減肉の可能性が高いことを確認しました。
- ・きずの位置は、ECTおよび外観確認の結果から、A-SG伝熱管については管支持板下面から約2mm、B-SG伝熱管については約10mm下であることを確認しました。
- ・有意な信号指示があった伝熱管の周辺の管支持板等に接触痕が認められました。
- b.SG内における異物の調査
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減肉の要因として、異物の接触等の可能性があることから、A、B-SG内について、管板から減肉信号が確認された第3管支持板までを小型カメラで確認しました。その結果、A-SGにおいて、第1管支持板上面に金属片(長さ約20mm、幅約10mm、板厚約0.6mm、重量約1g)を確認しました。
このため、当該金属片を回収し、工場において化学成分分析、外観観察等を実施しました。(工場調査結果)
- ・化学成分分析の結果、主成分は鉄であり、その他にクロムとニッケルが検出され、ステンレス鋼(SUS304相当)と推定しました。
- ・外観観察の結果、摩耗痕が認められなかったことから、伝熱管と接触したものではないと推定しました。
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(2)SG内上部構造物の点検
気水分離器、給水リング等を目視点検した結果、異常は認められませんでした。
- (1)小型カメラによる外観調査
- 2.今後の予定
- 各SG伝熱管にきずが発生した原因について、引き続き調査を行います。また、今回A-SGで確認した金属片の混入経路等について調査を行います。
なお、有意な信号指示が認められた伝熱管5本については、高温側および低温側管板部で閉止栓(機械式栓)を施工し、使用しないこととします。
以 上