プレスリリース

2014年6月20日
関西電力株式会社

原子力発電の安全性向上に向けた自主的かつ継続的な取組みのさらなる充実について

 当社は、原子力発電の安全性向上に向けた自主的かつ継続的な取組みについて、今後さらに充実させていくこととし、本日、それらの取組みを取りまとめました。

 当社は、美浜発電所3号機事故※1以降、「安全を守る。それは私の使命、我が社の使命」との社長の宣言のもと、安全文化醸成活動を推進するなど、安全最優先の事業運営を行ってきました。

 東日本大震災以降、東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえた反省に基づき、規制の枠組みにとどまらない安全性向上の取組み等について、全社を挙げて推進しています。
 その中で、東京電力福島第一原子力発電所事故から、原子力発電固有のリスクに対する認識や向き合う姿勢が十分ではなかったのではないかということを教訓として学んだことを踏まえ、今般、安全性向上に向けた自主的かつ継続的な取組みのさらなる充実を進めていくこととしました。主な取組みは、以下のとおりです。

(1)原子力安全に係わる理念の明文化と共有
  • ・将来世代の社員まで永続的に引き継いでいく「原子力安全に係わる理念」を明文化し、社長が全社員に発信して共有
(2)リスクマネジメントの充実
  • ・原子力以外の部門の幅広い知見も踏まえた評価を実施するための体制整備等、リスクマネジメントに対する経営トップのガバナンスを強化
  • ・海外の知見等の収集結果の活用によるリスク特定の仕組みの強化
  • ・確率論的リスク評価(PRA)※2の活用推進によるリスク分析・評価の仕組みの強化
  • ・リスクコミュニケーションの充実
(3)原子力事業本部における安全性向上に向けた基盤整備
  • ・重大事故時に発電所長に対策を進言できる「原子力安全システム全体を俯瞰する人材」の計画的な育成と配置
  • ・「原子力安全」と「核セキュリティ」に関する機能を集約し、安全性向上に係る取組みを一元的に推進するため「原子力安全部門」を原子力事業本部に新設。全ての原子力発電所に、所長に次ぐ職位として「原子力安全統括」を配置
(4)安全文化の発展
  • ・「原子力安全に係わる理念」のもとで、安全文化醸成活動の継続的な改善を進め、リスクの継続的な除去・低減の取組みを日々当たり前に実践できるような、安全文化のより高い段階への発展

 当社としては、今後も引き続き、今回お知らせした取組みを含め、規制の枠組みにとどまることなく、原子力安全推進協会(JANSI)※3や原子力リスク研究センター※4等とも連携しながら、全社一丸となって、たゆまぬ安全性向上に取り組んでいきます。

  • ※1:平成16年8月9日、美浜発電所3号機のタービン建屋において、二次系配管が破損し、配管から熱水と蒸気が噴出した事故。事故当時、定期検査の準備作業をしていた協力会社の方が被災し、5名の方が亡くなり、6名の方が重傷を負われた。
  • ※2:Probabilistic Risk Assessment:原子力発電所で発生する可能性がある事故や故障の事象を想定し、事象がどのように発展していくかを安全装置の故障確率などから計算することで、それぞれの発生頻度と、万一それらが発生した場合の被害の大きさを定量的に評価する方法。
  • ※3:東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、過酷事故対策を含む原子力発電所の安全対策を一層高めるため平成24年11月に発足した組織。主な業務として、独立した客観的な立場から電力会社が取り組む安全性向上活動を評価し、改善点等を提言している。
  • ※4:リスク低減に向けた研究開発を行うため、一般財団法人電力中央研究所が平成26年度上期中を目途に設置する予定の研究機関。

以 上

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