プレスリリース
2007
2007年12月10日
関西電力株式会社
美浜発電所1号機の定期的な希ガス放出時の警報発信の原因と対策について
美浜発電所1号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力34万キロワット、定格熱出力103万1千キロワット)は、湿分分離器ドレンタンク水面計取出しフランジ付近からの蒸気漏れの点検および補修のために原子炉を停止した後、定期的な放射性気体廃棄物(希ガス)の管理放出作業として、12月6日17時35分から、D−ガス減衰タンク※1に貯留している希ガスを補助建屋排気筒から放出する作業を実施していたところ、17時39分に「プロセスモニタ計数率注意警報」が発信しました。
直ちに関連パラメータを確認したところ、補助建屋排気筒ガスモニタの指示値が上昇(通常値約850cpmが約4,200cpmに上昇、警報設定値は2,000cpm)していることが確認されたため、放出作業を停止した結果、モニタの指示値は低下し、17時49分に通常値に戻りました。その後、補助建屋排気筒ガスモニタの指示値は、通常値で安定しています。
補助建屋排気筒ガスモニタの指示値から、希ガスの放出放射能量は約8.3×108Bqと評価され、保安規定に基づく放出管理目標値(2.1×1015Bq/年)に比べ約250万分の1以下と十分低く、周辺環境等への影響はありません。
なお、本事象による発電所周辺モニタリングポスト等の指示値に有意な変化は認められておりません。
直ちに関連パラメータを確認したところ、補助建屋排気筒ガスモニタの指示値が上昇(通常値約850cpmが約4,200cpmに上昇、警報設定値は2,000cpm)していることが確認されたため、放出作業を停止した結果、モニタの指示値は低下し、17時49分に通常値に戻りました。その後、補助建屋排気筒ガスモニタの指示値は、通常値で安定しています。
補助建屋排気筒ガスモニタの指示値から、希ガスの放出放射能量は約8.3×108Bqと評価され、保安規定に基づく放出管理目標値(2.1×1015Bq/年)に比べ約250万分の1以下と十分低く、周辺環境等への影響はありません。
なお、本事象による発電所周辺モニタリングポスト等の指示値に有意な変化は認められておりません。
※1: | 原子力発電所の運転に伴い発生する放射性気体廃棄物(希ガス)の放射能を減衰させるために、一時的に希ガスを貯留するタンク(全4台)。放射能が減衰したことを確認し、定期的に希ガスの管理放出を行う。 |
[平成19年12月6日 お知らせ済み]
1.点検結果 (1)放射能濃度の評価結果 |
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○ | D−ガス減衰タンクに貯留している希ガスは、98日間減衰(通常:30日以上減衰)されており、減衰期間には特に問題はありませんでした。また、希ガス放出前のD−ガス減衰タンクの放射能濃度分析も手順どおり実施し、十分に放射能濃度が落ちていることを確認(測定結果:8.58×101Bq/cm3)しており、事象発生後に再度分析した結果、前日の分析結果とほぼ同値であり(7.34×101Bq/cm3)、問題はありませんでした。 | |||
(2)放出手順・弁の操作方法の確認結果 | ||||
○ | 希ガスの放出は手順書に基づき実施しており、放出手順や弁の操作方法に問題はありませんでした。 | |||
(3)ガス減衰タンク放出系統設備の点検結果 | ||||
○ | D−ガス減衰タンクの希ガス放出操作時において、シート漏れが起こった場合に希ガスが補助建屋排気筒に放出される可能性のある弁3台を点検した結果、1台の弁(「ガス減衰タンク分析ライン止め弁」※2)については、圧力をかけると漏えいが起こることが確認され、当該弁の分解点検の結果、弁のシート面に2箇所の漏えい痕が確認されました。また、漏えい痕の1箇所には、金属光沢のある異物が認められました。なお、他の弁2台については、異常は認められませんでした。 | |||
○ | 異物の成分分析を実施した結果、ステンレス鋼(SUS316同等の成分)であることを確認しました。当該弁の上流側の配管継手を観察した結果、ナットのネジ部に配管継手のボルトナットの摩耗粉(SUS316)と思われるもの(長さ約1mm、厚さ約0.2mm)が認められました。 | |||
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2.推定原因 | ||||
○ | これらの点検結果から、ガス減衰タンク分析ライン止め弁の上流側の配管継手のボルトナットの摩耗粉が当該弁のシート部に付着してシート漏れが発生し、比較的高濃度の体積制御タンクの希ガスが、ガス減衰タンク放出系統に充満しました。その状態でガスの放出操作を行ったため、まず、充満していた体積制御タンクの希ガスが補助建屋排気筒から放出されたものと推定されました。 | |||
○ | さらにこの放出に伴って、ガス減衰タンク放出系統の配管内の圧力が低下することにより、体積制御タンクの希ガスが、D−ガス減衰タンクから放出されたガスとともに補助建屋排気筒から放出されたため、補助建屋排気筒のモニタの指示値が上昇し、計数率注意の警報が発信したものと推定されました。 | |||
3.対 策 | ||||
○ | シート部の漏えいが確認されたガス減衰タンク分析ライン止め弁を取替えます。 | |||
○ | 今後は、当該ライン止め弁の上流側に設置している手動弁を常時閉じておくこととで、ガス減衰タンク分析系統とガス減衰タンク放出系統とを、2台の弁で2重に隔離することとし、これを所則に反映することとします。 |
美浜発電所1号機は、今後、ガス減衰タンク分析ライン止め弁を取替えた後、今週中にも原子炉を起動し、発電を再開する予定です。
以 上