プレスリリース

2008年2月6日
三菱電機株式会社
関西電力株式会社
中部電力株式会社

空冷式ヒートポンプチラー「コンパクトキューブ」の共同開発および発売のお知らせ~吸収冷温水機からのリニューアルでCO2排出量を半減~

 三菱電機株式会社と関西電力株式会社、中部電力株式会社の3社は、このたび、ビルや工場などの空調に使用する冷暖房可能な空冷式ヒートポンプチラー※1として、冷却能力180kWクラスでは業界最軽量・最小設置スペース※2の「コンパクトキューブ」を共同開発しました。
 「コンパクトキューブ」は、三菱電機株式会社が4月下旬から受注、6月から出荷を開始します。


 冷暖房が必要なビルや工場などの熱源には、電気を利用した空冷式ヒートポンプチラーやガスなどの燃料を用いた吸収冷温水機※3が使用されておりますが、CO排出量削減、省エネルギー、ランニングコスト低減のため、吸収冷温水機から空冷式ヒートポンプチラーへのリニューアル需要が多数あります。
 しかし、リニューアルの際、従来の空冷式ヒートポンプチラーでは、お客さまスペースの制約から設置できない場合がありました。
 そこで、様々な設置レイアウトでも柔軟に対応できるコンパクトで高性能な空冷式ヒートポンプチラーを開発しました。吸収冷温水機から「コンパクトキューブ」にリニューアルすると、57%のCO排出量削減※4、53%の省エネルギー※5、52%のランニングコスト低減※6が可能です。
 また、冷却能力180kW「コンパクトキューブ」の共同開発成果を活かして、118kWと150kWの冷暖房可能機および冷房専用機もシリーズ化したほか、高効率機(散水装置付)や普及機も揃えた豊富な製品ラインアップとしました。


<共同開発品の概要>
形名 定格能力 三菱電機株式会社販売計画
希望小売価格(税込) 計画台数
MCHV-P1800AE 冷却180kW
加熱160kW
13,440,000円 400台/年


<共同開発品の特長>
1.業界最軽量・最小設置スペースを達成
  冷却能力180kWクラスの空冷式ヒートポンプチラーでは、業界最軽量となる1,690kgを達成
(製品重量で従来機※7比33%削減)
  空気熱交換器と水熱交換器を高密度に内蔵することにより、コンパクト化を実現
(設置面積で従来機比19%削減)
  斜め上方風吹出し構造(Vフロー)の採用により、お客さまのスペースに合わせた様々なレイアウトに対応可能
 
2.優れたエネルギー消費効率と期間成績係数を達成
  熱交換器や散水方法の最適化を図ることにより、エネルギー消費効率※8(冷却)4.3を達成
  インバーター駆動スクロール圧縮機の最適制御により、年間を通じての高効率化を図り、期間成績係数※9(IPLV)6.2を達成(従来機比29%向上)


 なお、本開発機は本年2月に開催される展示会「HVAC&R JAPAN 2008(第35回冷凍・空調・暖房展)※10」に三菱電機株式会社が出展します。

  ※1   空冷式ヒートポンプチラー
ビルや工場等の空調に使用する冷水および温水をつくる電気式ヒートポンプを組み込んだ機器で、冷暖房の排熱を外気へ放熱する熱交換器を備えたもの。
  ※2   業界最軽量・最小設置スペース
2008年1月21日現在、三菱電機調べ。
  ※3   吸収冷温水機
燃料に都市ガス、重油、灯油等を使用してビルや工場等の空調用の冷水と温水をつくる機器。
  ※4   57%のCO排出量削減
     
年間CO排出量試算値 (単位:ton-CO/年)
  大阪地区 名古屋地区 平均
吸収冷温水機1 259 278 269
開発機「コンパクトキューブ」2 95 136 116
12)÷1×100 63% 51% 57%
       
  ※5   53%の省エネルギー
     
年間消費エネルギー試算値 (単位:GJ/年)
  大阪地区 名古屋地区 平均
吸収冷温水機1 6,038 6,038 6,038
開発機「コンパクトキューブ」2 2,808 2,813 2,811
12)÷1×100 53% 53% 53%
       
