プレスリリース

2007年9月25日
関西電力株式会社

美浜発電所2号機の定期検査状況について(A-蒸気発生器入口管台溶接部での傷の確認について)

  美浜発電所2号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力50万キロワット、定格熱出力145万6千キロワット)は、第24回定期検査中に、予防保全対策として、蒸気発生器出入口管台(計4箇所)溶接部表面の残留応力を低減させるためにショットピーニング工事※1を実施することとし、9月15日から9月18日にかけて、その施工前確認のための目視点検および渦流探傷試験(ECT)※2を行ったところ、A-蒸気発生器入口管台溶接部においてECTで13箇所の有意な信号指示が認められ、目視点検で1箇所の傷(ECTで有意な信号指示が確認された箇所)を確認しました。
その後、ECTで有意な信号指示が認められた13箇所で浸透探傷試験(PT)※3を実施したところ、それら全ての箇所において有意な浸透指示模様(最大長さ:約 17mm)を確認しました。


 このため、超音波装置を用いて傷の深さを測定した結果、浸透指示模様で最大長さを確認した部位で深さ約13mmの傷を確認しました。この傷の深さを考慮すると、当該管台溶接部の板厚(約68mm)は、電気事業法に基づく工事計画認可申請書に記載している板厚(75mm)を下回るものと評価されました。また、その他の部位の傷については非常に浅く、深さの評価が困難です。


 なお、当該管台溶接部以外の3箇所(A-蒸気発生器出口管台、B-蒸気発生器出入口管台)については、ECTの結果、異常は認められていません。


 今後、当該管台溶接部で確認された傷について、詳細な原因調査を実施するとともに補修方法を検討します。


 本事象による環境への放射能の影響はありません。

以  上

※1: ショットピーニング工事
金属表面に金属の玉を高速度でたたきつけることにより、金属表面の引張残留応力を圧縮応力に変化させる工事。
※2: 渦流探傷試験(ECT)
材料表面に渦電流を流して、材料に発生する電磁誘導の変化から検査対象の傷を検出する 方法。
※3: 浸透探傷試験(PT)
試験体表面に開口している傷を目で見やすくするため、可視染料の入った高浸透性の液を浸透させた後、余分な浸透液を除去し、現像剤により浸透指示模様として観察する方法。
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