プレスリリース

2008年10月23日
関西電力株式会社

大飯発電所4号機の定期検査状況について(燃料集合体漏えい検査結果)

 大飯発電所4号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力118万キロワット、定格熱出力342万3千キロワット)は、定格熱出力一定運転中の8月19日、1次冷却材中のよう素(I-131)濃度の上昇(約0.6Bq/cm3から 約1.1Bq/cm3)が認められたことから、燃料集合体に漏えい※1が発生した疑いがあるものと判断しました。
 このため、1次冷却材中の放射能濃度の監視を強化した上で運転を継続していましたが、放射性廃棄物の放出抑制の観点から定期検査開始時期を約2日間前倒しして、9月9日から第12回定期検査を開始しました。


  ※1: 燃料ペレットを収納している燃料被覆管から漏えいがあると、燃料被覆管内のよう素が1次冷却材中に放出される。このため、1次冷却材中のよう素濃度の変化から、漏えいの有無を判断している。

平成20年8月19日9月9日 お知らせ済み]

[燃料集合体漏えい検査の結果]
  原子炉に装荷されていた燃料集合体全数(193体)について、漏えい燃料集合体を特定するためシッピング検査※2を行った結果、燃料集合体1体に放射性物質の漏えいが認められました。
  漏えいが認められた燃料集合体の設計燃焼度は55,000MWd/tで、取り出し時の燃焼度は37,562MWd/t(2サイクル使用)でした。
  漏えいが認められた燃料集合体1体について、水中カメラによる外観目視点検を実施したところ、異常は認められませんでした。
  漏えい燃料棒の特定のため、超音波による調査※3を実施した結果、燃料棒1本に漏えいが認められました。当該燃料棒1本について、ファイバースコープを用いて外面目視点検を実施したところ、傷等の異常は認められませんでした。
     
   
※2: 燃料集合体から漏れ出てくる気体および液体に含まれる核分裂生成物(キセノン-133、よう素-131等)の量を確認し、漏えい燃料集合体かどうか判断する。
※3: 漏えいが発生した燃料棒の内部に漏えい孔から浸入した水が存在すると、健全な燃料棒に比べて、燃料被覆管を伝播する際の超音波が減衰する。これを検出することで、漏えい燃料棒を特定する。


 これらの検査結果から、今回の漏えいは、燃料棒に偶発的に発生した微小孔(ピンホール)によるものと推定しました。
 当該燃料集合体1体は再使用しないこととし、知見拡充のため、当該燃料集合体を1年間程度、使用済燃料ピットで冷却および放射能を低減させた後、試験研究施設に搬出し、詳細な調査を実施する予定です。
 この事象による環境への放射能の影響はありませんでした。
 なお、今回の燃料集合体からの漏えいにより、定期検査開始時に実施している1次系の放射能低減操作に時間を要したことから、原子炉起動時期を11月下旬から12月上旬に変更します。

以  上

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