  ※6   52%のランニングコスト低減
     
年間ランニングコスト試算値 (単位:千円/年)
  大阪地区 名古屋地区 平均
吸収冷温水機1 15,134 16,122 15,628
開発機「コンパクトキューブ」2 7,499 7,432 7,466
12)÷1×100 50% 54% 52%
       
  <※4、※5、※6の試算条件>
     
建物規模 延床面積12,500m
用途 事務所
機器構成 開発機 空冷式ヒートポンプ 6台構成
吸収冷温水機 ガス吸収冷温水機
冷却能力1,125kW(COP 1.03)、加熱能力941kW(COP 0.86)
注)吸収冷温水機のCOPは1次エネルギー換算値
運転時間 社団法人 空気調和・衛生工学会「都市ガスによるコージェネレーションシステム計画・設計と評価」にもとづく
気象条件 大阪・名古屋地区の月別平均外気温度・外気湿度
計算方法 開発機 実機運転試験結果にもとづいた試算
吸収冷温水機 15年前に発売された機器をリニューアル対象に設定し、当時のカタログ等の性能表示にもとづいた試算(冷却COP 1.03、加熱COP 0.86)
〔ただし、最新の一般的なガス吸収冷温水機の性能 冷却COP 1.32、 加熱COP 0.88〕


料金メニュー
  大阪地区 名古屋地区
電気 関西電力
高圧電力AL
中部電力
高圧業務用電力FR
(季節別)プランA
水道 大阪市水道局
水道:一般
下水:一般汚水
名古屋市上下水道局
水道:業務用
下水:一般汚水
ガス 大阪ガス
空調用A契約第一種
東邦ガス
空調用A契約第一種
       
  ※7   従来機
三菱電機製空冷式ヒートポンプチラー(CAH-P1800F)
  ※8   エネルギー消費効率
定格運転時のCOP(coefficient of performance)のこと。COP=(冷却能力または加熱能力/消費電力)。値が大きいほど省エネルギー性が高いことを示す。このCOPを発電所の発電効率で除した値が1次エネルギー換算のCOPであり、吸収冷温水機と比較する場合にはこの値を使う。
  ※9   期間成績係数
期間を通じた冷凍機の成績係数を言い、現在ではその規格として米国のARI(米国冷凍空調工業会)550/590/ 2003年度版で規程されたIPLV(Integrated Part Load Value)がある。例えば、冷却時として100%負荷の場合とそれより少ない負荷の場合では、その時の成績係数(COP)も違い、期間を通じた成績係数の比較が必要になってくる。この期間成績係数が、年間での冷却運転効率が良いかどうかの指標となる。
  ※10   「HVAC&R JAPAN 2008」(第35回冷凍・空調・暖房展)
(ヒーバックアンドアールジャパン)
会 期   2008年2月12日(火)〜15日(金)4日間 10:00〜17:00 (最終日は16:00まで)
会 場   東京ビッグサイト 東展示棟 1・2ホール
主 催   社団法人日本冷凍空調工業会


<報道関係からのお問い合わせ先>
  郵便番号 100-8310 東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 電話 03-3218-2841
三菱電機株式会社 広報部
     
  郵便番号 530-8270 大阪市北区中之島3丁目6番16号 電話 06-7501-0242
関西電力株式会社 地域共生・広報室 報道グループ
     
  郵便番号 461-8680 名古屋市東区東新町1番地 電話 052-961-3582
中部電力株式会社 広報部 報道グループ


<製品に関するお問い合わせ先>
  郵便番号 851-2102 長崎県西彼杵郡時津町浜田郷517-7
三菱電機株式会社 長崎製作所 営業部
(担当:冷熱営業課 TEL 095-881-1141〜1144)


<開発体制>
1.開発者
  三菱電機株式会社
住所:東京都千代田区丸の内2-7-3
執行役社長:下村 節宏


関西電力株式会社
住所:大阪市北区中之島3丁目6番16号
取締役社長:森 詳介



中部電力株式会社
住所:名古屋市東区東新町1番地
代表取締役社長:三田 敏雄
   
2.開発期間
  2007年5月〜2008年3月

以  上

プレスリリース