プレスリリース

2011年5月16日
関西電力株式会社

原子力発電所の外部電源の信頼性確保に係る報告書の提出について

添付資料

原子力発電所の外部電源の信頼性確保に係る対策の検討結果(概要)

1電力系統の供給信頼性についての分析及び評価と対策
○原子力発電所外部電源系統構築の考え方
   原子力発電所の外部電源系統については、発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針を踏まえて構築している。
  • ※外部電源系は、2回線以上の送電線により電力系統に接続された設計であること。
○分析及び評価
(想定事象)
現在の原子力発電所の外部電源系統は、上記指針等が満たされているが、4月7日の宮城県沖地震による原子力発電所の外部電源喪失事象を踏まえ、以下の3ケースについて評価を実施した。
  • (1)超過酷ケース・・・1変電所又は開閉所の全停電
  • (2)過酷ケース ・・・1変電所の1電圧階級の母線全停電
  • (3)その他   ・・・送電線の1ルート断事故
(評価結果)
   当社の原子力発電所(美浜発電所、高浜発電所および大飯発電所)について上記の評価を実施した結果、想定事象のいずれのケースにおいても外部電源を確保することが可能であることが確認された。
2複数の電源線に施設されている全ての送電回線の各号機への接続
  • ○美浜発電所、高浜発電所、大飯発電所1〜2号機については、全ての送電回線が各号機に接続されているが、大飯発電所3〜4号機については、77kV線路1回線に接続されていないため、今後、3年程度かけて接続工事を実施する。
3電源線の送電鉄塔の耐震性、基礎の安定性等に関する評価と補強対策
   これまでの評価に加えて、東北地方太平洋沖地震以降の一連の地震における被害実態を踏まえ、送電鉄塔の耐震性、基礎の安定性等の評価を行った。
○送電鉄塔の耐震性評価
(鉄塔の耐震性)
   兵庫県南部地震や新潟県中越地震に加え、今回の地震においても、地震動による鉄塔倒壊事例がないことから、鉄塔は十分な耐震性を有していると評価できる。
(長幹支持がいしの耐震性) 【別紙】
   兵庫県南部地震では、39基の長幹支持がいしが被害を受け、今回の地震においても折損が多数発生している。
   これまで275kVおよび154kVの送電線の長幹支持がいしの免震対策を実施しているが、今後は、77kVの長幹支持がいしについても免震対策を実施する。
○基礎の安定性評価
   送電線ルート選定時に、地すべり防止区域等の法規制地域や、地すべり等により鉄塔への影響が予想される地域を避けて鉄塔位置を選定しており、兵庫県南部地震、新潟県中越地震、今回の地震において、基礎の安定性に起因し倒壊した鉄塔は、各1基、計3基であるが、その原因は、全て地震による鉄塔敷地周辺の地盤変状の影響による二次的被害であった。
   二次的被害を引き起こす要因としては、盛土崩壊や地すべり、急傾斜地の土砂崩壊が考えられるので、今後、その3点について評価を行っていく。
4原子力発電所の開閉所等電気設備の浸水対策
   必要な対策を実施するにあたって、対象設備は、原子力発電所構内において、外部電源を6.6kV安全系高圧母線に受電するために必要なものとする。
   具体的には以下のとおり
  • (1)開閉所設備(遮断器など)
  • (2)変圧器
  • (3)6.6kV安全系高圧母線
○対策の検討方針
  上記の3設備について、設置高さや工事の規模等、各発電所の実態に応じた、適切な対策を講じる。
○検討結果と対策
  ・発電所への津波衝撃力緩和対策
   (緊急安全対策のさらなる充実として検討している設備充実対策)
     防潮堤の設置(美浜、高浜)、防波堤のかさ上げ(大飯)
  ・発電所構内の電気設備への津波防護対策
  • (1)77kV開閉装置のガス絶縁開閉装置化[GIS化](美浜)
  • (2)77kV予備変圧器の屋内施設化(美浜)
  • (3)77kV開閉装置、予備変圧器の防油堤かさ上げ
  •                                                (大飯1、2号)
  • (4)建屋内の給電ケーブルが冠水しないよう、接続箱、バスダクト等の配置変更(美浜、高浜、大飯)
  • ※GIS・・・ガス絶縁開閉装置

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