プレスリリース

2010年9月27日
関西電力株式会社

マングローブの植林技術とエタノール化技術の開発について

 当社はこの度、グループ会社の(株)環境総合テクノス(以下、KANSO)、および京都大学と共同で、マングローブの一種であるニッパヤシの植林技術とエタノール化技術の開発を行うこととしました。

 タイでは、天然のマングローブ林を伐採して造ったエビの養殖池が放置されて荒廃地となり、CO吸収源の減少や地域の生態系の破壊等、大きな環境問題となっています。こうした中、当社は平成12年度からKANSO、およびタイ政府と共同で、CO固定能力が高いマングローブの大規模植林技術の研究を開始し、「マングローブ生長予測システム」等、植林技術にかかる成果を得ています。

平成12年8月10日平成19年2月26日お知らせ済)

  • ※世界で約70〜100種存在するとされるマングローブのうち、代表的な4種(シロバナヒルギ等)について、生長に大きな影響を与える13種類の要因を明らかにし、それをもとに生長を予測することで、植林に適した土地であるか否かを診断する技術。

 また、化石燃料の代替エネルギーとしてバイオエタノールが注目されていますが、その原料の多くはトウモロコシやサトウキビなどの植物で、食料との競合や森林伐採に繋がるなどの問題が指摘されています。

 そこで今回、マングローブの一種で、樹液に糖分が多く含まれるニッパヤシを、タイの荒廃地に植林する技術と、樹液をエタノール化する技術の開発を行うこととしました。
 これらの技術開発により、荒廃地がマングローブ林に変わることで、ニッパヤシが大気中のCOを吸収するだけでなく、地域の自然環境を修復することが可能であり、地域社会にも貢献できると考えております。また、樹液から製造したバイオエタノールはガソリンの代替燃料として使用でき、約20万haと推定されているエビの養殖池跡地の荒廃地に植林した場合、年間約50万のバイオエタノールを製造することが可能で、ガソリンの代替燃料として使用すると、年間約80万tのCOを削減できると試算しています。

 今年度から平成24年度まで、植林により得られたニッパヤシの生長データの分析やエタノール化の試験等を行い、それらの結果を踏まえ、平成25年度以降に、事業化の判断を行います。

 今後とも、当社グループは、地球環境保全と低炭素社会実現に向けた取組みを、着実に進めてまいります。

以 上

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