高浜発電所4号機の保全品質情報について、以下のとおりお知らせします。
発電所名 |
高浜発電所4号機 |
発 生 日 |
2019年9月8日 |
件 名 |
A蒸気発生器主蒸気流量計の一時的な指示値低下に伴う運転上の制限の逸脱および復帰について
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事象概要 および 対策等 |
- 1.事象の概要
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高浜発電所4号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力87万キロワット、定格熱出力266万キロワット)は、定格熱出力一定運転中のところ、9月8日7時頃に3台ある蒸気発生器のうちA蒸気発生器の主蒸気流量に関する警報が発信、復帰を繰り返す状態となりました。
関連する計器を確認したところ、2系統あるA蒸気発生器主蒸気流量計のうち、1系統の指示値が低下、復帰を繰り返していることを確認しました。
その後、7時12分に警報は復帰しましたが、保安規定の運転上の制限※1を満足していない状態にあると判断しました。
なお、運転パラメータを確認し、実際の主蒸気流量等に異常がないことを確認しました。その後、当該計器から信号を発信させた状態※2として、12時50分に保安規定の運転上の制限を満足する状態に復帰しました。
本件による環境への放射能の影響はありません。
- ※1:通常運転中は、保安規定第34条において、主蒸気ラインごとに2チャンネルが健全であることが求められている。運転上の制限とは、安全機能を確保するため、予備も含めて動作可能な機器(ポンプ等)の必要台数や、原子炉の状態毎に遵守すべき温度や圧力の制限が定められているもの。一時的にこれを満足しない状態が発生すると、事業者は運転上の制限からの逸脱を宣言し、予め定められた時間内に措置を行うことが必要となる。
- ※2:保安規定では、「動作信号を出力させている状態または誤動作により動作信号を出力している状態は動作可能とみなす。」としている。
[2019年9月8日 ホームページ掲載済み]
- 2.調査結果
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A蒸気発生器主蒸気流量計の指示低下に至った原因について調査した結果、関連パラメータ、伝送器、伝送ケーブル、計器ラックについて、異常は認められませんでした。 このため、9月9日19時20分に当該計器を通常運転状態に復帰させました。
- 3.推定原因
- 点検の結果、流量計に異常がないこと、および、当該流量計の指示値が復帰して以降、同様の警報は発信しておらず、指示値も正常値と変わらず安定していることから、偶発的に当該流量計の指示値が変動したものと推定しました。
- 4.対策
点検結果に異常はなかったものの、念のため計器ラックの入力カード(電子基板)を予備品に取り替えました。また、今回の定期検査で伝送器の取り替えを行います。
なお、仮設の記録計を計器ラックに設置して、A蒸気発生器主蒸気流量信号の監視強化を行っており、通常運転状態に復帰以降、異常は認められていません。
以 上
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