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2018年11月2日
関西電力株式会社

原子力発電所の運営状況について

 当社の原子力発電所における運営状況について、以下のとおりお知らせします。

1.運転状況について(2018年11月1日現在)
発電所 電気
出力
(kW)
運転状況 備  考
美 浜
発電所
3号機 82.6万 第25回 定期検査中
2011年5月14日~未定
 
高 浜
発電所
1号機 82.6万 第27回 定期検査中
2011年1月10日~未定
格納容器上部遮蔽設置工事における協力会社作業員の負傷に対する原因と対策について 詳細は3(2)のとおり
2号機 82.6万 第27回 定期検査中
2011年11月25日~未定
 
3号機 87.0万 第23回 定期検査中
2018年8月3日~2018年12月上旬予定
 
4号機 87.0万 運転中  
大 飯
発電所
1号機※1 - 廃止(2018.3.1 9:00)
(定期検査中※2(2010年12月10日~))
 
2号機※1 - 廃止(2018.3.1 9:00)
(定期検査中※2(2011年12月16日~))
3号機 118.0万 運転中 充てんポンプの運転上の制限の逸脱および復帰について 
詳細は3(3)のとおり
4号機 118.0万 運転中  
  • ※1:2018年3月1日に経済産業大臣へ廃止に係る発電事業変更届出書を提出。
  • ※2:法律上、定期検査は廃止措置計画の認可を受けた日をもって終了とみなされる。
<新規制基準適合性審査に係る申請を行ったプラント>(2018年11月1日現在)
1.重大事故等対処施設
発電所名 申請 申請日 補正日 許認可日
大飯
3、4号機
原子炉設置変更許可申請 2013. 7. 8 2016. 5.18
2016.11.18
2017. 2. 3
2017. 4.24
2017. 5.24
工事計画認可申請 2013. 7. 8
2013. 8. 5※1
2016.12. 1
2017. 4.26
2017. 6.26
2017. 7.18
2017. 8.15
2017. 8.25
保安規定変更認可申請 2013. 7. 8 2016.12. 1
2017. 8.25
2017. 9. 1
使用前検査申請 3号機:2017.8.28
(開始:2017.9.11)
4号機:2017.8.28
(開始:2017.9.14)
2017.11.30 3号機:2018. 4.10
4号機:2018. 6. 5
高浜
3、4号機
原子炉設置変更許可申請 2013. 7. 8 2014.10.31
2014.12. 1
2015. 1.28
2015. 2.12
工事計画認可申請 2013. 7. 8
2013. 8. 5※1
2015. 2. 2
2015. 4.15
2015. 7.16※2
2015. 7.28※2
2015. 9.29※3
3号機:2015. 8. 4
4号機:2015.10. 9
保安規定変更認可申請 2013. 7. 8 2015. 6.19
2015. 9.29
2015.10. 9
使用前検査申請 3号機:2015. 8. 5
(開始:2015. 8.17)
4号機:2015.10.14
(開始:2015.10.21)
3号機:2015.10.14※4
3号機:2015.11.25
4号機:2015.11.25
3号機:2016. 2. 8
3号機:2016. 2.26
4号機:2017. 6.16
美浜3号機 原子炉設置変更許可申請 2015. 3.17 2016. 5.31
2016. 6.23
2016.10. 5
工事計画認可申請 2015.11.26 2016. 2.29
2016. 5.31
2016. 8.26
2016.10. 7
2016.10.26
保安規定変更認可申請 2015. 3.17
使用前検査申請 2017.12.15
(開始:2018.1.15)
高浜
1、2号機
原子炉設置変更許可申請
(高浜1~4号機)
2015. 3.17 2016. 1.22
2016. 2.10
2016. 4.12
2016. 4.20
工事計画認可申請 2015. 7.3 2015.11.16
2016. 1.22
2016. 2.29
2016. 4.27
2016. 5.27
2016. 6.10
保安規定変更認可申請
使用前検査申請 2016.10. 7
(開始:2016.11.14)
  • ※1 高浜発電所3、4号機では2015.2.2の補正書に、大飯発電所3、4号機では2016.12.1の補正書に、2013.8.5の申請内容を含めたため、2013.8.5の申請を取り下げ。
  • ※2 高浜発電所3号機および共用設備のうち3号機に分類した設備について補正書を提出。
  • ※3 高浜発電所4号機および共用設備のうち4号機に分類した設備について補正書を提出。
  • ※4 高浜発電所4号機の共用設備の使用前検査時期を高浜発電所3号機の使用前検査工程に反映した記載内容の変更。
2.特定重大事故等対処施設
発電所名 申請 申請日 補正日 許認可日
高浜
3、4号機
原子炉設置変更許可申請 2014.12.25 2016. 6. 3
2016. 7.12
2016. 9.21
工事計画認可申請 2017. 4.26 - -
保安規定変更認可申請 - - -
高浜
1、2号機
原子炉設置変更許可申請
(高浜1~4号機)
2016.12.22 2017. 4.26
2017.12.15
2018. 3. 7
工事計画認可申請 (第1回)2018. 3. 8 (第1回)2018.10.5 -
保安規定変更認可申請 - - -
美浜3号機 原子炉設置変更許可申請 2018. 4.20 - -
工事計画認可申請 - - -
保安規定変更認可申請 - - -
2.廃止措置の状況(2018年11月1日現在)
発電所 廃止措置の状況(2017.4.19 ~ )
美浜発電所 1号機 ・残存放射能調査作業中(2018.3.26 ~)
・2次系設備の解体撤去作業中(2018.4.2 ~)
2号機 ・2次系設備の解体撤去作業中(2018.3.12 ~)
・残存放射能調査作業中(2018.3.26 ~)
3.トラブル情報等について
(1)法令に基づき国に報告する事象(安全協定の異常時報告事象にも該当する事象)
なし
(2)安全協定の異常時報告事象
発電所名 高浜発電所1号機 発 生 日 2018年10月6日
件  名 格納容器上部遮蔽設置工事における協力会社作業員の負傷に対する原因と対策について
事象概要
および
対策等
1.発生状況

