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2004年7月27日

大飯発電所1号機の定期検査状況について
(2次系主給水配管曲がり部の減肉の原因と対策〔その後の調査結果〕)

 大飯発電所1号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力117万5千キロワット、定格熱出力342万3千キロワット)は、平成16年6月4日から第19回定期検査を実施中ですが、計画的に実施している2次系配管の自主点検*1として、7月1日から5日にかけて、主給水隔離弁*2から蒸気発生器までの、主給水配管の超音波による厚さ測定を行ったところ、4系統ある配管のうち、3系統(A,B,C)の主給水隔離弁下流の配管曲がり部で、部分的な減肉により当該部位について法律に基づき国に報告する対象となる厚さ(15.7mm)を下回っている(実測最小値…A:14.5mm、B:12.1mm、C:13.9mm)ことが確認されました。    

*1: 2次系配管の自主点検
国内外の原子力発電所で発生した2次系配管のエロージョン・コロージョン(壊食・腐食)による減肉事象に鑑み、平成2年から、自主点検として計画的に2次系配管の厚さ測定を行い、健全性の確認を行っている点検。
*2: 主給水隔離弁
事故時に蒸気発生器への給水を早期に隔離する弁。       

平成16年7月5日 お知らせ済


 当該配管曲がり部減肉の原因は、当該配管曲がり部の上流に位置する主給水隔離弁注を水が通過する際に、水流に乱れが生じ、当該配管曲がり部を通過する際に、配管曲がり部において乱れが重畳することにより、エロージョンが発生し、徐々に減肉が進展したものと推定されました。
 また、今回の事象に至ったのは、協力会社を変更した際にデータ引き継ぎがなされなかったことや、過去の肉厚測定結果のデータが点検指針に反映されていなかったことが背景にあることがわかりました。

 対策として、当該配管曲がり部(3箇所)は、同寸法・同材料の配管に取り替え、当該系統(A~D)を含め、主給水隔離弁と同型式の弁を有する系統について、弁の下流側曲がり部等の減肉傾向の監視を強化し、点検指針に反映することとしました。  なお、従来自主点検として実施していた主給水隔離弁から主蒸気隔離弁までの配管(当該配管曲がり部を含む)の肉厚測定については、今定期検査から、定期事業者検査*3として実施することとしました。
 また、これまでに蓄積されたデータ等を再度整理し、調査・分析した上で、点検指針の見直しを検討するとともに、協力会社を変更した際などには、記録データを確実に引き継ぐことを当社の社内規則に定め、定期的に監査を実施することしました。

*3: 定期事業者検査
電気事業法第55条に基づく検査で、記録の作成・保存が必要となり、国の安全管理審査の対象となる。

平成16年7月16日 お知らせ済

注:: 玉型弁を採用しており、同型式の主給水隔離弁を採用しているプラントは、大飯1,2号機のみである。 玉型弁の下流側の水流の乱れは、他プラントで採用している仕切弁に比べて大きい。  

 その後、過去の点検結果が点検指針に反映されなかった経緯などについて、保守管理などの観点から、より詳細に調査を行いました。

1.調査結果
(1)点検指針の考え方  
 当該配管曲がり部の点検頻度については、平成2年6月に、PWR電力事業者で策定した点検指針(基本的事項は平成元年に決定)に基づいて実施していました。点検指針では、体系的な減肉調査で採取したデータを基に、減肉傾向を監視し減肉状況に応じて点検計画を策定する「主要点検系統」と、「その他系統」(10年で対象箇所の25%を点検)に分類しました。
 
(2)当該配管における過去の点検結果データの取り扱い  
 過去の点検結果および当時の対応等について、保守管理の観点から整理すると以下のとおりです。
  • 平成元年に、2次系の検査を担当する協力会社(プラントメーカ)が、当該部(A,B,C,D系統)の点検を行っている。点検の結果、若干の減肉が認められたが、当時、計算上の必要厚さに対して十分余裕があったことから、軽微な減肉であり継続的な監視は不要と判断した。また、点検指針策定にあたり、減肉が認められた場合、発電所から上位機関へ報告する仕組みを作っていたが、報告する基準を定めていなかったことから、減肉データが上位機関へ報告されず、点検指針への反映が行われなかったものと推定された。
  • 平成5年には、蒸気発生器取替工事の一環として、1次系の検査を担当する協力会社(プラントメーカ)が当該部(B,D系統)の点検を行っている。点検の結果、減肉の進展が認められたが、計算上の必要厚さに対して十分余裕があったことから、具体的な点検計画などの検討が行われなかったものと推定された。
  • 平成8年には、減肉調査の管理を行っていた2次系の検査を担当する協力会社を変更した。その際当社は、変更前の協力会社(プラントメーカ)から過去に採取した点検データの提供を受け、変更後の協力会社にその協力会社が構築したデータ管理システムにデータを入力するよう指示を行った。この際、当社が1次系の検査を担当する協力会社に、2次系配管の調査データの引渡しを依頼しなかったため、平成5年のB,D系統の当該曲がり部の減肉点検結果を含むデータが入力されず、当該データが引き継がれないこととなった。
  • 平成15年までのデータ管理システム*4は、余寿命*5が簡単に検索できるシステムではなかったため、平成元年のデータから評価される余寿命が認識されなかった。
*4: 平成15年度にシステムの改良を行っている。
*5: 余寿命 計算上の必要厚さを割り込むまでの期間。


2.対策   
詳細調査結果を踏まえ、更に保守管理面について下記対策を実施します。
(1)点検指針の「その他系統」に分類された2次系配管で著しい減肉が認められた場合は、点検指針の見直しについて検討することを点検指針に明記します。
(2)1次系の検査を担当する協力会社が行った2次系配管の過去の調査データを、現在運用しているデータ管理システムに入力します。   
 
 
 今回、保守管理上の問題点が明らかになったことを踏まえ、保守管理にかかるシステム全般について点検を行い、必要な対策を講じることとします。
以 上
(経済産業省によるINESの暫定評価)
基準1 基準2 基準3 評価レベル
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INES:国際原子力事象評価尺度