プレスリリース

2004年12月17日

原子力発電所の運営状況について

当社の原子力発電所における運営状況について、以下のとおりお知らせします。

1. 運転状況について(平成16年12月16日現在)
発電所 電気出力(kW) 運転状況 備  考
美 浜
発電所
1号機 34.0万 運転中(H16.12.4 運転再開)
2号機 50.0万 運転中(H16.11.29 運転再開)  
3号機 82.6万 事故停止中[第21回定期検査]2次系配管破損事故(H16.8.9発生)により停止中(引き続き、H16.8.14~第21回定期検査)。 事故発生以降の状況等は都度お知らせ済み。
高 浜
発電所
1号機 82.6万 運転中  
2号機 82.6万 運転中
(H16.12.18~第22回定期検査開始)
 
3号機 87.0万 運転中 「起動変圧器6.6kV側地絡について」 詳細は2-(2)のとおり。
4号機 87.0万 運転中(H16.11.25 本格運転再開)  
大 飯
発電所
1号機 117.5万 運転中
 
2号機 117.5万 運転中 12月5日から、復水器細管(伝熱管)漏えいの疑いに伴う監視強化中です。(12月6日お知らせ済み)今後、復水ポンプ出口酸導電率等の指示値に有意な変化が認められた場合、予防保全として出力を低下させ、復水器細管の点検、補修を実施します。
3号機 118.0万 第10回 定期検査中(H16.4.20~ )原子炉容器上部ふた制御棒駆動装置取付管台の補修作業を完了し、原子炉容器組立中。本格運転再開時期は当初予定の6月下旬から遅れています。 
4号機 118.0万 運転中(H16.12.2本格運転再開)  「ディーゼル発電機付属冷却器他の開放清掃について」 詳細は2-(2)のとおり。

2.保全品質情報について(平成16年11月分)

実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則および電気関係報告規則に基づく報告事象や安全協定の異常時報告事象に該当する事象を含め、保安活動向上の観点から、産官学において情報共有することが有益である事象


(1)法令に基づく報告事象や安全協定の異常時報告対象のうち重要な事象

   なし


(2) (1)に至らない軽微な事象
発電所名  高浜発電所3号機 発 生 日 平成16年11月19日
件  名  起動変圧器6.6kV側地絡について (添付図-1) 
事象概要
および
対 策 等

  運転中、平成16年11月19日21時51分に「起変6.6kV側地絡」等の警報*1が発信し、同日21時54分に「3起変内部故障過負荷」警報*2が発信しました。
  これにより、起動変圧器用しゃ断器(ST30)が自動開放し、非常用高圧母線*3(A,B系統)の電源が起動変圧器から所内変圧器に自動的に切り替わりました。この事象による環境への影響はありません。

1.警報発信時のプラント状況
  A系非常用高圧母線の地絡・短絡に伴う電圧低下により、A-非常用ディーゼル発電機の自動起動や蒸気発生器ブローダウン隔離弁の閉止等が起きました。なお、蒸気発生器ブローダウン隔離弁の閉止等に伴い熱効率が上昇したため、電気出力がわずかに上昇(約90万kW→91万kW)したが、当該弁の開放等の復旧操作を行い、警報発信前の状態(約90万kW)に復帰しました。
 また、起動変圧器用しゃ断機(ST30)の自動開放に伴い、4号機の非常用高圧母線(A,B系統)の電源についても、起動変圧器から所内変圧器に自動的に切り替わりましたが、電圧低下や、電気出力の変動等はありませんでした。その後、設備の健全性を確認し、11月22日に起動変圧器からの受電に切り替えました。

2.原因調査
  警報発信状況を確認したところ、A系非常用高圧母線系統の地絡・短絡を検知して警報が発信していることがわかりました。
  現場を点検した結果、起動変圧器とA系非常用高圧母線を結ぶ電源ラインの途中にあるラダーケーブル接続箱の変形および変色等が確認されました。さらに、この接続箱の中を確認したところ、起動変圧器からの導体とA系非常用高圧母線からのラダーケーブルを接続している部分で、がい子の破損や放電痕が確認されました。また、接続箱フランジ継手の雨仕舞(カバー)部には、腐食に伴う貫通孔が確認され、接続箱内面底部に水が認められました。
  これらのことから、接続箱フランジ継手部の腐食により発生した貫通孔から侵入した雨水等により、がい子の表面が汚れたため絶縁が低下し、地絡・短絡が発生して警報が発報したものと推定しました。

3.対策
  地絡・短絡の影響が見られた部品等の取り替えを行います。また、ラダーケーブル接続箱フランジ継手部については、これまで雨仕舞を取り外して点検していなかったため、今後、雨仕舞を取り外した上で点検を行うよう点検要領書に記載しました。

*1 起動変圧器6.6kV側の1相の大地とのショート(地絡)を検知して発信する警報
*2 起動変圧器6.6kV側の相間でのショート(短絡)や2相以上の地絡を検知して発信する警報
*3 起動変圧器、所内変圧器、予備変圧器または、非常用ディーゼル発電機から電気を受け、安全系機器等に電気を供給するための母線


3.その他
発電所名  大飯発電所4号機 発 生 日 平成16年11月
件  名  ディーゼル発電機付属冷却器他の開放清掃について (添付図-2) 
事象概要
および
対 策 等

 運転中、台風23号の影響で、取水口に葦など、大量の浮遊ごみが流れ込み、10月25日以降、原子炉補機冷却海水系統の海水通水流量が低下している傾向が見られたこと、および海水供給母管圧力も通常値(約0.45Mpa)よりも若干高い値(約0.48Mpa)で推移していたことから、浮遊ごみが、ディーゼル発電機付属冷却器の管板面(冷却器の伝熱管を束ね支持している板面)に詰まり気味になっていることが考えられたため、運転に万全を期すための予防保全の一環として、ディーゼル発電機を待機除外とし、各冷却器の開放を行い、海水側水室・管板部の清掃を行いました。
  また、これにあわせ原子炉補機冷却水冷却器および空調用冷凍機についても、冷却器の開放を行い海水側水室・管板部の清掃を行いました。

 各冷却器を開放して点検したところ、葦などの浮遊ごみが冷却器の伝熱管に部分的に詰まっている箇所がありました。当該箇所については、ごみを取り除いて、復旧しました。  (A系統:平成16年11月22日~25日、B系統:平成16年11月16日~18日)

 なお、本作業に伴う出力変動は生じておりません。

 <各冷却器から回収した葦などの量>
   A系統 ディーゼル発電機付属冷却器 約0.7キログラム
   原子炉補機冷却水冷却器    約1.2キログラム
空調用冷凍機           約0.1キログラム
   B系統 ディーゼル発電機付属冷却器 約0.8キログラム
   原子炉補機冷却水冷却器    約0.3キログラム

以 上

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