プレスリリース

2012年9月7日
関西電力株式会社

原子力発電所の運営状況について

 当社の原子力発電所における運営状況について、以下のとおりお知らせします。

1.運転状況について(平成24年9月6日現在)
発電所 電気
出力
(kW)
運転状況 備  考
美 浜
発電所
1号機 34.0万 第25回 定期検査中
H22年11月24日〜未定※1
当初平成23年4月下旬定期検査終了予定
2号機 50.0万 第27回 定期検査中
H23年12月18日〜未定※1
  •  
3号機 82.6万 第25回 定期検査中
H23年5月14日〜未定※1
 
高 浜
発電所
1号機 82.6万 第27回 定期検査中
H23年1月10日〜未定※1
  • 当初平成23年4月中旬定期検査終了予定
    ○空冷式非常用発電装置用中継接続盤他改良工事における協力会社作業員の負傷についての原因と対策について
    詳細は2(2)のとおり
    【発生は平成24年9月4日お知らせ済み】
2号機 82.6万 第27回 定期検査中
H23年11月25日〜未定※1
3号機 87.0万 第21回 定期検査中
H24年2月20日〜未定※1
 
4号機 87.0万 第20回 定期検査中
H23年7月21日〜未定※1
 
大 飯
発電所
1号機 117.5万 第24回 定期検査中
H22年12月10日〜未定※1
当初平成23年4月上旬定期検査終了予定
2号機 117.5万 第24回 定期検査中
H23年12月16日〜未定※1
 
3号機 118.0万 運転中  
4号機 118.0万 運転中
  • ○電動主給水ポンプの定例試験時の異常についての原因と対策について 詳細は2(3)のとおり
  • 【発生は平成24年8月23日お知らせ済み】
  • ○定期検査中のプラントについては、定期検査開始〜本格運転再開予定時期を記載。
  • ※1 福島第一原子力発電所事故に対する安全対策の実施状況を踏まえ、計画していく。
2.トラブル等情報について
(1)法令に基づき国に報告する事象(安全協定の異常時報告事象にも該当する事象)
なし
(2)安全協定の異常時報告事象
発電所名  高浜発電所1号機 発 生 日  平成24年9月4日
件  名 空冷式非常用発電装置用中継接続盤他改良工事における協力会社作業員の負傷についての原因と対策について (添付図1参照)
事象概要
および
対 策 等

 定期検査中の高浜発電所1号機において、9月4日14時50分頃、空冷式非常用発電装置の電源接続を容易に行えるようにするための改良工事中に、ケーブル積込のために車両を誘導していた協力会社作業員が、車両と屋外消火栓廻りの柵とに挟まれて負傷しました。
 受傷した作業員は、意識はしっかりしていますが、胸が痛いとのことであり、高浜町内の病院に搬送し、左胸部および右肘の負傷により、全治4週間と診断されました。

平成24年9月4日 お知らせ済み]

 調査の結果、被災した作業員は、当初、電気ケーブル置場近くに運搬車を誘導するため、運搬車の左側(助手席側)で誘導を行っていました。その後、運転手から見やすい運搬車の右側(運転席側)の方が停止位置を指示しやすいと考え、後退している運搬車の後方を通って運転席側へ移動しようとしました。その際、当該作業員は運転手に場所を移動することを伝えていませんでした。
 当該作業員が運搬車の後方を通過している時に、運搬車が停車位置まで後退してきたため運転手に停止を指示しましたが、運転手は停止指示が聞こえませんでした。
 これらのことから、原因は、当該作業員が誘導している運搬車の後方に立ち入ったこと、さらに、運転手は当該作業員が後方にいるとは思っておらず、十分に後方の注意を払っていなかったことから、運搬車の停止が遅れ、被災したものと推定しました。
 対策として、本事象について、協力会社に周知するとともに、以下の基本動作の確実な実施および安全意識高揚について徹底しました。

  • ・動いている車両の進行方向へ不用意に立ち入らないこと。
  • ・運転手は車両後退時、後方確認を確実に行うとともに、誘導者の声や合図が確認できない場合は、一旦立ち止まり、安全確認を行うこと。
  • ・事前に誘導者と運転手が誘導方法(合図)等の確認を行うとともに、作業中は作業員相互の声掛けを確実に行うこと。

 また、これらの対策については、社内規定に明記し、協力会社に周知徹底します。

(3)保全品質情報等
発電所名 大飯発電所4号機 発 生 日  平成24年8月23日
件  名 電動主給水ポンプの定期試験時の異常についての原因と対策について (添付図2参照)
事象概要
および
対 策 等

 平成24年8月23日0時30分頃、大飯発電所4号機の電動主給水ポンプ※1の定期的な起動試験を実施していたところ、電動主給水ポンプ出口圧力が変動していることを確認しました。このため、0時33分にポンプを手動停止しました。
 現場確認を行ったところ、本来開いているミニマムフローライン※2の弁が閉止しているとともに、ミニマムフローラインの弁の部品※3が外れていることを確認しました。
 なお、ポンプを停止した際に、一時的に電気出力が変動(約0.8%上昇)※4しましたが、すぐに定格出力に戻っています。また、タービン駆動の主給水ポンプは正常に機能しており、プラントの運転に影響はありません。
 また、本件による環境への放射能の影響はありません。
 ミニマムフローラインの弁の部品が外れた原因については、電動主給水ポンプの起動試験の際、固定していた部品の一部(ねじ込み部)にガタつきがあった可能性があり、これがミニマムフローラインの振動などにより、ゆるみ、外れたものと推定しています。
 5時30分頃から外れた部品の取り付け作業を開始し、弁の開閉状態を確認することで当該弁の健全性を確認いたしました。これを受けて、10時8分から電動主給水ポンプの起動試験を行い、問題がないことを確認し、自動待機状態に復旧しています。
 本件を受けて、大飯3,4号機における同種弁56台(各号機28台)について、ガタつきやゆるみの有無を確認し、いずれも異常がないことを確認しました。

[平成24年8月23日お知らせ済み]

 ミニマムフローラインの弁の部品が外れた原因を詳細調査したところ、接続金具への部品のねじ込み量が他の同種弁に比べて不足していました。このことから振動等によるガタつきが発生し易い状態であり、電動主給水ポンプの起動試験等に伴うミニマムフローラインの顕著な振動により、ゆるみが生じて外れたものと推定しました。
 今後、当該弁および同種弁の部品の取り付け作業にあたっては、ガタつきが生じない十分なねじ込み量を確保する作業手順とすることを、作業実施要領書に反映します。

  • ※1 蒸気発生器に二次冷却水を供給するポンプ。通常はタービン駆動の主給水ポンプにより水は供給されており、電動の本ポンプは予備のもの。0時20分に本ポンプを起動していた。
  • ※2 ポンプ保護(締めきり運転防止)のために、最小必要流量を確保する目的で設置しているラインである。今回は定期的な起動試験であり、このラインを使用してポンプから出てきた水を、蒸気発生器ではなく脱気器に給水を戻しているものである。
  • ※3 ターンバックル。
    弁の上側に取り付けられているもので、弁の開閉位置を伝達するもの(長さ:約160mm・素材:ステンレス鋼)。
  • ※4 119万kW→120万kW
    電動主給水ポンプの停止により、脱気器水位が上昇し、脱気器等に流入する蒸気が一時的にタービン側(低圧タービン)に流入したため、電気出力が一時的に上がったもの。

以 上

<添付資料>

プレスリリース