プレスリリース

2010年3月23日
関西電力株式会社

美浜発電所2号機の原子炉格納容器内での水の滴下に係る調査状況について

 美浜発電所2号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力50万キロワット、定格熱出力145万6千キロワット)は、定格熱出力一定運転中の3月19日12時頃に、中央制御室で監視カメラによる原子炉格納容器内の確認を行っていた運転員が、化学体積制御系統※1の再生熱交換器※2室内で水の滴下(4滴/分)があることを確認しました。
 運転パラメータや格納容器内の放射線モニタ等に異常は認められていませんでしたが、漏れ箇所の特定や詳細な点検調査を行うため、同日14時00分に出力降下を開始し、21時00分に発電を停止しました。その後、21時55分に原子炉を停止しました。
 なお、この事象による環境への放射能の影響はありません。

  • ※1 化学体積制御系統
    原子炉冷却系統から1次冷却材の一部を抽出し浄化した後、保有水量やほう素濃度等を調整して、原子炉冷却系統に1次冷却材を充てんする系統
  • ※2 再生熱交換器
    原子炉冷却系統から化学体積制御系統への抽出水と、原子炉への充てん水との間で熱交換を行うことにより、充てん水を加熱し、原子炉冷却系統への熱影響を緩和する

平成22年3月19日お知らせ済み]

 原子炉停止後、原子炉格納容器内の状況を確認したところ、監視カメラで水の滴下が確認された箇所の上方にある空気抜き配管の溶接部で、1次冷却材に含まれるほう酸が析出※3しており、床面には水溜りがあることを確認しました。また、当該箇所の周りの配管や再生熱交換器の保温材表面にほう酸の付着が認められました。
 空気抜き配管は、原子炉冷却系統への充てん水が流れる配管(充てん配管)の水張り時に、配管内の空気を抜くために設置されているもので、充てん配管の管台(異径管)に溶接されています。
 ほう酸の析出が認められた箇所は、管台(異径管)と空気抜き配管の溶接部で、浸透探傷試験※4の結果、充てん水の流れ方向の下流側に周方向の指示模様(長さ約26mm)を確認しました。
 今後、当該配管を切断し、破面観察等の詳細調査を実施します。

  • ※3 析出
    1次冷却材が漏れ出して、1次冷却材に含まれるほう酸が結晶化している状態
  • ※4 浸透探傷試験
    染料の入った液(浸透液)を傷に浸透させた後、余分な浸透液を除去し、現像剤により浸透指示模様として観察する方法
(経済産業省によるINESの暫定評価)
基準1 基準2 基準3 評価レベル
0− 0−
INES:国際原子力事象評価尺度

以 上

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