 定期検査中の10月6日11時頃、1号機格納容器アニュラス内(管理区域)において、協力会社作業員が、格納容器の外壁下部補強工事で使用する鉄筋を搬入し仮置きする作業を実施していたところ、約7m上の通路から落下してきた鉄材(L型:9㎝×9㎝×2m、約20kg)が当たり負傷しました。病院で診察を受けた結果、約2ヵ月の加療が必要と診断されました。
 作業状況を確認したところ、工事で使用する鉄筋を約7m上の通路へ吊り上げ仮置きする作業を行っていました。同通路には、前日までの作業で発生した撤去材(足場材、L型鉄材、H型鋼材)等が既に置かれており、当日搬入する鉄筋を置く場所が不足していました。このため、通路上にいた作業員2名が、撤去材を足場材の上に移動させた際、L型鉄材1本が滑り落ち、格納容器と通路との隙間(約10cm)から階下へ落下し、被災者に当たりました。

[2018年10月6日 お知らせ済み]

2.推定原因
 鉄筋の仮置き場所確保のため、前日までの作業により発生した撤去材を移動したところ、格納容器と通路との隙間からL型鉄材が落下し、階下の作業員に当たり被災したものと推定しました。
3.対策
 資機材を仮置きする際には、事前に資機材の保管場所等の計画を作成することや、作業責任者が現場を確認した結果を踏まえ作業開始の判断を行うことを作業計画書に明記しました。また、これらについて、請負工事の注意事項を定めた社内規定に追記しました。
 なお、アニュラス内の格納容器と通路との隙間については養生材にて閉鎖しました。

以 上 

(3)保全品質情報等
発電所名 大飯発電所3号機 発 生 日 2018年10月17日
件  名 充てんポンプの運転上の制限の逸脱および復帰について
事象概要
および
対策等
1.事象の概要

