プレスリリース
2002
2002年8月7日
CO2炭層固定化技術開発プロジェクトへの参画について
当社と株式会社関西総合環境センター(KANSO)は、経済産業省資源エネルギー庁が今年度から5カ年計画で推進するCO2炭層固定化技術開発プロジェクトに、電気事業で培った火力発電所の排ガスからのCO2回収技術、海洋や地中への処分技術を用いて参画することとなりました。
近年、石炭のCO2を吸着する力が注目されており、ある研究では石炭1トンあたり50kgのCO2を吸収することが可能であると言われています。日本には、廃止した炭鉱や未採掘の炭田が数多く存在し、これらを全て活用すると日本全体で約100億トンのCO2を吸収、固定化することが可能になるとの試算もあります。 資源エネルギー庁のCO2炭層固定化技術開発プロジェクトは、この炭層を有効に活用して、CO2固定化を進めるために推進されるものですが、当社が従来から取り組んでいた吸収液を用いて火力発電所排ガスからCO2を回収する技術と、KANSOがCO2の海洋や地中への処分技術に関するプロジェクトに参画して得た知見を組み合わせることにより、今回のプロジェクトを推進可能という評価を得て、本日、事業者として決定したという通知を頂きました。本プロジェクトでは、KANSOが事業主体となり、関西電力の他、各種メーカー、団体、複数の大学研究機関等も参画し、技術開発を推進します。 さらに、今回のプロジェクトでは、石炭がメタンを吸着する量より約2倍のCO2を吸着する特性に着目し、火力発電所の排ガスから回収したCO2を地中深部の石炭層に圧入することで、石炭に吸着していたメタンを遊離させ、地上に回収し、このメタンをエネルギーとして活用します。つまり、CO2の削減とこれまで未利用であった炭層内のメタンの有効活用という一石二鳥の経済性に優れた効果が期待できます。 当社とKANSOは、CO2炭層固定化技術開発プロジェクトを通じて、地球温暖化対策やメタンの有効利用に貢献するとともに、CDM(Clean Development Mechanism [クリーン開発メカニズム])やJI(Joint Implementation [共同実施])に適用できるビジネスも検討していきたいと考えています。 以 上
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<参考資料>