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2017年2月3日
関西電力株式会社

原子力発電所の運営状況について

 当社の原子力発電所における運営状況について、以下のとおりお知らせします。

1.運転状況について(平成29年2月2日現在)
発電所 電気
出力
(kW)
運転状況 備  考
美 浜
発電所
1号機 廃止※1(H27.4.27 24:00)
(定期検査中※2(H22年11月24日~))
 
2号機 廃止※3(H27.4.27 24:00)
(定期検査中※2(H23年12月18日~))
 
3号機 82.6万 第25回 定期検査中
H23年5月14日~未定
 
高 浜
発電所
1号機 82.6万 第27回 定期検査中
H23年1月10日~未定
 
2号機 82.6万 第27回 定期検査中
H23年11月25日~未定
高浜発電所構内でのクレーンブームの損傷について
詳細は2(3)のとおり
【平成29年1月21日お知らせ済み】
3号機 87.0万 第22回 定期検査中
H28年12月9日~未定
蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査結果に対する原因と対策について
詳細は2(1)のとおり
【平成29年1月12日、1月19日お知らせ済】
4号機 87.0万 第20回 定期検査中
H23年7月21日~未定
大 飯
発電所
1号機 117.5万 第24回 定期検査中
H22年12月10日~未定
 
2号機 117.5万 第24回 定期検査中
H23年12月16日~未定
 
3号機 118.0万 第16回 定期検査中
H25年9月2日~未定
 
4号機 118.0万 第15回 定期検査中
H25年9月15日~未定
  • ※1:廃止措置を安全に行うために必要な設備の点検を終了(H27.5.1~7.13)。
  • ※2:法律上、定期検査は廃止措置計画の認可を受けた日をもって終了とみなされる。
  • ※3:廃止措置を安全に行うために必要な設備の点検を終了(H27.5.1~7.17)。
<新規制基準適合性審査に係る申請を行ったプラント>(平成29年2月3日現在)
1.重大事故等対処施設
発電所名 申請 申請日 補正日 許認可日
大飯
3・4号機
原子炉設置変更許可申請 H25. 7. 8 H28. 5.18
H28.11.18
H29. 2. 3
工事計画認可申請 H25. 7. 8
H25. 8. 5
H28.12. 1
保安規定変更認可申請 H25. 7. 8 H28.12. 1
高浜
3・4号機
原子炉設置変更許可申請 H25. 7. 8 H26.10.31
H26.12. 1
H27. 1.28
H27. 2.12
工事計画認可申請 H25. 7. 8
H25. 8. 5※1
H27. 2. 2
H27. 4.15
H27. 7.16※2
H27. 7.28※2
H27. 9.29※3
3号機:H27. 8. 4
4号機:H27.10. 9
保安規定変更認可申請 H25. 7. 8 H27. 6.19
H27. 9.29
H27.10. 9
使用前検査申請 3号機:H27. 8. 5
(開始:H27. 8.17)
4号機:H27.10.14
(開始:H27.10.21)
3号機:H27.10.14※4
3号機:H27.11.25
4号機:H27.11.25
3号機:H28. 2. 8
3号機:H28. 2.26
美浜3号機 原子炉設置変更許可申請 H27. 3.17 H28. 5.31
H28. 6.23
H28.10. 5
工事計画認可申請 H27.11.26 H28. 2.29
H28. 5.31
H28. 8.26
H28.10. 7
H28.10.26
保安規定変更認可申請 H27. 3.17
高浜
1・2号機
原子炉設置変更許可申請
(高浜1~4号機)
H27. 3.17 H28. 1.22
H28. 2.10
H28. 4.12
H28. 4.20
工事計画認可申請 H27. 7.3 H27.11.16
H28. 1.22
H28. 2.29
H28. 4.27
H28. 5.27
H28. 6.10
保安規定変更認可申請
使用前検査申請 H28.10. 7
(開始:H28.11.14)
  • ※1 H27.2.2の補正書にH25.8.5の申請内容を含めたため、H25.8.5の申請を取り下げ。
  • ※2 高浜発電所3号機および共用設備のうち3号機に分類した設備について補正書を提出。
  • ※3 高浜発電所4号機および共用設備のうち4号機に分類した設備について補正書を提出。
  • ※4 高浜発電所4号機の共用設備の使用前検査時期を高浜発電所3号機の使用前検査工程に反映した記載内容の変更。
2.特定重大事故等対処施設
発電所名 申請 申請日 補正日 認可日
高浜
3・4号機
原子炉設置変更許可申請 H26.12.25 H28. 6. 3
H28. 7.12
H28. 9.21
工事計画認可申請 - - -
保安規定変更認可申請 - - -
高浜
1・2号機
原子炉設置変更許可申請
(高浜1~4号機)
H28.12.22 - -
工事計画認可申請 - - -
保安規定変更認可申請 - - -
<運転期間の延長に係る申請を行ったプラント>(平成29年2月3日現在)
発電所名 申請 申請日 補正日 認可日
高浜1・2号機 運転期間延長認可申請(運転期間60年) H27.4.30 H27. 7. 3
H27.11.16
H28. 2.29
H28. 4.27
H28. 6.13
H28. 6.20
保安規定変更認可申請(高経年化技術評価など) H27.4.30 H27. 7. 3
H27.11.16
H28. 2.29
H28. 4.27
H28. 6.13
H28. 6.20
美浜3号機 運転期間延長認可申請(運転期間60年) H27.11.26 H28. 3.10
H28. 5.31
H28. 8.26
H28.10.28
H28.11.16
保安規定変更認可申請(高経年化技術評価など) H27.11.26 H28. 3.10
H28. 5.31
H28. 8.26
H28.10.28
H28.11.16
  • ※原子炉等規制法において、運転期間は40年とされているが、その満了に際し、原子力規制委員会の認可を受けることで、1回に限り20年を上限として延長が可能とされている。
2.トラブル情報等について
(1)法令に基づき国に報告する事象(安全協定の異常時報告事象にも該当する事象)
発電所名 高浜発電所3号機 発 生 日 平成29年1月12日
件  名 高浜発電所3号機の定期検査状況について
(蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査結果に対する原因と対策について)
事象概要
および
対策等
1.事象の概要
 平成29年1月12日、高浜発電所3号機(第22回定期検査中)において、3台ある蒸気発生器(SG)の伝熱管全数※1について渦流探傷検査(ECT)※2を実施したところ、A-SGの伝熱管1本の高温側管板※3部で、有意な信号指示が認められました。B,C-SGの伝熱管については、有意な信号指示は認められませんでした。
 なお、本件による環境への放射能の影響はありません。
  • ※1:過去に同様の有意な信号指示が認められ、施栓した管等を除きA-SGで3,274本,B-SGで3,248本,C-SGで3,263本,合計9,785本。
  • ※2:高周波電流を流したコイルを、伝熱管に接近させることで対象物に渦電流を発生させ、対象物のきず等により生じた渦電流の変化を電気信号として取り出すことで、きず等を検出する検査。
  • ※3:蒸気発生器内の伝熱管が取り付けられている部品。伝熱管と管板で、1次冷却材と給水(2次冷却水)の圧力障壁となる。
2.原因調査
 (1)過去の調査結果との比較
  • ・高浜3号機では、これまでの定期検査において、高温側管板拡管部で有意な信号指示が確認※4され、過去の抜管調査※5の結果、ローラ拡管※6上端部付近の伝熱管内面で軸方向に沿った割れが認められました。原因は、伝熱管内面で局所的に発生した引張り残留応力と運転時の内圧および高温の1次冷却材環境が相まって生じた応力腐食割れ※7であると推定しています。
  • ・今回の有意な信号指示も、①高温側管板部のローラ拡管上端部付近であり、②伝熱管の軸方向に沿った内面きずを示す指示であるなど、過去に3号機で同様に認められた信号指示と特徴が類似していることを確認しました。
  • ※4:平成12年、平成13年、平成24年で伝熱管22本に信号指示を確認し、施栓を実施。
  • ※5:平成12年に抜管調査を実施。
  • ※6:伝熱管内部に機械式ローラを通すことで伝熱管を押し広げて、伝熱管と管板を接合させる工程。
  • ※7:環境、応力、材料の3要因によって発生する割れ。
 (2)SG伝熱管へのショットピーニング※8の効果
  • ・ショットピーニングでは、伝熱管内表面近傍(深さ約0.2mmまで)の引張り残留応力が改善されますが、これより深い部分では効果が小さいことが知られています。
  • ・このため、ショットピーニング施工時に、深さ約0.2mm以上で当時使用していたECTの検出限界未満(深さ約0.5mm未満)の微小なきずが既に発生していた場合、時間の経過とともにきずが進展する可能性があると推定しました。

