プレスリリース
2007
2007年6月14日
関西電力株式会社
美浜発電所1号機の定期検査状況について(原子炉格納容器内壁面の水のにじみに関する原因と対策)
美浜発電所1号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力34万キロワット、定格熱出力103万1千キロワット)は、第22回定期検査中の平成19年3月22日6時30
分頃に、運転員が巡回点検において、原子炉格納容器内のBループ室で床面に小さな水溜り(約5cm×約5cm)と原子炉キャビティ※1側の壁面が濡れていることを確認しました。このため、キャビティの水抜きを行った結果、壁面からの水のにじみはなくなりました。
また、キャビティ周辺の壁面および天井面を目視点検した結果、当該箇所以外の4箇所でにじみ跡(ほう酸の析出)が確認されました。
その後、キャビティとそれにつながるキャナル※2の内面を覆っているステンレス板の溶接部などについて、貫通傷がないかを確認するための真空発泡試験※3による点検中に4箇所で僅かな発泡を確認しました。
なお、にじみ出た水は全て回収しており、環境への放射能の影響はありません。
これらの作業には1ヶ月から2ヶ月程度を要する見込みであり、その後、原子炉起動準備が整い次第、原子炉を起動して調整運転を開始する予定です。
また、キャビティ周辺の壁面および天井面を目視点検した結果、当該箇所以外の4箇所でにじみ跡(ほう酸の析出)が確認されました。
その後、キャビティとそれにつながるキャナル※2の内面を覆っているステンレス板の溶接部などについて、貫通傷がないかを確認するための真空発泡試験※3による点検中に4箇所で僅かな発泡を確認しました。
なお、にじみ出た水は全て回収しており、環境への放射能の影響はありません。
1.点検および調査結果 | ||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
2.コンクリート点検結果 | ||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
3.推定原因 | ||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
4.対 策 | ||||||||||||||||
|
これらの作業には1ヶ月から2ヶ月程度を要する見込みであり、その後、原子炉起動準備が整い次第、原子炉を起動して調整運転を開始する予定です。
以 上
※1: | 原子炉キャビティ 原子炉容器の上部に設置しているプールであり、燃料取替え時に、ほう酸水を満たすこと により、燃料から放出される放射線を遮へいする。 |
※2: | キャナル キャビティと使用済燃料ピットをつなぐ水路で、燃料移送装置が取り付けられている箇所。 |
※3: | 真空発泡試験 検査対象部位に発泡液を塗布し、アクリル透明箱で覆って内部を真空状態にして、発泡液 塗布部の泡の発生状態から漏えい箇所を特定する試験。 |
※4: | 塩素型応力腐食割れ 塩化物が付着し、環境条件(温度、水分等)が満たされた場合に発生する応力腐食割れの 一種。応力腐食割れは、腐食環境下におかれた金属材料に引張応力が作用した結果、割れ が発生する事象。材料、環境、応力の3つの要因が重複した場合に発生する。 |
※5: | 延性割れ 延性のある金属が伸びきって引きちぎられるように破壊すること。 |
※6: | オーニング工事 キャビティには原子炉容器上部ふた取付け、取外し時に作業員が立ち入ることから、被ばく低減のために立ち入り前に清掃を実施しているが、清掃作業時間を短くし、清掃時の被ばく量を低減させるため、コーナー部を除く床全面と高さ1mまでの壁面に、研磨加工を施した耐食性に優れたステンレス板(厚さ約3mm)を設置した。 |
※7: | 中性化 コンクリートは通常強アルカリ性であるが、空気中の二酸化炭素(炭酸ガス)と反応し、徐々にアルカリ性を失っていく。コンクリートが中性化すると鉄筋の防食性が低下する。 |
<添付資料>