プレスリリース

2008年2月4日
関西電力株式会社

高浜発電所3号機の定期検査状況について(A、B、C-蒸気発生器入口管台溶接部での傷の確認について)

 高浜発電所3号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力87万キロワット、定格熱出力
266万キロワット)は、第18回定期検査中であり、国内外で発生した600系ニッケル基合金溶接部での応力腐食割れ事象を踏まえ、3台ある蒸気発生器(SG)の1次冷却材出口および入口管台の溶接部(計6箇所)内面について、応力腐食割れ予防保全としてショットピーニング工事※1を実施する計画としています。
 この工事のため、1月12日から1月25日にかけて、事前に当該溶接部内面の渦流探傷試験(ECT)※2を行ったところ、A-SG入口管台溶接部で7箇所、B-SG入口管台溶接部で16箇所、C-SG入口管台溶接部で9箇所の有意な信号指示(複数の近接した信号を連続したものと評価した最大長さ A:約28mm、B:約38mm、C:約
14mm)を確認しました。


 ECTにおける有意な信号指示が認められたSG入口管台溶接部32箇所について、傷の深さを確認するため超音波探傷試験(UT)※3を実施した結果、A-SG入口管台溶接部の2箇所、B-SG入口管台溶接部の6箇所、C-SG入口管台溶接部の3箇所の計11箇所の板厚が、電気事業法に基づく工事計画認可申請書に記載の75.26
mmを下回ると評価しました。(最大深さ A:約9mm、B:約15mm、C:約9mm)


 今後、原因調査のためスンプ※4による金属組織観察等の点検を行います。今後の定期検査工程については、現時点では未定です。
 本事象による環境への放射能の影響はありません。


  ※1: ショットピーニング工事
金属表面に金属の玉を高速度でたたきつけることにより、金属表面の引っ張り残留応力を圧縮応力に変化させる工事。
  ※2: 渦流探傷試験(ECT)
材料表面に渦電流を流して、材料に発生する電磁誘導の変化から検査対象の傷を検出する方法。
  ※3: 超音波探傷試験(UT)
構造物に入射した超音波が欠陥に当たって跳ね返ってくる反響を観測することにより、欠陥の形態、形状、寸法を測定する方法。
  ※4: スンプ
損傷部の表面にフィルム等を貼り付け写し取り、これを顕微鏡で観察する。

以  上

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