プレスリリース

2006年1月19日
関西電力株式会社

原子力発電所の運営状況について

当社の原子力発電所における運営状況について、以下のとおりお知らせします。

1.運転状況について(平成18年1月19日現在)
発電所 電気
出力
(kW)
運転状況 備  考
美 浜
発電所
1号機 34.0万 運転中  
2号機 50.0万 運転中  
3号機 82.6万 事故停止中[第21回定期検査中]
H16.8.9 2次系配管破損事故により停止。
(引き続き、H16.8.14〜 第21回定期検査)
H17.1.5〜 定期検査作業中
 
高 浜
発電所
1号機 82.6万 運転中  
2号機 82.6万 運転中  
3号機 87.0万 運転中  
4号機 87.0万 第16回 定期検査中(H17.11.16〜H18.3月中旬予定)  
大 飯
発電所
1号機 117.5万

運転中


  【プラント状況を追加】 
「大飯発電所1,2号機の原子炉停止および3,4号機の所内単独運転について」詳細は2-(1)のとおり。

  【調査結果を追加】
「大飯1号機A−タービン動主給水ポンプミニマムフローラインベント部からの漏えいの原因と対策について」詳細は2-(2)のとおり。
2号機 117.5万

運転中


3号機 118.0万
運転中

  【測定結果を追加】 
「大飯発電所3、4号機 復水処理装置再生排水処理設備からの排出ガスおよび排水中のダイオキシン関連について」詳細は3のとおり。
4号機 118.0万 第10回 定期検査中(H17.12.27〜H18.4月下旬予定)


2.保全品質情報について

実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則および電気関係報告規則に基づく報告事象や安全協定の異常時報告事象に該当する事象を含め、保安活動向上の観点から、産官学において情報共有することが有益である事象


(1)法令に基づく報告事象や安全協定の異常時報告対象のうち重要な事象
発電所名  大飯発電所1〜4号機 発 生 日 12月22日
件  名 大飯発電所1,2号機の原子炉停止および3,4号機の所内単独運転について (添付図−1参照)
事象概要
および
対 策 等
 12月22日、大飯発電所(ともに加圧水型軽水炉 1,2号機:定格電気出力117.5万kW、3,4号機:定格電気出力118万kW)は、1号機が第20回定期検査中(定格熱出力一定運転にて調整運転中)、2,3,4号機は定格熱出力一定運転中のところ、8時49分から8時53分の間に、送電線系統(大飯幹線、第二大飯幹線)への雪の影響により送電が停止したため、所内単独運転となりました。
  その後、1号機が8時57分、2号機が8時58分に、両号機とも「C−S/G水位高タービントリップ」により原子炉が自動停止しました。
また、大飯幹線を8時55分、第二大飯幹線を9時01分に復旧のうえ、大飯3,4号機については、10時14分に並列しました。

 その後3号機は22日18時15分、4号機は24日23時30分に定格熱出力一定運転に復帰しています。
 2号機は25日21時30分に原子炉を起動し、26日13時50分に発電を再開しました。
 1号機は26日に原子炉を起動し27日に発電再開します。

[平成17年12月22日26日 お知らせ済]


 その後、1号機は12月27日20時29分に発電を再開し、12月29日7時10分、2号機は12月28日1時00分に定格熱出力一定運転に復帰しています。(4号機は、27日から第10回定期検査中)


(2) (1)に至らない軽微な事象
発電所名 大飯発電所1号機 発 生 日 第20回定期検査中(12月10日)
件  名 A−タービン動主給水ポンプミニマムフローラインベント部からの漏えいの原因と対策について (添付図−2参照)
事象概要
および
対 策 等
 定期検査のため調整運転中(電気出力75%)の12月10日11時00分頃、パトロール中の作業員がA−タービン動主給水ポンプミニマムフローラインベント部の第一弁上流側付近からわずかな異音と保温外装板に湿りがあることに気づいたため、当該部の保温外装板の隙間から見たところ、第一弁とベント配管との溶接部付近から霧状の漏えいがあることを発見しました。
 このため、A−タービン動主給水ポンプを隔離するため予備機であるC−電動主給水ポンプに切替を実施しました。その後、当該ベント部の保温材を外して外観点検を行ったところ、ミニマムフローラインベント部の第一弁とベント配管の溶接部付近からわずかに水が漏えいしていることを確認しました。
 また、本事象による周辺環境への放射能の影響はありません。
  ミニマムフローライン
    ポンプの過熱や過大振動を防止するために、ポンプの最低流量を確保するためのライン。

[平成17年12月26日 お知らせ済]

