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2018年7月3日
関西電力株式会社

原子力発電所の運営状況について

 当社の原子力発電所における運営状況について、以下のとおりお知らせします。

1.運転状況について(2018年7月3日現在)
発電所 電気
出力
(kW)
運転状況 備  考
美 浜
発電所
3号機 82.6万 第25回 定期検査中
2011年5月14日~未定
 
高 浜
発電所
1号機 82.6万 第27回 定期検査中
2011年1月10日~未定
 
2号機 82.6万 第27回 定期検査中
2011年11月25日~未定
 
3号機 87.0万 運転中 運転上の制限の逸脱および復帰について
詳細は3(3)のとおり
4号機 87.0万 第21回 定期検査中
2018年5月18日~2018年10月上旬予定
蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査結果に対する原因と対策について
詳細は3(1)のとおり
運転上の制限の逸脱および復帰について
詳細は3(3)のとおり
大 飯
発電所
1号機※1 - 廃止※2(2018.3.1 9:00)
(定期検査中※3(2010年12月10日~))
4.その他を参照
2号機※1 - 廃止※2(2018.3.1 9:00)
(定期検査中※3(2011年12月16日~))
4.その他を参照
3号機 118.0万 運転中  
4号機 118.0万 運転中  
  • ※1:2018年3月1日に経済産業大臣へ廃止に係る発電事業変更届出書を提出。
  • ※2:廃止措置を安全に行うために必要な設備の点検中(1号機2018.6.28~、2号機 2018.6.29~)。
  • ※3:法律上、定期検査は廃止措置計画の認可を受けた日をもって終了とみなされる。
<新規制基準適合性審査に係る申請を行ったプラント>(2018年7月3日現在)
1.重大事故等対処施設
発電所名 申請 申請日 補正日 許認可日
大飯
3、4号機
原子炉設置変更許可申請 2013. 7. 8 2016. 5.18
2016.11.18
2017. 2. 3
2017. 4.24
2017. 5.24
工事計画認可申請 2013. 7. 8
2013. 8. 5※1
2016.12. 1
2017. 4.26
2017. 6.26
2017. 7.18
2017. 8.15
2017. 8.25
保安規定変更認可申請 2013. 7. 8 2016.12. 1
2017. 8.25
2017. 9. 1
使用前検査申請 3号機:2017.8.28
(開始:2017.9.11)
4号機:2017.8.28
(開始:2017.9.14)
2017.11.30 3号機:2018. 4.10
4号機:2018. 6. 5
高浜
3、4号機
原子炉設置変更許可申請 2013. 7. 8 2014.10.31
2014.12. 1
2015. 1.28
2015. 2.12
工事計画認可申請 2013. 7. 8
2013. 8. 5※1
2015. 2. 2
2015. 4.15
2015. 7.16※2
2015. 7.28※2
2015. 9.29※3
3号機:2015. 8. 4
4号機:2015.10. 9
保安規定変更認可申請 2013. 7. 8 2015. 6.19
2015. 9.29
2015.10. 9
使用前検査申請 3号機:2015. 8. 5
(開始:2015. 8.17)
4号機:2015.10.14
(開始:2015.10.21)
3号機:2015.10.14※4
3号機:2015.11.25
4号機:2015.11.25
3号機:2016. 2. 8
3号機:2016. 2.26
4号機:2017. 6.16
美浜3号機 原子炉設置変更許可申請 2015. 3.17 2016. 5.31
2016. 6.23
2016.10. 5
工事計画認可申請 2015.11.26 2016. 2.29
2016. 5.31
2016. 8.26
2016.10. 7
2016.10.26
保安規定変更認可申請 2015. 3.17
使用前検査申請 2017.12.15
(開始:2018.1.15)
高浜
1、2号機
原子炉設置変更許可申請
(高浜1~4号機)
2015. 3.17 2016. 1.22
2016. 2.10
2016. 4.12
2016. 4.20
工事計画認可申請 2015. 7.3 2015.11.16
2016. 1.22
2016. 2.29
2016. 4.27
2016. 5.27
2016. 6.10
保安規定変更認可申請
使用前検査申請 2016.10. 7
(開始:2016.11.14)
  • ※1 高浜発電所3、4号機では2015.2.2の補正書に、大飯発電所3、4号機では2016.12.1の補正書に、2013.8.5の申請内容を含めたため、2013.8.5の申請を取り下げ。
  • ※2 高浜発電所3号機および共用設備のうち3号機に分類した設備について補正書を提出。
  • ※3 高浜発電所4号機および共用設備のうち4号機に分類した設備について補正書を提出。
  • ※4 高浜発電所4号機の共用設備の使用前検査時期を高浜発電所3号機の使用前検査工程に反映した記載内容の変更。
2.特定重大事故等対処施設
発電所名 申請 申請日 補正日 許認可日
高浜
3、4号機
原子炉設置変更許可申請 2014.12.25 2016. 6. 3
2016. 7.12
2016. 9.21
工事計画認可申請 2017. 4.26 - -
保安規定変更認可申請 - - -
高浜
1、2号機
原子炉設置変更許可申請
(高浜1~4号機)
2016.12.22 2017. 4.26
2017.12.15
2018. 3. 7
工事計画認可申請 2018. 3. 8 - -
保安規定変更認可申請 - - -
美浜3号機 原子炉設置変更許可申請 2018. 4.20 - -
工事計画認可申請 - - -
保安規定変更認可申請 - - -
2.廃止措置の状況(2018年7月3日現在)
発電所 廃止措置の状況(2017.4.19 ~ )
美浜発電所 1号機 ・残存放射能調査作業中(2018.3.26 ~)
・2次系設備の解体撤去作業中(2018.4.2 ~)
2号機 ・2次系設備の解体撤去作業中(2018.3.12 ~)
・残存放射能調査作業中(2018.3.26 ~)
3.トラブル情報等について
(1)法令に基づき国に報告する事象(安全協定の異常時報告事象にも該当する事象)
発電所名 高浜発電所4号機 発 生 日 2018年6月22日
件  名 蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査結果に対する原因と対策について
事象概要
および
対策等
1.本件の概要

