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2016年3月17日
関西電力株式会社
朝日航洋株式会社

美浜線の鉄塔建替工事にかかるヘリコプターからの運搬物の落下に関する原因と対策について

 平成28年3月1日、午前10時08分頃、関西電力株式会社(以下、関西電力)の送電線である美浜線の鉄塔建替工事中、協力会社である朝日航洋株式会社(以下、朝日航洋)がヘリコプターによる運搬作業を行っていたところ、工事に伴い新たに設置する碍子等(碍子:約54個・計800kg、碍子を収めた木箱)の入った運搬用具(以下、ヘリモッコ)が落下しました。
 落下場所は、福井県三方郡美浜町竹波地区付近の山中で、けが人や設備の損壊等はありませんでした。
 地元の方々をはじめ、多くの皆さまにご迷惑、ご心配をおかけしたことを、深くお詫び申し上げます。

[平成28年3月1日 お知らせ済み]

 その後、以下のとおり調査を行い、推定原因と再発防止対策を取りまとめましたので、お知らせします。

1.調査結果
(1)当日の作業状況
 鉄塔建替工事では、朝日航洋がヘリコプターを用いて、工事現場とヘリコプター基地間で、新たに鉄塔に設置する碍子等の運搬をしていました。網状のヘリモッコに詰めた運搬物2つを、上空で静止したヘリコプターから降ろした吊フックにそれぞれ玉掛ワイヤで掛けて、吊り下げた状態で運搬していましたが、その運搬中にヘリモッコの1つが落下しました。
(2)吊フックの状況
 ヘリモッコの落下後に、基地に戻ったヘリコプターの吊フックを確認した結果、ヘリモッコが残っていた吊フックには、玉掛ワイヤの両端がかかっていましたが、ヘリモッコが落下した吊フックからは、玉掛ワイヤの片端が抜け落ちていることを確認しました。
 また、ヘリコプター搭乗員および地上作業員への聞き取りを行ったところ、地上作業員の吊フックへの荷掛け作業には問題がなかったこと、および、ヘリコプター搭乗員による誤操作(飛行中に誤って吊荷を落下させる操作)や吊フックの機械的な誤動作はなかったことを確認しました。
(3)同型の吊フックでの検証結果
 運搬時には、吊フックに装着された可動式のワイヤ抜け落ち防止部品(以下、キーパー)がロックした状態を示す機内のライト(以下、ロックライト)が点灯したにも関わらず、玉掛ワイヤの片端が抜け落ちていたことから、同型の吊フックで検証を実施しました。その結果、玉掛ワイヤの端がねじれること等によりキーパーに掛かり、キーパーが持ち上がってロックされない状態になる場合があること、およびキーパーがロックされていない状態であっても、キーパーのロックライトが点灯する場合があったことから、ライトが点灯する仕組みに異常があることを確認しました。
2.推定原因
以上の調査結果から、今回の落下原因は下記のとおりであると推定しました。
  • ・使用していた吊フックは、機体が上昇する際に、吊荷の荷重がかかることで、キーパーが自動的にロックする仕組みであったが、玉掛ワイヤを吊フックへ掛けた後、機体が上昇する際に、玉掛ワイヤのねじれ等が影響し、キーパーが持ち上がったことで、ロックされないまま運搬が開始された。
  • ・キーパーがロックされていないにも関わらず、キーパーのロックライトが点灯した。
  • ・運搬中に、ロックされていないキーパーから、玉掛ワイヤの片端が抜け落ちたことにより、ヘリモッコが落下した。
3.対  策
(1)使用する吊フックの変更
  • ・キーパーやロックライト機能が無いフック(キーパーレスフック等)を使用する。なお、キーパーレスフック等は、吊荷が持ち上がる前にロードビームを手動によりロックする。
(2)荷吊時の確認方法
  • ・荷吊作業時の確認ポイントを明確にし、マニュアルに記載する。
  •  ※玉掛ワイヤのねじれがないことやワイヤを引っ張って吊フックにロックがかかっていることを確認する等

 関西電力および朝日航洋は、今後、同じようなことを起こさないよう、他の協力会社とも協力して、策定した対策を確実に実施し、再発防止に努めてまいります。

以 上

<添付資料>

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