プレスリリース

2007年9月20日
関西電力株式会社

柏崎刈羽原子力発電所で観測されたデータを基に行う当社原子力発電所における概略影響検討結果の報告について

(別 紙)

柏崎刈羽原子力発電所で観測されたデータを基に行う美浜発電所、高浜発電所及び大飯発電所における概略影響検討結果報告書(概要)

【検討内容】
 平成19年新潟県中越沖地震において、柏崎刈羽原子力発電所で観測された「原子炉建屋基礎版上の床応答スペクトル※1」と、当社原子力発電所における耐震安全性の確認のために、設計または安全性確認に用いた地震動※2(以下、「検討用地震動」という。)による「原子炉建屋基礎版上の床応答スペクトル」を比較することにより、柏崎刈羽原子力発電所原子炉建屋で観測された地震動が、当社原子力発電所主要施設の機能維持へどのような影響を与えるかを検討しました。


対象号機
  1 美浜発電所1,2,3号機
  2 高浜発電所1,2,3号機*
  3 大飯発電所1,3号機*
 
高浜発電所3,4号機、大飯発電所1,2号機、大飯発電所3,4号機については建屋、機器の設計が同様であることから、それぞれ高浜発電所3号機、大飯発電所1号機、大飯発電所3号機を代表として検討を行う。

対象施設
  原子炉を「止める」、「冷やす」、放射性物質を「閉じ込める」に係る安全上重要な機能を有する以下の主要な施設を対象としました。
原子炉容器、蒸気発生器、炉内構造物、一次冷却材管、余熱除去ポンプ、
余熱除去配管、原子炉格納容器、原子炉建屋、制御棒(挿入性)

検討方法
  以下のステップにて検討を行いました
a.ステップ1
柏崎刈羽原子力発電所の床応答スペクトル(Ks)、当社原子力発電所の床応答スペクトル(Hs)を比較し、対象施設の固有周期※3においてKs≦Hsであるか、すなわち、「対象施設の固有周期におけるKsとHsの比率(Ks/Hs:α)」が1以下であるかを検討する。
αが1を超える施設については、保守的と考えられる簡易評価手法として、αと「対象施設の検討用地震動における応答値と許容値の比率(許容値※4/応答値※5:β)」を比較し、α≦βであるか検討する。
なお、制御棒挿入性については、制御棒挿入経路に、制御棒駆動装置、ガイドチューブ、燃料集合体が存在するため、それぞれの固有周期におけるαのうち最大値を求める。
b.ステップ2
ステップ1において、αがβを上回る施設について、個別に検討を実施する。


【検討結果】
 今回検討を行った対象施設については、すべてが「対象施設の固有周期におけるKsとHsの比率(Ks/Hs:α)」が1以下であるか、あるいは、αが1を超える施設であっても、αと「対象施設の検討用地震動における応答値と許容値の比率(許容値/応答値:β)」を比較した結果がα≦βでした。
 その結果から、平成19年新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原子力発電所原子炉建屋における観測地震動によっても、美浜発電所、高浜発電所、大飯発電所の各号機の安全上重要な機能を有する主要な施設の安全機能は維持されるものと考えられます。


※1   周期ごとの揺れの大きさ(加速度)を示した線図(横軸は周期、縦軸は加速度を表す)
※2   旧耐震設計審査指針に基づき策定された基準地震動S2
※3   各施設が揺れやすい周期
※4   原子力発電所耐震設計技術指針(JEAG4601)などの規格基準に基づく判断基準値
(施設に発生する力などに対して、施設の安全機能などが確保されると判断できる値)
※5   地震が発生したときに対象施設に発生する力などの値

以  上

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