プレスリリース

2006年8月22日
産業技術総合研究所デジタルヒューマン研究センター
関西電力株式会社

ネットワーク活用型家庭用ロボットシステムの開発について

 当社はこのたび、産業技術総合研究所デジタルヒューマン研究センターと共同で、ユーザとロボットの間に遮蔽物がある場合でも、ユーザの声にロボットが反応することができる家庭用ロボットシステムを開発しました。

 近年、ロボットは、二足歩行など動作面では高度化が進んでいますが、ユーザの姿や声を認識できる範囲が数m程度であることなどから、活動できる範囲は狭いスペースに限定されています。今後、家庭内で本格的にロボットを利用するためには、ロボットが他の部屋にいるユーザからの呼びかけに反応することや、ユーザとロボットの間にある障害物を回避して移動することが必要不可欠となります。

 今回開発したロボットシステムでは、ユーザの声を感知するセンサユニット※1をロボット内だけでなく天井などのロボットの外部に取り付けることで、ユーザの声を感知できる範囲を広げるとともに、センサに声が到達した時の音圧差と周波数特徴からユーザの位置を特定することに成功しました。
 さらに、外部計算機※2が、予め登録された家庭内の見取図とセンサユニットが特定したロボットおよびユーザの位置を元に、ロボットからユーザまでの最適な移動経路を計算することで、スムーズな移動を実現しました。

  • ※1 ロボットが発信する超音波を受信し、ロボットの位置を特定するとともに、ユーザの声からユーザの位置も特定するセンサ。
  • ※2 ロボット本体と無線で連動しており、主にロボットの移動経路を計算する。

 このシステムを利用することで、ユーザが離れた部屋にいるロボットに命令することやロボットが迅速にユーザのところに移動してくることなどが可能となります。

 また、本システムでは、従来はロボットに内蔵されていたセンサや計算機を外部化するため、ロボット本体の小型化・軽量化が可能であり、今後、より複雑な計算処理を行うために大きな計算機が必要となった場合にも、柔軟に対応することができます。なお、本システムに利用できるロボットに制約はなく、様々なロボットの利用が可能です。

 当社は、電気事業を始めとした総合エネルギー事業を中心に、情報通信や生活アメニティ分野など、くらしの基盤となる領域において、お客さま満足NO.1企業を目指していますが、今回開発したロボットシステムを情報通信技術や警備システムなどと連動させ、お客さまの生活をより豊かにするサービスの開発に努めてまいります。

以  上

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