プレスリリース

2010年11月25日
関西電力株式会社

高浜発電所3号機ディーゼル発電機室内での発火にかかる原因と対策について

 高浜発電所3号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力87万キロワット、定格熱出力266万キロワット)は、第20回定期検査中(10月13日開始)の11月19日13時39分、3Aディーゼル発電機室内地下(非管理区域)で、協力会社社員が発火を確認し直ちに消火器を用いて消火活動を行うと同時に、室内の火災報知器が発報しました。
 13時41分に消火するとともに、当社社員が119番通報を行いました。
 その後、現場に到着した消防により、14時30分に鎮火が確認され、15時51分に火災であったと判断されました。
 当時、3Aディーゼル発電機室内地下において、配管の支持構造物を工具(グラインダ)で切断する作業を行っていました。
 本件において負傷者は発生しておらず、環境への放射能の影響はありません。また、延焼もなく、周辺設備に影響はありませんでした。

平成22年11月19日 お知らせ済み]

1.調査結果
(1)作業状況
 定検工事では、燃料油手動ポンプ(※)を配管から取り外す作業を実施しており、燃料油手動ポンプの取り外し作業を終え、その際滴下した油のウエスによる拭き取りを終えていました。修繕工事では、配管を移設するための支持構造物を、防炎シートで養生された区画内で、グラインダを用いて切断する作業が行われ、この作業の際に近くの側溝から発火しました。
  • (※)ディーゼル発電機の燃料油を貯蔵している地下のタンクから、燃料油を移送するために設置されている燃料油移送ポンプが故障した際に使用するためのポンプ。
(2)作業環境
 修繕工事の防炎シートによる養生について確認したところ、側溝内に配管等があったことなどから、配管と側溝の底面の間に、防炎シートで養生しきれていない隙間があったことがわかりました。また、側溝内には、埃、ヘドロ等が蓄積していることを確認しました。
2.推定原因
 修繕工事の作業員が配管の支持構造物を取り外すためグラインダを使用した際、火花が側溝内の防炎シートの隙間から飛散しました。
 一方で、燃料油手動ポンプの取り外し作業により側溝内に滴下した油を、堆積した水分を含んだ埃、ヘドロがある状態で拭き取ったため、油が側溝内に薄く広がった状態となり、気化しやすくなった状態のところへグラインダの火花が飛び、油に引火したものと推定しました。
 修繕工事側においては床面の養生、定検工事側においては油の処理と側溝の埃やヘドロの清掃などの防火対策が不十分でした。
3.対 策
  • ・ディーゼル発電機室内での火気取扱い作業では、ブリキ板や難燃性シート等により床面に隙間のない養生をするよう徹底します。また、油取扱作業時にも油が確実に回収できる養生を実施します。
  • ・油を取り扱う可能性があるディーゼル発電機室内や燃料タンク内などの場所では、火気取扱い作業前に、側溝なども含めた作業場所の清掃を行います。また、油の拭き取り、片付け作業で用いたウエスについては、使用後速やかに、不燃性の密閉容器に入れることとします。

以 上

プレスリリース