 原因は、ベントライン配管の固有振動数と、出力上昇試験中のタービン動主給水ポンプ振動数が非常に近いことから共振し、当該部に疲労限を超える応力(高サイクル疲労)が発生し、これにより配管外表面に割れが発生・進展し、貫通に至ったものと推定されました。
 対策として漏えいのあったベント配管については、出力上昇試験中のタービン動主給水ポンプとの共振を避けるため、当該ベントライン配管を短く(約780mm⇒約450mm)すると共に、同配管に直列に2個設置されている弁の1個(第二弁)を撤去しました。
 また、溶接部の応力軽減のため、管台部と配管、および配管と弁の取付溶接構造をソケット溶接タイプから突合せ溶接タイプに変更しました。



3.その他情報
発電所名  大飯発電所3,4号機 発 生 日 11月29日
件  名 大飯発電所3、4号機 復水処理装置再生排水処理設備からの排出ガスおよび排水中のダイオキシン関連について (添付図−3参照)
事象概要
および
対 策 等
 大飯発電所において、ダイオキシン類対策特別措置法に基づき、1、2号機および3、4号機の復水処理装置再生排水処理設備からの排出ガスと排水の試料採取(1回/年の頻度)を行った結果、11月29日、分析会社より、3,4号機復水処理装置再生排水処理設備からの排出ガス中に基準値を上回るダイオキシンが検出されたとの報告(速報)を受け、即時、運転を停止するとともに、同設備周辺をロープで区画し、立ち入り制限を行いました。また、同設備の運転状況等を確認のうえ、11月30日、関係機関に報告しました。
 3,4号機復水処理装置再生排水処理設備に関しては、前回定期検査以降の運転状態に異常がないことを確認しました。当該設備は、当面の使用を停止し、原因を究明後、必要に応じて設備の改善等を実施することとします。また、1,2号機の同設備についても、運転状況の確認・点検およびダイオキシン濃度の測定、放水口付近の海域におけるダイオキシン濃度、敷地境界付近の大気および敷地内の土壌におけるダイオキシン濃度の分析を行います。
  復水処理装置再生排水処理設備:
    プラント運転中に、2次系統水中の不純物を除去する復水処理装置の、イオン交換樹脂を再生する際に発生した廃液を焼却処理する設備であり、プラント運転中は連続運転を行っている。

[平成17年12月1日 お知らせ済]

 1,2号機復水処理装置再生排水処理設備の排出ガス、排水(放水口)、および大飯発電所敷地付近の環境大気、周辺土壌についてダイオキシン濃度を測定した結果、基準値を十分下回った結果となっています。

 [平成17年12月19日 分析会社より分析結果報告受領]
 
測定ポイント 試料
採取日
今回の測定値 基準値
大飯発電所1,2号機
  復水処理装置
再生排水処理設備出口排水
H17.12.3 0.30 pg-TEQ
 /リットル
大飯発電所1,2号機
  側放水口
H17.12.3 0.0082 pg-TEQ
 /リットル
10pg-TEQ/リットル
以下
大飯発電所1,2号機
  復水処理装置
再生排水処理設備排出ガス
H17.12.3 0.0056 ng-TEQ
 /m3
5ng-TEQ/m3
以下
大飯発電所取水口についても試料を採取し、放水口と同様に分析した結果、放水口と同程度の分析結果(0.0064 pg-TEQ/リットル)となっています。
 なお、大飯発電所3,4号機の復水処理装置再生排水処理設備については、原因究明中ですが、設備内の残水のダイオキシン濃度測定結果は880pg-TEQ/リットルであり、前回測定値(8400pg-TEQ/リットル)より低いものの高濃度ダイオキシンが検出されました。この残水の処理は、産業廃棄物として処理する予定です。

 [平成18年1月16日 分析会社より分析結果報告受領]
 
測定ポイント 試料採取日 今回の測定値 基準値
 環境大気
  ・守衛所付近
  ・物揚岸壁付近
H17.12.9〜
12.16
0.0043pg-TEQ/m3
0.0093pg-TEQ/m3
0.6pg-TEQ/m3
以下
 土壌
  ・守衛所付近
  ・1号機放水口付近
H17.12.9 1.7pg-TEQ/g
1.4pg-TEQ/g
1,000pg-TEQ/g
以下

  保全品質情報については、下記の公開サイトにおいても、準備が整い次第掲載していきます。
  当社ホームページ(/knic/meeting/index.html)“原子力情報センター(保全品質情報)”
  日本原子力技術協会ホームページ(http://www.nucia.jp)“原子力施設情報公開ライブラリー「ニューシア」”

以 上

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