 2018年6月22日、高浜発電所4号機(第21回定期検査中)において、3台ある蒸気発生器(SG)の伝熱管全数※1について渦流探傷検査(ECT)※2を実施したところ、A-SGの伝熱管2本の高温側管板※3部で、有意な信号指示が認められました。 B、C-SGの伝熱管については、有意な信号指示は認められませんでした。
 なお、本件による環境への放射能の影響はありません。

  • ※1:過去に同様の有意な信号指示が認められ、施栓した管等を除きA-SGで3,247本,B-SGで3,248本,C-SGで3,259本,合計9,754本。
  • ※2:高周波電流を流したコイルを、伝熱管に接近させることで対象物に渦電流を発生させ、対象物のきず等により生じた渦電流の変化を電気信号として取り出すことで、きず等を検出する検査。
  • ※3:蒸気発生器内の伝熱管が取り付けられている部品。伝熱管と管板で、1次冷却材と給水(2次冷却水)の圧力障壁となる。
2.原因調査
  1. (1)過去の調査結果との比較
    • ・高浜4号機では、これまでの定期検査において、高温側管板拡管部で有意な信号指示が確認されています(伝熱管22本)。過去の抜管調査の結果、ローラ拡管※4上端部付近の伝熱管内面で軸方向に沿った割れが認められました。原因は、伝熱管内面で局所的に発生した引張り残留応力と運転時の内圧および高温の1次冷却材環境が相まって生じた応力腐食割れ※5であると推定され、対策として施栓を行っています。
    • ・今回の有意な信号指示も、①高温側管板部のローラ拡管上端部付近であり、②伝熱管の軸方向に沿った内面きずを示す指示であるなど、過去に4号機で同様に認められた信号指示と特徴が類似していることを確認しました。
    • ※4:伝熱管内部に機械式ローラを通すことで伝熱管を押し広げて、伝熱管と管板を接合させる工程。
    • ※5:環境、応力、材料の3要因によって発生する割れ
  2. (2)SG伝熱管へのショットピーニング※6の効果
    • ・高浜4号機では第11回定期検査(1999年)において、初めて応力腐食割れが確認された後、当該部の応力腐食割れの発生を予防するため、第13回定期検査(2002年)でSG伝熱管の高温側管板拡管部内面にショットピーニングを施工し、伝熱管内表面の引張り残留応力を改善しました。
    • ・ショットピーニングでは、伝熱管内表面近傍(深さ約0.2mmまで)の引張り残留応力が改善されますが、これより深い部分では効果が小さいことが知られています。
    • ・このため、ショットピーニング施工時に、深さ約0.2mm以上で当時使用していたECTの検出限界未満(深さ約0.5mm未満)の微小なきずが既に発生していた場合、時間の経過とともにきずが進展する可能性があると推定しました。
    • ※6:伝熱管内面に小さな金属球を高速で叩き付けることにより、伝熱管内面の引張り残留応力を圧縮応力に改善する工事。
  3. (3)運転履歴調査
    •  運転開始以降、今回の定期検査開始に至るまでの期間について、1次冷却材の主要パラメータである温度、圧力、水質について調査を行った結果、過大な応力を発生させる温度、圧力の変化はなく、水質も基準値の範囲内で安定していたことを確認しました。
3.推定原因
 有意な信号指示が認められた原因は、過去の調査結果等からSG製造時に高温側の管板部で伝熱管を拡管する際、伝熱管内面で局所的に引張り残留応力が発生し、これが運転時の内圧と相まって、伝熱管内面から応力腐食割れが発生・進展し、今回検出されたものと推定しました。
4.対策
 有意な信号指示が認められた伝熱管2本については、高温側および低温側管板部で閉止栓(機械式栓)を施工し、使用しないこととします。