 大飯発電所3号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力118万キロワット、定格熱出力342万3千キロワット)は、運転中のところ、17日4時33分に「充てんポンプ※1軸受油圧力低」等の警報※2が発信しました。直ちに現場の状況を確認したところ、3台ある充てんポンプのうち待機中のB充てんポンプの補助油ポンプ※3が停止していることを確認しました。このため、同日4時39分に保安規定の運転上の制限※4を満足していない状態にあると判断しました。その後、B充てんポンプの補助油ポンプを点検した結果、補助油ポンプのモータに付いている冷却ファン※5の羽根の一部が損傷していることを確認しました。
 このため、補助油ポンプのモータを取替え、補助油ポンプの試運転を行った結果、正常に起動することを確認したため、19日3時17分に保安規定の運転上の制限を満足する状態に復帰しました。

  • ※1:1次冷却材系統の水質、保有水量等を調整する系統(化学体積制御系)で浄化した1次冷却水を、1次冷却材系統へ充てんするポンプ。大飯発電所3号機の充てんポンプは3台(A、B、C)あり、Aは運転中、B、Cは待機していた。
  • ※2:油圧が58.8kPa以下となった場合に発信する。平常値は約110kPa。
  • ※3:待機中の充てんポンプを起動できるよう潤滑油を軸受へ供給するポンプ。
  • ※4:通常運転中は、B充てんポンプが動作可能であることが求められている。
  • ※5:補助油ポンプのモータの主軸と直結しており、一緒に回転することでモータ自体に風を送り、冷却するためのファン。

[2018年10月17日19日 ホームページ掲載済み]

2.調査結果

 モータを工場等で調査したところ、羽根は11枚のうち7枚が折損しており、塗装の剥がれや打痕があり、うち1枚には破面の一部に錆があることを確認しました。錆が発生した原因は、羽根が折損に至る前にひびが発生していたためと推定しました。このため、打撃試験を実施した結果、工具等を当てた程度の比較的小さい衝撃でひびが発生することが判明しました。これらの結果から、前回(2015年2月)のモータの分解点検時に、冷却ファンの羽根に工具等が当たりひびが発生し、その後のモータの運転に伴って当該の羽根が折損し、他の羽根に当たったことから、6枚の羽根が折損したものと推定しました。
 モータ内部の部品については、プレロードスプリング※6に潰れや破断があり、当該スプリングと隣り合う軸受のシールド板※7が変形していることを確認しました。また、軸受けとブラケットの接触面がすり減っていることを確認しました。
 同型のモータを用いて羽根の折損に関する再現試験を実施した結果、冷却ファンの羽根が折損した状態でモータを運転するとブラケットおよびプレロードスプリングに摩耗が発生することを確認しました。
 点検時の作業状況を調査した結果、ファンを軸に取付け・取外しする際、工具と羽根の間隔が比較的近い状態になることを確認しました。

  • ※6:軸受の側面が直接モータケース(ブラケット)に接触しないように間に入れる波状のリング
  • ※7:軸受内へのゴミの進入や軸受内からのグリース漏れを防ぐためのリング
3.推定原因
 前回(2015年2月)の分解点検時、冷却ファンの羽根に工具等が当たったことにより衝撃が加わって羽根にひびが発生し、その後の運転に伴う振動等で羽根が折損しました。これにより、モータ主軸の回転が不安定な状態となったことから、ブラケットおよびプレロードスプリングが徐々に摩耗し、スプリングが破断するとともに軸受シールド板が変形したため、軸受が固着気味となり、当該モータが過負荷にて停止したものと推定しました。
4.対策
  • (1)冷却ファンの取外し・取付け作業の作業手順書に、羽根に直接工具が当たらないようにするため、羽根に衝撃材を取付けることを追加するとともに、羽根に工具等を当てないように十分注意することを明記します。
  • (2)モータ主軸の異変等を早期に検知できるよう、当該モータを振動診断の対象機器に追加し、振動の傾向を監視することとします。

以 上 

以 上

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