※8:伝熱管内面に小さな金属球を高速で叩き付けることにより、伝熱管内面の引張り残留応力を圧縮応力に改善する工事。応力腐食割れの発生を予防するため、第13回定期検査(平成13年)でSG伝熱管の高温側管板拡管部内面にショットピーニングを施工し、伝熱管内表面の引張り残留応力を改善。

 (3)運転履歴調査
 運転開始以降、今回の定期検査開始に至るまでの期間について、1次冷却材の主要パラメータである温度、圧力、水質について調査を行った結果、過大な応力を発生させる温度、圧力の変化はなく、水質も基準値の範囲内で安定していたことを確認しました。
3.推定原因
 有意な信号指示が認められた原因は、過去の調査結果等からSG製造時に高温側の管板部で伝熱管を拡管する際、伝熱管内面で局所的に引張り残留応力が発生し、これが運転時の内圧と相まって、伝熱管内面から応力腐食割れが発生・進展し、今回検出されたものと推定しました。
4.対  策
 有意な信号指示が認められた伝熱管1本については、高温側および低温側管板部で閉止栓(機械式栓)を施工し、使用しないこととします。
[平成29年1月12日、1月19日 お知らせ済み]
以 上
(2)安全協定の異常時報告事象
なし
(3)保全品質情報等
発電所名 高浜発電所2号機 発 生 日 平成29年1月20日
件  名 高浜発電所構内でのクレーンブームの損傷について
事象概要
および
対策等
1.事象の概要
 平成29年1月20日21時49分、高浜発電所構内において、大きな音がしたため、現場を点検したところ、1、2号機格納容器上部遮蔽設置工事用の大型クレーン4台のうち1台のクレーンブームが2号機原子炉補助建屋ならびに燃料取扱建屋へもたれかかっていることを確認しました。
 このため、2号機原子炉補助建屋ならびに燃料取扱建屋の屋根が一部変形していることを確認しました。
 燃料取扱建屋を内部から確認したところ、燃料取扱建屋天井からの落下物は無く、使用済燃料ピットへの影響はありません。
 クレーンブームの損傷時、暴風警報が出ており、強風が吹いていました。
 なお、当時、作業は実施しておらず、けが人はおりません。
 また、発電所敷地内および周辺のモニタリングポストの指示値には有意な変化は認められず、周辺環境等への影響はありません。
2.今後の流れ
 現在、クレーンが倒壊した原因の究明に向けた調査を進めておりますが、今後も 引き続き、調査を進めるとともに、原因および再発防止対策について、取りまとめて まいります。
[平成29年1月21日 お知らせ済み]
以 上

以 上

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