プレスリリース

2006年6月30日
関西電力株式会社

美浜発電所2号機 5A高圧給水加熱器ドレンライン逆止弁フランジ部からのわずかな蒸気漏れの原因と対策について

 美浜発電所2号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力50万キロワット、定格熱出力  145万6千キロワット)は、定格熱出力一定運転中のところ、6月24日1時30分頃、当社運転員の巡回点検において、タービン建屋2階にある5A高圧給水加熱器ドレンライン逆止弁上部の保温材付近からわずかな蒸気漏れを発見しました。
 その後、保温材を取り外し、当該弁の2箇所のフランジ部からわずかに蒸気が漏えいしていることを確認しました。蒸気の漏れ量はわずかであり、運転パラメータならびに漏えいの状況に変化は認められませんでした。
 6月24日11時から出力降下を開始し、12時17分に電気出力を約75%(約37万5千キロワット)として当該加熱器ドレンラインを隔離し漏えいを停止した上で、冷却後、当該弁の点検や補修を行います。
 なお、本事象における周辺環境への影響はありません。

[平成18年6月24日 お知らせ済み]

1.調査結果
   当該逆止弁に1箇所ある分解点検用の蓋(ボンネットフランジ)と2箇所ある逆止弁軸支持部の蓋(スピンドルフランジ)のうちの1箇所に漏えいが見られたため、点検調査を実施しました。なお、両フランジは、弁箱側フランジと蓋側フランジの間にシートパッキンを入れ、ボルトで締め付けることにより、漏れを防止する構造となっています。

当該フランジ部では、石綿にゴムを配合したシート状(厚さ1mm)のパッキンを円盤形状にくり抜いたものを使用している。

(1)  両フランジの分解結果
弁箱側フランジ部および蓋側フランジ部の形状寸法を確認した結果、シートパッキンの締付けに影響するような変形等はありませんでした。
締付けボルトに曲がり等の異常は認められず、ボルト締付け力も必要な締付け力であることを確認しました。
シートパッキンの取付け状況を確認した結果、取付け状態に問題はありませんでした。
 
(2)  ボンネットフランジ面の観察結果
 ボンネットフランジ面の2箇所で漏れ跡が確認され、その周囲のパッキンの変色と、フランジシート面の内周側に面荒れが認められました。
 
(3)  スピンドルフランジ面の観察結果
 スピンドルフランジ面の1箇所で漏れ跡が確認され、フランジシート面の当該位置に軽微な減肉や面荒れが認められました。
 
(4)  保守履歴の確認結果
 当該弁は約10年の頻度で点検を行っており、前回の点検(平成10年、第17回定期検査)において、フランジシート面に異常はなく、当該系統条件(約180℃、約2.2MPa)を満足する仕様のシートパッキン(使用条件:260℃以下、2.94MPa以下)を使用し、適正なボルト締付け力で組み立てられていることが確認されました。

2.原 因
   当該弁のシートパッキンは、メーカが示す使用条件以下の環境であったものの、比較的高温・高圧の環境下で使用されていたことや、前回分解点検以降にフランジシート面の面荒れが進行したことなどから、高温・高圧のドレン水が徐々にシートパッキンに浸透し、蒸気の漏えいに至ったものと推定されます。

3.対 策
  当該弁のフランジシート面の補修を行い、シートパッキンを新品に取り替えます。
  また、次回定期検査時に、当該弁のシートパッキンをより高温・高圧の環境下での 使用が可能な仕様のものに取り替えます。
  今後、比較的高温・高圧条件下にある弁フランジ部について、パッキン仕様や点検頻度等について検討し、フランジ部の保守管理の充実を図ります。
     
   なお、当該弁のシートパッキンを新品に取り替えた後、系統の隔離復旧を実施し、 7月3日から出力を上昇させ、7月4日に定格熱出力一定運転に復帰させる予定です。

以  上

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