プレスリリース

2014年10月29日
関西電力株式会社

堺市鉄砲町地区における下水再生水利用による地域資源活用の推進について
~エネルギーを通じた地域活性化のコーディネート役として~

 関西電力は、エネルギーを通じた地域活性化のコーディネート役として、平成23年から堺市およびイオンモール株式会社とともに、堺区鉄砲町地区における下水再生水※1利用による地域資源の活用を核としたスマートコミュニティの形成に向けて、継続的に検討を行ってきました。このたび、「下水再生水複合利用事業」として、省エネルギー効果を実証する事業者となるグループ会社の株式会社関電エネルギーソリューション(以下、Kenes)も加わり、11月から堺市が着手することとなりました。

 本事業は、堺市が同地区において新たに下水再生水の導管敷設を行い、下水再生水で「内川緑地せせらぎ水路」※2に新たな水源を作り出すとともに、平成28年3月竣工予定の「(仮称)イオンモール堺鉄砲町」の施設内において、下水再生水の未利用熱を給湯熱源として利用後、空調熱源としても利用し、さらに中水※3として再利用する試みです。
 関西電力は、堺市、イオンモール株式会社、および所管省庁をはじめとする関係各所と検討や調整を行い、本事業の推進に積極的に関わってきました。また、Kenesは、下水再生水の熱利用の技術実証を実施します。

 一つの施設内で下水再生水を給湯熱源として利用後、空調熱源としてカスケード利用※4する事例、および下水再生水を熱源として利用後、水源に複合利用する事例はいずれも全国初の実証事業であり、この取組みによって年間で7.2%の省エネルギー効果と、14tのCO2削減効果が見込まれています。また、本事業はその先進性や汎用性が認められ、経済産業省および国土交通省の各種補助事業※5に採択されるなど、今後、その実証成果を国内へ普及させていくことが期待されています。

 関西電力は、グループ一体となって、今後も引き続き、自治体をはじめとする地域の皆さまと再生可能エネルギーの普及・拡大に取り組むなど、エネルギーを通じた地域活性化、スマートコミュニティの形成に積極的に関与し、地域に貢献してまいります。

※1
下水再生水とは、下水処理場でろ過処理やオゾン処理などの高度な処理をされた水で、夏に冷たく冬に暖かいという特徴を持つ。
※2
市内を流れる内川の上流に、市民の憩いの場として緑化整備された内川緑地の中を流れる水路のこと。
※3
中水利用とは処理済の下水などを、洗浄水、散水などの雑用水として再利用すること。
※4
カスケード利用とは、例えば高温域の熱を発電に、その排熱を蒸気や温水として利用する等、熱の温度帯に応じた様々な用途に段階的に使用すること。
※5
経済産業省「平成25年度再生可能エネルギー熱利用高度複合システム実証事業」ならびに国土交通省「平成25年度住宅・建築物省CO2先導事業」に採択されている。

以 上

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