プレスリリース

2010年3月8日
関西電力株式会社

高浜発電所2号機補助建屋排気筒ガスモニタの一時的な指示値の上昇について

 高浜発電所2号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力82万6千キロワット、定格熱出力244万キロワット。定格熱出力一定運転中)において、本日 1時00分から、体積制御タンク※1の放射性ガスに含まれる酸素および水素濃度を測定するため、ガス分析器による定例分析(週1回)を実施していたところ、1時13分に補助建屋排気筒ガスモニタ※2の注意警報※3が発信しました。
 直ちに関連パラメータを確認したところ、当該モニタの指示値が1時9分頃から最大809cpm[13.5cps]※4に上昇していたことから、1時15分に体積制御タンクとガス分析器の間にある弁を閉じました。その結果、当該モニタの指示値は低下し、1時22分に通常レベル(約700cpm[約11.7cps])に戻りました。

 同時間帯に、当該分析系統が設置されたフロアの空気中の放射能を測定しているモニタ(仮設)も上昇していたことから、今回の分析操作に伴い、放射性ガスが室内に漏れ、換気系を通じて補助建屋排気筒から排出されたものと推定しています。

 現在、放射性ガスが漏れた原因を調査中です。

 今回、補助建屋排気筒から放出された放射性気体廃棄物の放射能量は、 約2.8×10Bqと評価しており、保安規定に基づく発電所の放出管理目標値(3.3×1015Bq/年)に比べ約1,100万分の1以下と十分低い値でした※5
 また、発電所敷地内および周辺のモニタリングポストの指示値にも有意な変化は認められず、周辺環境等への影響はありません。

  • ※1 化学体積制御系の設備で、原子炉容器や配管内の一次冷却材の量を調整するためのタンク。
  • ※2 運転に伴って発生する気体放射性廃棄物(希ガス)を監視するモニタ。高浜2号機の補助建屋からの排気を監視している。
  • ※3 補助建屋排気筒ガスモニタの指示値の上昇を早期に検知し、運転員への注意喚起を促すために設定(設定値791cpm)している。
  • ※4 cpmは1分間に、cpsは1秒間に測った放射線の数を表す単位。
  • ※5 高浜2号機の放射性気体廃棄物(希ガス)の年度放出実績は、平成18年度は6.3×10Bq、平成19年度は9.5×10Bq、平成20年度は3.2×10Bq。

以 上

<参考:高浜発電所周辺モニタリングポスト指示値(空間線量率)>

【単位:nGy/h】

  3月8日
0時00分
3月8日
1時00分
3月8日
2時00分
モニタリングステーション 約39 約38 約38
モニタリングポストNo.1 約44 約43 約42
モニタリングポストNo.2 約33 約32 約32
モニタリングポストNo.3 約38 約37 約36
モニタリングポストNo.4 約30 約29 約28
モニタリングポストNo.5 約38 約37 約37
  • ※環境中の空間線量率は、天候等により常に変動を繰り返しており、若狭地域及びその周辺の空間線量率は、おおよそ20〜170nGy/h。
  • ※n(ナノ):10億分の1を表す。
  • ※Gy(グレイ):放射線が物質に当たったとき、その物質に吸収される放射線量を表す単位。
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