プレスリリース

2006年11月16日
関西電力株式会社

原子力発電所の運営状況について

当社の原子力発電所における運営状況について、以下のとおりお知らせします。

1.運転状況について(平成18年11月15日現在)
発電所 電気
出力
(kW)
運転状況 備  考
美 浜
発電所
1号機 34.0万 第22回 定期検査中
H18年11月1日〜H19年2月上旬までの予定
 
2号機 50.0万 運転中  
3号機 82.6万 事故停止中[第21回定期検査中]
H16年8月9日 2次系配管破損事故により停止
(引き続き、H16.8.14〜 第21回定期検査)
H17年1月5日〜 定期検査作業中
高 浜
発電所
1号機 82.6万 運転中  
2号機 82.6万 運転中  
3号機 87.0万 第17回 定期検査中
H18年11月17日に調整運転開始予定。
(H18年8月18日「B−蒸気発生器水位異常低」警報発信により原子炉が自動停止し、引き続き、H18年8月19日〜第17回定期検査(H18年12月中旬までの予定))
【お知らせ済み】
「非常用予備発電装置機能検査中の不具合について」
詳細は3(1)のとおり
4号機 87.0万 運転中
大 飯
発電所
1号機 117.5万 運転中
2号機 117.5万 運転中  
3号機 118.0万 第12回 定期検査中
H18年9月27日〜H19年1月上旬までの予定
【新 規】
「1次冷却材ポンプモータ配管点検作業における協力会社社員の計画線量の超過について」
詳細は3(1)のとおり
4号機 118.0万 運転中  


2.保全品質情報について

実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則および電気関係報告規則に基づく報告事象や安全協定の異常時報告事象に該当する事象を含め、保安活動向上の観点から、産官学において情報共有することが有益である事象



(1)法令に基づく報告事象や安全協定の異常時報告対象のうち重要な事象

   なし



(2)(1)に至らない軽微な事象

   なし



3.その他情報
(1)不具合情報
発電所名  高浜発電所3号機 発 生 日 第17回定期検査中
(11月2日)
件  名 非常用予備発電装置機能検査中の不具合について (添付図−1参照)
事象概要
および
対 策 等
 定期検査中の11月2日、国が立会う非常用予備発電装置機能検査において、非常用ディーゼル発電機を模擬信号にて起動させ、非常用設備※1が自動起動することを確認していたところ、「A−安全補機開閉器室空調ファン※2」(以下A−空調ファンという)及びA−空調ファンの起動を受け作動する「A−安全補機開閉器室循環ファン※3」(以下A−循環ファン)が自動起動しなかったため、当該検査を中断し、点検を行いました。

 点検の結果、A−空調ファンの起動には、空調系統に設置されているダンパ※4が閉止している必要がありますが、ダンパと駆動部との調整不足のため、閉止位置にズレが生じていました。このことから、ダンパは閉止していたものの駆動部に接続されている閉止検出装置で閉止が検知されず、A−空調ファンが自動起動しなかったものと推定されました。
 その後、当該ダンパと駆動部との位置調整を行い、11月8日に再度、非常用予備発電装置機能検査を実施し、問題がないことを確認しました。

 今後は、これまで実施していたダンパと駆動部の全開位置調整に加え、全閉位置調整を行なうこととします。

 なお、本事象により定期検査工程を見直した結果、原子炉起動日が当初予定より4日間遅れることになりました。


  ※1    高圧注入ポンプなど事故発生時にプラントを安全に停止させるための機器。これらの機器の運転を補助する安全補機開閉器室空調ファンや安全補機開閉器室循環ファンも含まれる。
  ※2    非常用設備の電源スイッチ(開閉器)などを設置している部屋の換気、冷暖房を行うためのファン。
  ※3    安全補機開閉器室空調ファンの補助用ファン。
  ※4    空調用ダクト内の空気の流れを止めるための機器。

[平成18年11月13日 お知らせ済]




発電所名  大飯発電所3号機 発 生 日 第12回定期検査中
(11月1日)
件  名 1次冷却材ポンプモータ配管点検作業における
協力会社作業員の計画線量の超過について (添付図−2参照)
事象概要
および
対 策 等
 定期検査中の11月1日、原子炉格納容器内Cループ室において、協力会社作業員3名が、1次冷却材ポンプモータ冷却水配管の非破壊検査の準備作業である配管フランジ部表面塗装の除去中に、警報付デジタル線量計(以下ADDという)を確認したところ、1名が事前に社内で計画した当日の計画線量(0.80mSv/日)を超える1.19mSv[午前:0.22mSv、午後:0.97mSv]の放射線を受けていました。
 なお、法令で定める線量限度(年間50mSv)は超過していません。

 今回のような放射線管理区域内の作業では、事前に計測した作業場所の線量率を目安に、作業者毎に従事する時間を決定するとともに、適宜、作業員や作業における放射線管理を行う協力会社の放射線管理専任者(以下「放管専任者」という)が放射線を受けた線量を確認しながら作業を行い、1日の線量が計画線量を上回らないように管理することにしています。
 また、作業員が身につけているADDは、計画線量よりも低い線量で警報音が鳴るように設定します。

 作業状況を調査した結果は以下のとおりです。
 ・ 当該作業員が午後に作業を行った場所の線量率は、事前に0.50mSv/hと計測されていました。
 ・ 午前中に別の作業員が同じ場所で作業を行っており、その際には作業場所の線量率等から作業開始後約1時間経過した時点で、放管専任者は作業員の線量を確認していました。その結果、計画線量に対して余裕があったことから作業を継続し、約2時間の作業で受けた線量は0.37mSvでした。
 ・ 午前中の作業実績より、放管専任者および当該作業員は、当該作業員が午後から約2時間作業しても、計画線量内に収まるものと考えていました。
このため、放管専任者が作業員の線量を確認したのは、作業開始後2時間を超えていました。
 ・ 当該作業員および他の作業員は、何らかの原因によりADDの警報音が聞こえませんでした。

 以上のことから、原因は、当日の午後に2時間程度の作業をしても計画線量内に収まると考えていたため、当該作業員および放管専任者は、作業中に適宜、ADDの指示値を確認しなかったことに加え、当該作業員がADDの警報音により計画線量に迫っていることを確認できなかったことと考えられます。
 なお、当該ADDを点検した結果、警報音発信機能などに問題はなかったことから、ADDの警報音が聞こえなかった原因については、ADDのスピーカー部が作業員の体に押し付けられていた可能性やADDの一時的な故障の可能性も考えられます。

 これを受けて、対策を以下のとおり実施します。
 ・ 各個人が常に放射線管理に注意を払うとともに、作業場所毎に計測された線量率により時間管理を行うよう、各協力会社に周知・徹底しました。
 ・ 今後、より現場に則した具体的な管理方策等について、協力会社と共に検討を行います。
 ・ ADDの警報音を確実に認知させるため、警報音発信時間を長くするなどの検討を行います。

  ※ 線量率(mSv/h)とは、1時間に放射線を受ける度合いを表す単位。



(2)その他情報(工学的安全施設の予防保全作業)

   なし


  保全品質情報については、下記の公開サイトにおいても、準備が整い次第掲載していきます。
  当社ホームページ(/knic/meeting/index.html)“原子力情報センター(保全品質情報)”
  日本原子力技術協会ホームページ(http://www.nucia.jp)“原子力施設情報公開ライブラリー「ニューシア」”

以 上

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