現場取材|安定供給を支える原子力発電
かんでん Update
2022.1.31

現場取材|安定供給を支える原子力発電

電気を安全に安定してお届けするため、関西電力ではベースロードを担う原子力発電所の安全・安定運転に取り組んでいる。安全性を支える基本的な取組みである定期検査(定検)について、関西電力大飯発電所技術課の一井昭彦に聞いた。

現在の業務内容は?

大飯発電所3、4号機の定検の工程策定や日々の進捗管理を担当しています。また、廃止措置を進めている1、2号機は、廃止措置期間中にも機能を維持すべき設備があり、点検が必要であることから、こちらの工程策定と進捗管理も行っています。

定検中は発電を停止し検査を行うので、当然電気をお届けすることはできません。安定供給に支障が出ないよう、原子力事業本部や美浜、高浜発電所とも連携しながら調整を行っています。

定期検査では何をするの?

定期検査の打ち合わせを行う一井昭彦

定期検査の打ち合わせを行う一井昭彦

原子力発電所には、13カ月に1度、3カ月ほどの期間をかけて設備の健全性を確認する定検が義務付けられています。膨大な数の部品を分解し検査するとともに、必要箇所の取替工事を行います。運転停止時にしかできない安全性向上対策工事を併せて行う場合もあります。

直近に実施した、大飯3号機第18回定検では、当初2020年5月初旬の開始を予定していましたが、コロナの影響で、2020年7月開始と夏場の暑い時期にずれ込んだうえ、加圧器スプレイ配管取替対応のため、2020年9月完了予定が、2021年7月完了という1年がかりの長期定検となりました。

苦労した点は?

美浜や高浜発電所の定検作業を兼務していただいている協力会社さんもあるので、工程が重ならないよう綿密な調整を行いました。

大飯3号機第18回点検では、工程延長の中、取替えを行う加圧器スプレイ配管以外の設備を健全な状態に保てるよう、臨機応変な設備管理が必要でした。

また、定検では約3,000人の作業員が入構することから、コロナと熱中症対策の両方に対応するため、所内関係者と協議を重ねながら、より安全に実施できるよう対策を行いました。

仕事のやりがいは?

関西電力 大飯発電所

関西電力 大飯発電所

定検工事は、当社と協力会社の皆さまが一丸となって成し遂げる、いわばビッグプロジェクト。実際の定検工事期間は、2カ月~3カ月ですが、準備段階から実績の取りまとめまでを含めると1年近くにも及び、一つの定検が終わると非常に達成感があります。毎回、関係者から反省点、改善点を聞き、次回の定検に活かしています。

安定供給維持に向けた今後の抱負を!

原子力は、ベースロード電源として重要な役割を担っており、安全を最優先に安定運転を続けられるよう努めていきます。

安全・安定運転の継続こそ、皆さまからの信頼獲得の第一歩。「ここまでやれば安全だ」という過信をせず、さらなる安全性向上を目指し取り組んでいきます。

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