[2018年6月22日 お知らせ済み]

以 上 

(2)安全協定の異常時報告事象
なし
(3)保全品質情報等
発電所名 高浜発電所3、4号機 発 生 日 2018年6月8日
件  名 運転上の制限の逸脱および復帰について
事象概要
および
対策等
1.事象の概要

 高浜発電所3号機は定格熱出力一定運転中、高浜発電所4号機は定期検査中のところ、6月8日18時05分※1に予備変圧器(7.7万ボルト)内部故障過負荷警報が発信し、予備変圧器の受電が停止したため、18時08分、保安規定の運転上の制限の逸脱※2と判断しました。
 これにより、独立性を有していた回線から予備変圧器を経由した受電ができない状態となりましたが、50万ボルト送電線(4回線)の送受電に問題はありませんでした。また、高浜発電所4号機は、非常用ディーゼル発電機等に使用する燃料油貯油そうの点検に伴い、油を抜き取り中であったため、19時00分に保安規定の運転上の制限の逸脱※3と判断しました。
 その後、予備変圧器の点検を実施した結果、異常は無く、健全性が確認できたことから、予備変圧器を復旧し、6月9日17時20分に運転上の制限の逸脱から復帰しました。
 なお、本件による環境への放射能の影響はありません。

  • ※1:当時の発電所周辺の天候は、雷が多発していた。
  • ※2:第73条の3 外部電源に関すること
    3回線以上が動作可能であり、1回線以上は他の回線に対して独立性を有していることが求められている。
  • ※3:第85条 燃料油貯油そうに関すること
    点検作業の際には、外部電源に関する要求を満足していることが条件である。
2.点検結果
以下の項目について点検を実施し、当該の予備変圧器の健全性を確認しました。
  • ・予備変圧器からの漏油はなく、また、機械式リレーの作動はなく、絶縁抵抗値に異常がないことを確認しました。
  • ・受電停止につながった保護リレーの動作表示および健全性に異常がなかったことや、保護リレーの入出力信号を確認し正常に動作していることを確認しました。
3.推定原因
 本件は、送電線への落雷によって生じた電流により、予備変圧器の異常を監視している機器(保護リレー)が正常に動作し予備変圧器を保護したことにより、内部故障過負荷警報が発信したものと推定しました。

[2018年6月8日9日 お知らせ済み]

以 上 

4.その他

 長期間停止中の原子力発電所において、プラント全体を対象とした上で、停止中も機能維持が必要な設備※1に対して点検を実施してきましたが、大飯発電所1、2号機については、今後の廃止措置に万全を期すため、これまでの点検に加え、廃止措置を安全に行うために必要な設備※2について、1号機は2018年6月28日、2号機は同年6月29日から安全点検を開始しました。

  • ※1:使用済燃料ピット冷却設備、ディーゼル発電機 等
  • ※2:燃料取扱設備、使用済燃料貯蔵設備、廃棄物処理設備 等

以 上

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